表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
傲慢王女と元凶

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

536/2277

447.女王は判断する。


「ではな、セドリック。くれぐれも無謀な真似だけはしてくれるな。」

「セドリック。……気をつけるんだよ。」


国王二人が護衛の兵士や従者達と共にセドリックへ別れの挨拶をしたのは、プライドにセドリックが言及されてから翌日の昼だった。

特殊能力による尋問告白。そこで自身の無実を証明すると共にラジヤ帝国の不審も明らかにしたセドリックは、このままフリージア王国に一人滞在延期をすることになる。


「ああ。兄貴と兄さんも、国のことは頼んだぞ。」

女王であるローザ達と共に兄二人を見送るセドリックは、二人とそれぞれ握手を交わし合い、力強い笑みで見送った。

セドリックとそして再びローザ達に挨拶をした二人は次の瞬間にはステイルの特殊能力により姿を消した。護衛も、従者も荷物も全てセドリックと馬車だけを残して彼らは帰還した。


「……では、行きましょうかセドリック王子殿下。私どもがお部屋へ御案内致します。」

夜通しでお疲れでしょう、とジルベールが重々しく頭を下げ、来賓用の宮殿へと再び案内すべく部屋の外を示した。……既に契約の尋問により、無実を証明したセドリックに。

お願い致します、と言葉を返すセドリックはその場でローザ達に挨拶を済ませ、護衛の衛兵と共に背中を向けた。

パタン、と部屋の扉が閉ざされた後。女王であるローザは静かに息を吐ききった。


「……ヴェスト。次のラジヤ帝国からの訪問……貴方の力を借りることになるやもしれません。……許して貰えますか…?」

わかってはいますが。と少し躊躇うように言葉を掛けるローザに、ヴェストは躊躇いなく深々と頭を下げた。


「姉君、許すも何もその為の私でしょう。いくらでもお任せ下さい。…全ては女王陛下の仰せのままに。」

衛兵の目がある為、整えた言葉でのヴェストの返事にローザは人前では珍しい柔らかな笑みで返した。

そのままふらりと足元と一緒に肩の力が抜ける。気がついた王配アルバートがそっと彼女の肩に手を回し、添えた。一度部屋に戻ろう、とそっとローザに囁くと後の処理を摂政のヴェストとステイルに任せ一度ローザを自室へと連れて行った。

眠る間もなくセドリックの供述を聞き届け続けたことで疲労しているのは、セドリック本人だけではない。当然、ヴェストやジルベール、アルバートも今日まで眠れぬ日々が続いていたが、それは女王であるローザも同様だった。

日頃の睡眠不足と過労に加え、契約に伴うセドリックの供述による本人の無実。

セドリックはプライドと話をしていた時、薬どころかグラスを手に持ってすらいなかった。プライドが告発した時からそうだろうとローザも含めた誰もが思ってはいたが、実際にそれが裏付けされればローザ達の心労は更なるものだった。


つまり、プライドが故意にセドリックを陥れたということになるのだから。


同盟国の王弟、更には国際郵便機関の統括役だ。それを国王二人の前で陥れるなど、同盟破棄どころか戦争になってもおかしくない。そして今、フリージア王国は無実であるセドリックを城に軟禁してしまっている。

その上、セドリックが訴えたラジヤ帝国の関与。アルバートに付き添われて部屋を出る直前、ローザはテーブルの上に積み上げられた分厚過ぎるその束は、間違いなく史上最重量となる尋問の記録書類に他ならなかった。

セドリックの恐ろしい程の記憶力。

途中、何度か休息を取りながらの供述ではあったが、あまりにも長く膨大なセドリックの話に書記を務めたヴェストからジルベール、ステイルも加わり三人で時間交代しながら発言を記録する事態になった。

結果、ローザも認めざるを得ない。セドリックの記憶力は確かであることを。そしてそのセドリックがラジヤ帝国の不審を状況証拠として訴えた。つまりラジヤ帝国がプライドに何かしらを行ったという疑惑が確証に近いほど色濃くなったということだ。

あくまでラジヤ帝国が仄めかすような発言をしたり、何かをしているところを見たわけではない。だが、絶対的な警備が敷かれているそこで姿を消していたということが、セドリックにより実証された。


……ラジヤ、帝国……。


フラつく頭で、それでも城の人間の前では毅然と表情を澄ましながら歩くローザは心の中で呟いた。

もし、本当にラジヤ帝国がプライドに危害を加えたのだとすれば。

セドリックも供述の中で話していたが、プライドの異変に直接関与していないとしてもラジヤ帝国が何かプライドに危害を加え、その衝撃でプライドが以前の性格に戻ったとすれば。それはプライドの異変の有無関係なく、ラジヤ帝国から明確な攻撃意思があったということになる。

ローザはそれを考えながら、アダムとプライドの接点を作ってしまったことに口の中を噛み締めた。


「……アルバート。……引き続きプライドが倒れた日の調査をお願いします。」

セドリック王子からの情報を合わせて。と続ければ「勿論です」とアルバートは短く言葉を返した。

自室の扉が開かれ、中へ戻るローザを扉の前まで見送るアルバートに彼女は「そして」と最後に言葉を切り、強い眼差しで振り返った。




「ラジヤ帝国に対し、厳戒態勢を。」



薔薇のような唇から明確な敵意を込めて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] そうか!ヴェストさんの能力はこの自白の紙作りなのかぁ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ