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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
嘲り王女と結合

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そして買う。


「セフェク。買うなら今買え」

「えっ……あ、でも!別に!!こういう服とか配達中は動きにくいし……」

「学校では絶対着れますよ!セフェクに似合いますし僕も見てみたいです。……あ!そういえば今度寮の友達の部屋にお泊りするって言ってましたよね!」


そっか!と、言いながらケメトは彼女が寝心地の良さそうな可愛らしい服にも目がいった理由にも気が付いた。

あっさりと図星を突かれ、肩が跳ねてしまうセフェクはヴァルの顔も見上げられる恥ずかしさに下唇を噛む。お泊り会のことについてはヴァルにも話したが、その為に可愛い服が欲しくなったことはなんとなく恥ずかしい。


今までもヴァルやケメトよりは衣服に興味を持っていたセフェクだが、学校に通うようになってから興味はさらに増していた。

もともと下級層の生徒の為である施設の学校では、毎日同じ服や布を繋ぎ止めただけのような服を着ている生徒は珍しくない。しかしセフェクが仲が良い女子生徒はその殆どが中級層の一般生徒。おしゃれ、というほどではないが日ごとに違う服を着ていたり時々母親が縫ってくれた可愛い服をお披露目したり、市場で買ったという綺麗な服を見せてくれる時もある。


今までは配達人として機能性重視に動きやすい服や汚れても良い服ばかりをずっと身に纏って気にもしなかったが、少し他の子と同じようなおしゃれな服に羨みや憧れも強くなっていた。

更には今度しようと約束した女子寮内でのお泊り会。いつも同じ服で寝て起きてを繰り返している自分と違い、おしゃれとは別の用途で寝る用の服を皆が持っていることもセフェクはよく知っている。

しかし今まで大しておしゃれに興味を持っていなかった自分が、急に学校の友達に感化されておしゃれな服が欲しくなったなど。それをケメトやヴァルに話すのは気恥ずかしく、言い出しにくかった。特にいま、自分が一番心惹かれたスカートは丈が長く長旅にも適さない。


ケメトに背中を押されてもなかなか認められず、視線を誤魔化すように品とは別の方向へと意味もなく首を動かしてしまう。

その間にもヴァルは、一度荷袋を地面に降ろすといつも使うのとは違う小さな布袋を懐から取り出した。自分の金ではない、プライドから受け取っている〝セフェクとケメトの分の〟配達料代金だ。

大まかには自分が全て宿代や食料は払っているヴァルだが、隷属の契約で人の金を着服できない彼は名目上は彼らの〝給与〟である金も別の布袋にいれて保管している。

使え、と言わずともわかるように布袋ごとセフェクの鼻先へと突き出した。今まで金貨銀貨で受け取ったことはあっても財布ごと渡されての買い物をしたことがなかったセフェクは、思わず一度大きく背中で仰け反った。

この布袋の中に、ケメトと二人分とはいえどれだけの大金が入っているかは彼女もうすうす理解している。


両手で受け取り、中を小さく開けて覗けば間違いなく大金がきらきらと輝きのままに詰まっていた。服屋の女性や周りに中身が見えないように、急いで指だけを突っ込み一枚の銀貨を選び取り出したセフェクはぷるぷる震わせながらそれを女性に渡した。

まいど、と自分の見立ては正解だったことを嬉しそうに満面の笑みを浮かべる女性は「これで良い?」と掲げ続けていたスカートを示し確認した。

コクコクと何度も繰り返し頷くセフェクを可愛いと思いながら、持ち運びしやすいように丁重に畳み始める。おつりも払わないととポケットに手を突っ込みながら、彼女がスカート以外にも目につけていた服の棚を確認する。


「他には良いかしら?おつり出しちゃって平気?」

「!あっ、はい……良い、です。………………それが、一番欲しかったから……」

途中からもごもごとした口になりながら、頬を僅かに染めるセフェクはおつりを受け取る前から布袋の紐をぎゅっと絞った。

目の前で可愛らしいスカートが畳まれるのにそれだけで足元がふわふわした感覚に襲われる。ケメトが「もっと買いましょうよ」と自分の裾を指で引っ張ってくるが、これ以上選ぶのは恥ずかしい。

せっかく目当てのものを買ったのに小さくなってしまうセフェクに、ケメトは首を傾ける。せっかくセフェクが好きな服があって、絶対似合うのに、着る機会のある場所も自分が使って良いお金もあるのに、それを買わないのは勿体ないと思う。

セフェクが両手で握る布袋には、セフェクの分と〝自分の分〟のおこづかいが入っている。生活費以外滅多に自分達は使わないそれを使い過ぎないように遠慮しているのか。そう考えながらケメトは一度口の中を飲み込んだ。セフェクが使わないのならと、彼女が持っている大金の布袋に手を伸ば




ジャララララッ。




「片っ端からだ」

金ならある、と。

ケメトがセフェクから布袋を貰う前に、そう断言された。

二人が顔を上げれば、綺麗に並べられていた商品の服上に十枚近い金貨が褐色の手の平から落とされていた。

二人用のものではない、自分の布袋から大金を先払いしたヴァルにセフェクもケメトも目を丸くする。どうみてもこの店にある服にヴァルが買うようなものはない。


あまりの大金を突然突き出され、女性もセフェクのスカートを手から落としかけた。

相手がサーシス王国の城へ行き来している配達人であることはわかっていたが、こんな大金をポンと出せるのかと驚愕してしまう。少なくとも三人の格好はどうみても金持ちと思うには難しい風貌だったのだから。

そしてだからこそ、年頃の女の子にくらいおしゃれな服を着て欲しいと声をかけた部分もある。まさかの貴族のような買い物を自分の店でされるとは思わなかった。

数秒呆けた後、慌てて配達人へ「片っ端とは」と具体的な商品を提案する。この一点もののスカートをもっと寄越せという意味か、それとも店中の服全てという意味かと混乱しかけながら尋ねればそこでやっとケメトも手を挙げた。


「この子が着れる服を下さい!寝衣と、あと似合いそうな服もたっくさん!!」

全部でも良いです!と思い切って代弁するケメトの言葉に、ヴァルも訂正しない。

むしろ話は終わったといわんばかりに再び酒瓶を仰ぎ始めれば、グビグビという音にセフェクも遅れて目が覚めた。えっ!ええっ!!と今日一番の大声を上げて顔を真っ赤にするセフェクは、自分の持っていた布袋を確かめた。

自分が持っているということはあのお金は自分のじゃなくてヴァルの‼︎と思ったが、言い出す前にぐいっと首を伸ばしてきた女性に喉が反射的に干上がった。


スカートだけならまだしも、着れる服全てとなるとセフェクの身体のサイズにあった物だけ選ばなければならない。

そして逆を言えば〝彼女が着れる服なら〟全てを買い取って貰えるのだと。女性は商売心とセフェクに似合う服を着せたい欲求に目がギラギラと輝かせる。商品の端から順に掴み取っていく。

一着のスカートだけなら剥き出しで渡そうとしていたが、あまりの品数に自分が市場まで運んできた時に使った大型の布袋を一つ取り出し順々に詰め込んだ。「同じ種類の服は?」と被っても良いか尋ねてみればセフェクが思い切り首を横に振った為、一種類ずつ詰めていく。

それでも十五歳細身の少女の身体に合う服は多く、更には御都合でもお世辞でもなく本気でどれも似合う自信があると女性は迷わず詰め込んだ。

気付けば市場の服屋ではなかなかみない大物買いに先ほどまでの注目とは違う視線を大勢から浴びながら、セフェクはただただ目を大きくさせるしかなかった。


ケメトがセフェクから布袋を受け取りヴァルに返した時には、彼も酒瓶を一本空にした後だった。

自分の荷袋よりも大きく膨らんだ布袋を渡され、おつりに数枚の金貨と別の色をした硬貨を纏めて受け取った。以外に釣りが返って来たと思いながら、ヴァルは布袋に戻すのも面倒になりそのまま懐に仕舞う。

服が詰め込まれた布袋を、道すがら貰った品の一番の上に積み上げて再び砂の土台を地面から滑らすと「いくぞ」の一言と共に再び宿の方向へと歩き出す。

ありがとねぇ!と気前の良すぎる客へ響く声で送り出す女性の声は無視した。

いつもの荷袋を肩に拾い上げ進むヴァルに、セフェクとケメトも女性へぺこりぺこりと振り返り挨拶をした後慌てて追いかけしがみついた。


「ちょっと!なんでこんなに沢山買っちゃうの!!また無駄遣いばっかりして!!」

「うるせぇ。テメェが使わねぇからだろうが。俺の金をどう使おうと俺の勝手だ」

「セフェク!無駄なんかじゃないですよ!僕もセフェクに買ってあげたかったです!!ヴァルはすごく格好良かったです!!」

買った後になって文句を言い出すセフェクへ舌を打つヴァルへ、ケメトも全力で応戦する。

日頃勿体ない金の使い方に文句が増えていたセフェクだが、彼女自身目の前のきらきらと輝いて見えた服が詰め込まれている間それを断ることができなかった。〝欲しい〟の気持ちに抗えなかったことに、恥ずかしさと嬉しさに増して八つ当たりのようにヴァルの腕を掴んで引っ張ってしまう。

自分の買い物でこんなに買っちゃうならケメトにも買ってあげれば良いのに!と思うが、同時に今すぐにでも膨らんだ布袋を鏡のある部屋で開けたくて仕方がない。

まさか服に興味のないヴァルが、こんなにたくさん服を買ってくれるなど想像もしなかった。


「こんなに服着回せるかわかんないから!今まで服なんて一着で充分だったのに……」

「なら適当に配るか売るか捨てろ。寮の部屋があんだからそこに積んで置けばいいじゃねぇか」

ケッ、と言葉だけは吐き捨てるヴァルに、セフェクは口を引き結ぶ。

本当に全部が全部自分の服にして良いのだと、確信を得た途端に胸の奥が弾み出した。ぎゅぅぅぅぅうう!!と、込み上げる気持ちのままにヴァルの腕にまきつく腕に力を込める。

女性の細腕に絞られたところで痛くもないが、それでもセフェクの訴えたい感情は嫌でも伝わったヴァルはうんざりと吐く。その後もひたすら勿体ないと続ける彼女の憎まれ口は全て無視することにした。

いくら文句を言ったことで言動が見事に合っていない彼女に、さっさと宿を取ろうと決める。道途中で食料調達もできてしまった今、取り合えずは宿に荷物を置いて腹ごなしをし、それからチャイネンシスだ。

もともと今日は書状以外配達する物がなかった為身軽だったはずだが、あっという間に大荷物になってしまった。

特殊能力での移動には問題ないが、むしろこのあとの徒歩の移動には荷物が多すぎるまま動くのは面倒過ぎる。


「ケメトの!ケメトの服も買いたいわ!!ケメト!気になる服とかある?!」

「僕はあんまり……。セフェクやヴァルが選んでくれた服が良いです。また良いお店見つけたら教えてくださいね」

弟だけ服がなにも無しなんてと、慌てて追加の買い物と寄り道を希望するセフェクをケメトがやんわり止める。

ケメトも服は一着しかないが、自分はまだそこまで欲しいとは思わない。またこれから先も色々な市場に立ち寄ることがあるのだから、そこで手持ちの荷物が少ない時に買えれば良いと思う。今は、女の子のセフェクがたくさんおしゃれできる服が増えたことが何より嬉しかった。


にこにことご機嫌のままに頬を綻ばすケメトに、セフェク一人が慌てる。

絶対にケメトに似合う良い服を自分が見つけてあげなきゃと、背筋を反るほどピンと伸ばしすれ違う店を一つ一つ注意深く確認した。先ほどまで小さくなって二人に挟まれていたのが嘘のように、今はフードも取れかかっていた。

いつの間にか、自分達の周りに集まっていたサーシスの民が全員遠巻きに温かい目へと変わっていたことになど三人揃って気付かない。

控えめな少女が、その保護者と弟に揃って新しい服を買って貰える微笑ましい場面に水を差す者はどこにもいなかった。


「セフェクのお友達はきっとおしゃれな人が多いんですね!」

「うん……。勿論みんなそんなこと気にしないし私と同じような服の子も教室にいるけど、……あのレイの所為で」

「あーー?レイだぁ??」

セフェクの気持ちを紛らさせようと明るい声で振るケメトに、セフェクは最初こそ素直に返したが途中でうっかり言い過ぎた。

さっきまで聞き流していたヴァルも聞き覚えのある名前に低い声で視線だけを向ければ、セフェクの肩がぎくりと揺れる。このまま誤魔化そうとも思ったが、今こうしてたくさん買って貰えたのに嘘をつくことに気が咎めた。

更にはケメトからも「もしかしてレイ・カレンですか?!」と声を上げられれば姉としては逃場もない。

数秒の沈黙の後、セフェクはヴァルへしがみつく腕の力をそのままに視線を逸らす。そこから口だけを動かすようにして愚痴めいた口のまま白状した。


自分の教室に移動してきたのが、不良生徒の元締めだった〝レイ・カレン〟だということを。


あのガキか、と。ヴァルは聞きながらも当時のことを思い出す。まだレイに直接会ったことはないが、自分が不良狩りしていた際に何度も聞き出した名前だ。更にはその後彼がどうなったかについても粗方プライド達から話は聞いている。

まさか寄りによってセフェクの教室に移動してきていたとはと思いながら、口の中で舌を巻いた。また面倒なガキが増えたと心から思う。


何故言わなかったのかとも思ったが、当時レイがクラス替えした時期を思い返せばケメトのことでセフェクが気落ちしていた頃だ。そんな時に話題にも出したくなかったのだろうことは察せられた。

大丈夫ですか、酷い目に遭っていませんかと、ケメトも顔色を変えて心配するがセフェクからの答えは落ち着いていた。

大丈夫。変なことはされてないし別に自分は怖くない、と続けながらもレイを思い出す眉は静かに吊り上がっていた。自然と愚痴のまま当時のことを口にすれば、苛々とヴァルにしがみつく手が意図せず爪を立てかける。


レイがクラスを移ってきてから、厳密には何も問題は起こっていない。問題行動を起こせない、あくまで経過観察中でもあるレイは遅刻しかけること以外は本を読んでいる大人しい生徒だ。

セフェクも一目見た時から、ヴァルやプライド達が話していた〝レイ・カレン〟だということには気付いていたが、特別関わろうとは思わなかった。むしろ危険人物なら避けたいとすら思っていたが、…………友人の女子生徒達は違った。


元貴族、顔立ちが整い、仮面に顔半分を秘めた青年。そんな相手に興味を持たない生徒の方が少ない。当然警戒する生徒はそれ以上に多かったが、セフェクの友人もまた何人もが彼への接触を試みた。

そしてある日、とうとうセフェクを含む友人女子生徒を背後に釣れながら一人の少女が対話へと挑んだ。「おはよう」から始まり、簡単な自己紹介から「何を読んでいるの?」とレイへと投げかけた、結果。



『野良猫が俺様に気安く話しかけるな。そんな低俗な服でよく恥ずかしげもなく俺様の前に立てるな?それ以上近づくんじゃねぇ、俺様の服が汚れる』



「─とか言ってその子泣かせたの!!!鼻で笑いながら!!しかも後ろに立ってた私や他の友達まで指差してきて!!!あんな奴本当に投獄されちゃえば良かったのに!!」

自分だって毎日同じような色の服ばっか着てるくせに!!!!と、当時の憤りを思い出したセフェクは鼻息を荒くして怒りで顔を真っ赤に染め上げた。


自分の格好が馬鹿にされるのはまだ良いが、仲の良い友達まで馬鹿にして鼻で笑われたのが未だに許せない。なのに本人は全く謝るどころか反省もせず、平然と本を読み進めていた。学校で特殊能力の使用が許されていたら顔面に水をぶっかけてやったのにセフェクは本気で思う。

それからというものの、以前にも増して周囲の女の子が衣服に気を遣うことが増えていた。口の悪いレイに話しかけようと挑戦する生徒は今ではもう極少人数しかいないが、それでも彼の視界に入る分は鼻で笑われたくないと思う女生徒は多い。

そしてセフェクにとっても、もともと服への興味も羨みもあった上に、更に友達のオシャレ度が高まり可愛い服を着ることが増えてしまいじわじわと取り残されている感覚は強まった。

レイが自分の学級じゃなかったら良かったのにという想いは拭えない。もう自分は絶対話しかけたくないし本音は友達にもレイに関わって欲しくないくらいだ。


ぷんぷんと怒りをあらわにするセフェクに、ヴァルはヒャハハハハハハッと腹を抱えた。自分が案じた以上に面白いことになっていると確信する。

てっきり裏稼業関連の面倒ごとかと過ったが、完全に単なる子ども同士の諍いだ。

なにがおかしいのよ!!と怒鳴り声のままにヴァルへ爪を立てるセフェクに、ケメトもオロオロと狼狽してしまう。対してヴァルは意地の悪い笑みでニヤリとセフェクを見下ろした。


「宿に戻ったらまた〝練習〟でも見てやる」

その言葉の意味に、セフェクも吊り上げていた目をぱっと開いた。

したけりゃ反撃してやれと言わんばかりの言葉に、少し口が笑いそうになった。特殊能力禁止なのにそんなことをしたら教師に怒られるのは自分だ。使うわけがない。

だが、反撃をこの場で認められるだけで沸き上がった苛立ちがちょっとだけ治まった。

ぎゅっと再び腕ごと使い、身体もぴったりヴァルへ付けながらまだ残る苛立ちを誤魔化すように唇を尖らせた。


「……学校で特殊能力使ったら怒られるんだから」

「そりゃあ良かったな。主の話じゃ相当な火の特殊能力者だ」

「僕も!僕も宿に戻ったらナイフ投げ見て欲しいです!セフェクが虐められたら僕も守ります!」

ぷすりと言い返すセフェクに、ヴァルはケラリと笑い飛ばした。続けて凶器を使うと宣言するケメトにも、同じ笑いで返す。

最初からセフェクにレイとの戦闘は期待していない。むしろプライドが当時語っていた内容から察しても、ケメトの特殊能力無しには勝てる見込みもない。だが今は



─ ガキ同士の〝喧嘩〟はできるようになれたか。



ただただ投げられる石を背中に耐えるしかなかった少女が、勝ち目は関係なく相手へ憤りを覚えられるようになった。


女性として衣服に気を遣うことになったよりも遥かに、ヴァルにとっては愉快な彼女の成長だった。


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― 新着の感想 ―
[一言]レイの黒炎の特殊能力に対抗できるセフェクの水の特殊能力!二人は意外と相性いいかも!? まぁレイはライアーひとすじ&ジャンヌに失恋でそれどころじゃないか…
[良い点] ヴァルかっこいいです!大人買い最高!セフェクとケメトにだけ優しいとことか好感度爆上がりですよ!いつも楽しく読ませていただいてます!是非とも今後も末長く応援してますので、更新頑張って下さいま…
[一言] 第一章がすごく面白くて、第二章も個性的なキャラクターがいっぱいで面白いんだけど…。二章のボリュームがすごいから、二章の着地点が心配。
感想一覧
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