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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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Ⅲ200.特殊話・貿易王子は仕入れ、

3部200話達成記念。

◎質問解答話◎

今までの数回の質問コーナーでよくあった質問から解説代わりのご返答ストーリーとなります。

※あくまでハーフIFとしてお楽しみください。

※あくまでハーフIFとしてお楽しみください。

※あくまでハーフIFとしてお楽しみください。

本編に繋がるか否かはご想像にお任せします。


「……また、すごい品を仕入れたわねレオン……」


おお……と、テーブルの上に置かれた品に思わず目を見張る。あくまで冷静に、社交界で鍛えられた表情筋で抑えるもののなんとも苦笑いだけはつい溢れ出た。

定期訪問で我が城に訪れてくれたレオンと、今回は本人の希望もあって城内でのお茶会だった。基本、レオンが自分からお茶会を希望する時は何か話があるか見せたい品があるかのどちらかが多いけれど、今回は後者だ。

私だけじゃない、近衛騎士のエリック副隊長もアラン隊長も興味深そうに目を向けている。公務補佐中のステイルやティアラもきっとこの場にいたら、興味深く前のめりになっていただろう。

私の反応に、レオンも予想していたように「僕も最初聞いた時は疑ったよ」と苦笑した。けれど、レオンがこうして私の前に出すということはある程度の安全確認も終えた後なのだろう。そうでないものを私に出すとも思えない。


「〝惚れ薬〟なんて言われてもいたけれど、実際はそんな効果じゃないから安心して」


もう、まさに乙女ゲームの世界としか言いようがない品名だと喉まで来ている言葉を必死に飲み込んだ。そして実際、私はこの物体に前世の記憶で凄まじく覚えがある。

既に安全性の確認と複数人による毒味も終えたというその飲食物は、レオン曰く異国の輸入品らしい。一部の界隈では高額で取引された希少品で〝惚れ薬〟とも噂される大ヒット商品で、それを生産者自らがレオンもといアネモネ王国に売り込みに来たらしい。

今は本当に一部の人間にしか売られていないけれど、是非アネモネ王国を通して全世界に大々的に売って欲しいと、試供品数本と共に商談書を送りつけられた。そして、………………結論を言えば、レオンはこの商談は断るつもりだと。


「それで、成分的にはお酒なのよね?」

「うん。あくまで高純度で素晴らしく出来の良いお酒だったよ。ただ、………成分〝以外〟の部分でただのお酒ではないね。調べてみたけれど、恐らくはその酒の製造者は特殊能力者だ」

無自覚の、と。そこでレオンから困り笑いが溢れた。

あくまで、その製造者の身辺調査を行ったわけではない。ただ、我が国としても貿易大手国であるアネモネ王国でもよくある話だ。我が国の特殊能力者が無自覚に特殊能力を使った品がそのまま無自覚に珍品として流れるということは。

だからこそ〝発明〟の特殊能力を始めに色々と規制があるといって良い。特殊能力者は我が国の血筋を少しでも引き継いでいて、あとは我が国出身者であればその後の過程は関係ないとされている。つまり、我が国で生まれて幼いうちに異国に移住した人間が特殊能力者だったという事態だ。特殊能力者の国であればまだしも、なにも関係ない異国で育ち、なおかつ特殊能力を自覚する機会も知識もなく、気づきにくい特殊能力を無自覚に発揮した結果が珍品や異国の伝承や天才、そして怪物だったりもする。


そしてどういう経緯かはさておき、ワイン蔵で働き頭角を現した酒作り職人が、拘りに拘り手間暇かけたお酒に特殊能力が込められ、曰く付きで売りに出されている。つまり、たとえこの世界以上の科学で調べて成分的には問題なくても、特殊能力の込められたこのお酒は見事人智を上回る逸品であることに変わりはない。

「それで、このお酒は本当に………?」

「うん。あくまで〝必ず酔う〟というだけで後遺症も副作用もない。ある意味、高度数の酒よりも安全に酔えるお酒かな」



特典ドラマCDアイテム………!!!!!!



間違いない、と。もう喉から溢れているその単語を私は奥歯を噛み締めて必死に押さえ込んだ。

ゲームでもあった!最初にハマッた第三作目でもあったし、その後のキミヒカシリーズの特典ドラマCDでもお決まりの面白ご都合アイテムだ。特殊能力の込められた、飲んだら必ず酔うお酒という安全だけど絶対酔っちゃう便利アイテム!!!

ドラマCDだとこれを飲んだ攻略対象者達が珍しく酔う姿とか、ちょっと主人公に大胆にアタックしちゃったり、逆に主人公が酔っ払っちゃったりしてさあ大変!ドキドキ!!までがワンセットのお酒で、誰かしらがご都合よく入手したところから物語が始まっていた。

正直私がようやく入手したドラマCDも第三作目だけで、内容もどうだったかさえわからないけれど既に第三作目でお決まりアイテム扱いされていたし、つまりは第一作目でも第二作目でも登場したのだろう。そうじゃなくても「特殊能力で酔っちゃうお酒」なんて、ばっちりフリージア王国アイテムなんだからこうして現実に流通するのもまぁあり得る話だ。いやでもまさか特典のドラマCDまでこの世界では現実なんて思わない!!!!!


「以前、プライドが酔ってみたいと話していたからちょうど良いと思って」

エエソウネ、と。若干ヒクついた笑みになってしまいながらレオンに言葉を返す。その言葉は本音だけれど、まさかそこで特典限定登場アイテムを持ってきてくれるとは思わなかった。流石レオンとしか言いようがない。

以前に確かに、話した。「一度くらい酔ってみたいわ」とレオンと茶飲み話の中で。それも酒を大量に飲んでみたいという意味ではなく、本心で、わりと切実に。なにせ



ゲームの最強ラスボス女王であるプライド・ロイヤル・アイビーは、お酒に酔わない。



恐らくこれも一種のラスボスチートだと言って良いだろう。

今までも、それこそお酒に耐性がなくて当然の年からこの世界ではお酒を嗜んできた私だけれど、一度も酔ったことがない。最初は量もある程度節度を弁えていたし、ちょっと強いのかしら?くらいに思っていたけれど、段々飲めるようになって飲む機会も増えてとうとう確信に変わった。私はいくらお酒を飲んでも全く酔わない。

何度か「酔ったかしら?」と期待したり疑ったこともあったけれど、結局実際にちゃんと酔ったことは一度もなかった。でも確かに、ゲームの最強ラスボスがたかがお酒で酔ってぐでんぐでんなんて恰好がつかない。ゲームでもラスボスプライドがお酒を優雅に飲んでいた場面はいくつもあったけれど、酔っ払う場面は一度もなかったし、………………まぁ私が言うのもなんだけれど、ラスボスプライドは常に最悪の悪酔いをしているような言動も多かった。

もうラスボスプライドは、きっと酒に酔うという機能がない。その結果、私は今まで一度もお酒に酔ったことがなかった。


お酒に強いともなれば、社交界ではむしろ便利だし、だからって私自身はお酒に見境がないわけでもないから問題はないのだけれど、………二度の人生を送っていて一度も酔うというものを体験したことがないのはちょっとだけ残念でもあった。前世は飲酒法のある世界と国でかつ未成年だったもの。

そしてレオンも、私と婚約解消してから自分でも試してみたところお酒は凄まじく強いらしく、いくら飲んでも酔うことはないらしい。こちらも完璧王子のレオンだからこそのお酒チートだろう。

ただ、レオンの場合はお酒に強いだけで気分次第で酔ったような気分になったことはあるということだから、私みたいに絶対酔わないというほどではなさそうだけれど。


「変な味はしなかったし、本当に気分が悪くなるようなこともなく寧ろ効果は置いても美味しいお酒だったよ。だけど、やっぱり悪用されるのも怖いから、断りと共に警告の書状も送って置いたよ。既に各国へも同じような売り出しを始めているようだったから」

「ええそれが良いわ……。………?もしかしてレオン、貴方も飲んだの??」

つい流れるように後半がもっとも過ぎて聞き逃しかけてしまった。このお酒を流通させないのも警告文を送るのも正しい。あくまでドラマCDでもコミカルに「お酒に酔っちゃった」程度で演出されていたけれど、………相手を必ず酔わせる美味しいお酒って、充分危険物だ。

惚れ薬と言われればロマンチックで魅力的にも思えるものの、相手を無抵抗にして本来の思考能力を奪う品という意味では恐ろしいものだ。裏家業がお手軽に手に入れれば、誘拐の悪用にも使えてしまう。それこそ、エルヴィン達が手に入れていればレオンへと盛っていたのもこのお酒だろう。


だからこそ、製造者に特殊能力の可能性の示唆と、取り扱いには充分気を付けるべきだという警告は親切でもある。今は珍品扱いで、一部の人間にしか流通していないから面白おかしく惚れ薬で済んでいるものの、今後何か事件が起きれば政策と流通させた本人にも責任の刃が向くことは重々あり得ることだ。

けれど、………………つまりはそんな劇物珍品を、第一王子であるレオンが自ら飲んだということに耳を疑う。いや確かに自分で飲んだならば私にも安心して提供できるのも納得だけれども!!

信じられず目が限界まで開いてしまう私に、レオンは「僕も気になったから」と首を傾けながら滑らかに笑んだ。


「今後またいつ盛られるかも、うっかり飲み過ぎちゃうかもわからないし、一応自分の酔う初期症状はわかっていた方が良いかなと思って」

当然他にも毒味役にも通し、その上で自分が飲んでも問題なかったと続けるレオンに、本当にその意識の高さに感服しかない。私みたいに「ちょっと体験してみたい」の気軽さとは格が違う。確かに仰る通りだ。

私は正直言えばラスボスチートで酔う心配はないとわかっているからいいけれど、単純に〝まだ〟酔ったことない人にとってはかなり重要な経験とも言える。レオンの場合は薬を盛られたか、ただ酔っただけかと緊急時に自分で把握と対策するにも必要なものだっただろう。王族の中にも毒に身体を慣れさせて毒殺に備える場合もあるし、必要な準備ともいえる。

思わず「流石ね……」とレオンの意識の高さに素直に感想が出てしまえば、そこでフフッと笑い声が返された。


「なかなか面白い体験だったよ。まぁ、ちょっと大変なことにはなったけれどね」

大変?!?!!!!!

滑らかに笑みながらさらっと聞き捨てならないことを言うレオンに思わず息を止めて見返す。「安全だから大丈夫」と再び大事なことを繰り返すレオンはそこで少し困ったようにはにかんだ。

レオン曰く、自分の体調がという意味ではなく、自分が酔った結果回りに迷惑をかけてしまったという意味でらしい。「もう二度と酔いたくはないかな」と笑むレオンは当時潰れても良いように公務の後に飲んだし介助係も男女ともに控えさせて任せた上での試飲だったけれど、それでも大変って………、うん。でもちょっと想像はできてしまう。

ドラマCDは聞いていない私だけれど、ゲームではお色気担当のレオンが酔ったら一体どうなるか。そして今も詳しくは言いたがらず笑顔のまま口を噤むレオンに、私も深く聞くべきではないと判断する。


「だからプライドも試飲するならなるべく人に会わない時間帯で、部屋に一人でいる時がお勧めかな。部屋の外に一応介助用の侍女と護衛をつけておけば充分だから」

泥酔で体調不良になることはないから、あくまで時間が経過したら様子見に来て貰うくらいで充分だと。本当に、副作用のある薬の注意事項のようなレオンの警告に私は口の中を飲み込んだ。

レオンも一度は人払いした上での被害らしいし、ラスボス女王の私も間違いなくそれぐらいの用心は最低限必要だ。


「今ここで飲むのはやめた方がいいかしら……?」

「立ち会いには興味もあるけれど。……仮にも一部で〝惚れ薬〟と言われるものを僕の目の前で飲ますのは立場上は気が進まないな」

仰る通り。

つい、軽はずみな発言をしてしまったことに、その場で謝罪する。もし酔って大暴れしてしまっても今ならレオンもいるし、近衛騎士のエリック副隊長とアラン隊長もいるからすぐ取り押さえてもらえると考えたけれど、まずそちらの方を鑑みるべきだった。それにいくら気心知れた仲とはいえ、異性に対して醜体を自ら晒すのは王女として…………いや淑女として許されない。

振り返ればアラン隊長とエリック副隊長も半分笑いながらも肯定も否定もなく口を結んでいた。そりゃあ騎士様が王女相手にどうぞ酔っ払えなんて言えないだろう。

アーサーとステイル………も異性だし、ティアラやマリーとロッテじゃ逆に私に襲われたら太刀打ちできないし、やっぱりここは一人で飲んで確かめるのが一番安全そうだ。


「ありがとうレオン。………気を付けて試すわ」

「うん。部屋の前にも信頼できる者だけを立たせて。念の為、男性も一人は必要だとは思うけれど」

それは大丈夫と、私は扉の前に今も控えている信頼できる近衛兵に目を向ける。酔い潰れた後の私を運ぶ役程度ならジャックに任せれば問題ない。もしそれ以上の腕尽くのお仕事の場合は、近衛騎士再出動も最悪あり得るけれども。

そう思った矢先にアラン隊長が「扉の前くらいなら全然いますよ!」と心強いことを言ってくれるから、お願いしたくなる。エリック副隊長にすかさず「こちらから言うのは……」と止められてしまったけれど。確かに万が一のことを考えるとお二人にも醜態は見せたくない。

一先ず、このお酒は誰にも迷惑のかからない場所と時間帯で一人で試みようと、そう改めて覚悟を決めた。興味だけじゃない、今後どんなことで酔ってしまってもすぐ対処法を誰かに託す為にもとレオンに見習い、意識も変える。


時間帯は就寝前、部屋も閉め切り扉の前にジャックとロッテ、そしてしっかり者のマリーにちょっとだけ控えてもらう。扉を閉めて10分ほどしたら酔っ払いの私を回収して寝かせてもらえば良い。酔っ払いで記憶がない場合を鑑みて一応の証人はいて欲しいけど、最初はなるべく醜態みられても恥ずかしくないマリーとロッテ優先で!!!!

ステイルとティアラに話したら間違いなく心配して付き添ってくれようとすることも鑑みて、この場でエリック副隊長達に口止めもお願いした。

その日の、夜。

ステイルとティアラにも無事隠し通し、レオンからの助言も守り、安全かつ完璧な構えで一人酔っ払い体験を試みた私は



「?!いけませんプライド様!!!」

「プライド様!!!」

「ッ姉君に何をしている?!!!」

「ッお姉様?!どうなさったのですか!!」



もう二度と、あのお酒は飲まないと心に誓った。


本日22時から別作品「ぴゅあ堕ち」が連載再開します!

https://ncode.syosetu.com/n1915kp/

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
ジャックに何かしでかしたっぽい、ですね。 レオンは、以前の特殊話のifで、酔った場面がありましたね。あんな感じかなぁ?
面白いお話ありがとうございます!酔えないのも難儀ねぇ。でも2人とも酔わせちゃダメな人だったのか… レオンはお色気200%で周りが失神したのかなとか思いますが、プラ様は…? ステイルの発言より「誰かが姉…
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