Ⅱ400特殊話・一番隊騎士隊長は贈った。
「!そういえば、こうしてお二人と城下に出るのは初めてですねっ」
そう、第二王女のティアラ様が嬉しそうに両手を合わせたのは馬車の中だった。
はい、光栄です。そう俺とカラムで言葉を返す間も、プライド様の隣で顔を綻ばせるティアラ様は十四歳とは思えないほどに燥いでいた。プライド様との外出が嬉しいのはわかるけど、俺らと出かけるのも楽しみらしい。
王族として護衛と従者や侍女みたいな使用人には囲まれてても、ティアラ様も騎士と関わることは少ない。多分ステイル様と友人だろうアーサーが例外なだけで。
同じ城内に住んでいる俺ら騎士団だけど、王族の接点は式典か護衛時くらいだ。だからなのか、姉兄のプライド様やステイル様と同じかそれ以上ティアラ様は積極的に話しかけてくれる。
つい最近近衛騎士になったばかりの俺らに。
『姉君の近衛騎士になって頂きたい』
発端はひと月くらい前に起きたアネモネ王国のレオン王子での事件。それとアーサーのお陰でステイル様の御眼鏡に叶ったらしい俺らは、晴れてプライド様の近衛騎士になれた。
最初の何日かはプライド様の護衛ができるなんてすっげぇ緊張したし毎日会えるなんて最高過ぎて死にそうだったけど、最近はわりと慣れてきた方な気がする。カラム達はまだ緊張するらしいけど。
「お前が極端なだけだ」「自分はまだお顔を見るだけで心臓が……」と言う二人は未だしも、俺より前から近衛騎士のアーサーまでプライド様の部屋に入る前緊張してるって聞いたのはちょっと笑った。てっきりステイル様の友人なんだからプライド様の部屋にもわりと気軽に入っているんじゃねぇかと思ったのに。ただでさえステイル様の特殊能力すげぇ便利だし。
最初はガッチガチに緊張した俺も、それにカラムやエリックもプライド様との会話はすげぇ緊張するけど間にティアラ様が入ってくれる時はわりと話しやすい。
王族以前にプライド様は俺らにとってはすっっげぇ憧れでもう話すだけでいっぱいいっぱいになるけど、ティアラ様は王族でも年相応の女の子だからだろうなと思う。
プライド様が子どもの頃から立派で大人びていた所為か、ティアラ様は逆に年齢より幼くみえるくらいだ。まぁどっちの俺らにとっては若い十代だけど。
俺が近衛の時もカラムが近衛の時もエリックが近衛の時も、プライド様の部屋に来るティアラ様は頻繁に俺らに話しかけてくれる。
話題もわりと気軽なものばっかで、今日は何食べたとか休みの日は何やってるかとか。
必要な内部事情みたいなもんは、ステイル様が調べ上げたり騎士団からもいくらか資料を提出してるんだろうけど。
そんな理由でプライド様にも話しやすくなった今は、ティアラ様とも結構普通に俺は話しやすい。
「私、城下視察大好きでっ!今日は兄様はご一緒できませんでしたけど、お二人とご一緒できてすっごく嬉しいです!」
ねっお姉様!と声を跳ねさせるティアラ様に俺もカラムも一言返す。
今日はプライド様とティアラ様で城下に視察で、ステイル様は摂政の補佐で城にいる。本格的に摂政になる為の勉強を始めるとからしい。今もこの馬車にいるのはプライド様とティアラ様、んで近衛騎士の俺とカラムだけだ。
頭ではなんとなぁくわかっていたけど、やっぱ近衛騎士は他の騎士よりもプライド様達と距離が近い。
城内では一緒なのは当然、城下視察でも同行できる機会なんて本当なら滅多にない。危険な地帯や国外ならまだしも、たかが城下にお出かけなら騎士団じゃなく衛兵が複数ついていりゃあ充分だ。そこをちゃっかりご一緒できるんだから、やっぱ近衛騎士になって良かったと死ぬほど思う。お蔭で今も、プライド様と同じ馬車に乗っている。
「自分もすっげぇ楽しみですよ!護衛は何度かやったことありますが、視察の護衛は初めてですし」
「アラン、今もあくまで護衛中ということを忘れるな」
ぴしりと注意を掛けてくるカラムの声を浴びて、そういや流石に〝初めて〟って言葉は言っちゃ悪かったかなと思う。王侯貴族の護衛や警備じゃなくてあくまで〝視察の〟とは言ったけど。
カラムのことだし、どういう言い方でも〝初めて〟なんて護衛対象を不安にさせるような単語は言うなと言いたいんだろう。プライド様はともかくティアラ様は普通の王女だし、危険が常にある立場なのは俺もわかってる。
二人に気付かれないように遠回しに注意してくるカラムに「わりぃ」と軽く謝って頭を掻く。けど、その間もティアラ様とプライド様はそろって楽しそうにくすくす笑うだけだ。
それだけ護衛の俺らを、……っつーかその前に騎士団長やアーサーが騎士への信頼を作ってくれたお陰だろうなと思う。あの腹黒そうなステイル様があんだけべた褒めして信頼するアーサーを、姉妹のお二人が気に入らないわけがない。
「今日視察に行く先は、私もティアラも初めての場所なんです。ですからお二人も一緒に楽しんで貰えると嬉しいわ」
フフッと口元を隠して笑うプライド様は、本当にこうしているとただただ綺麗な王女様だ。
この人がまさか十一歳には剣を握って盗賊を一掃したなんて絶対誰も思わねぇだろう。騎士団でも箝口令が敷かれているプライド様の武勇伝を思い出す度に、他の奴らが知らねぇのは勿体ねぇとも思うし俺らだけが知ってる優越感みたいなのもある。いや本当にあの時のプライド様はすっっげぇ格好良いし綺麗だった。化粧やドレスを着てる時よりもずっと、遥かに。
そんなことを考えると、またじわっと顔が熱くなって心臓が強張る。
今のドレス姿とかよりやっぱあの時のプライド様が過る時が一番やべぇ。今度はカラムに無言で肘で突かれた。
普段は視察でも城下の街を巡ることが多いらしいけど、今日はプライド様達ははっきりとした目的を持って城を出た。なんでも、盟友になったレオン王子が定期訪問に来る時に城下を案内したいからその下見らしい。
どんなところを紹介するか悩んでいたプライド様に専属侍女のマリーさんが提案したのが今朝だった。
王城にも花を卸している、王都でも有名で大規模な花屋だ。
『取り扱っていない花はないと言われるほどに種類の豊富な老舗です。城へ花を卸している身として第一王女であるプライド様が訪問すればきっと喜ばれるかと』
そう言ったマリーさんに、プライド様もティアラ様も大賛成だった。
早速行きましょうと、先んじて使者に断りを早朝から入れさせ馬車で訪問だから、今も絶対花屋の方は大騒ぎだろうなぁと思う。
正直花は好きでも嫌いでもねぇけど、別に花屋にわざわざ行かなくても王居の庭園で充分じゃねぇかと思う。プライド様達にはアレが普通なんだろうけど、その辺の花屋よりも遥かに花の種類も豊富だし立派なもんが多い。
そりゃ確かに花屋に行くなら王都の大規模な店にでもいかないとあの庭園には太刀打ちできねぇだろう。
ティアラ様が今もめいっぱい全力で、プライド様が花に詳しいと力説してくれる。
子どもの頃から花のことを教えてくれて、花言葉にも詳しくてと本当にこの人はプライド様の話になると飽きも底もない。そういうところは気が合うなとこっそり思う。
「レオン王子もお花に興味があったそうですし、きっと喜ばれると思いますっ‼︎」
「そうね。以前も庭園を案内したら興味深そうに聞いてくれたわ」
レオン王子は、ほんのちょっと前までプライド様の婚約者だった人だ。……あの時はマジでへこんだなぁああぁ。
お蔭で婚約解消になった時は反動ですっげぇ酒美味いしし騎士達と飲んで騒いで祝ったで騎士団長も頭抱えてた。いや悪いとは思ったけど本当にあの時は「よっしゃ‼︎」が勝った。
いつかはそんな日が来るのはわかっているけど、できればなるべく後回しが良い。特に今はせっかく近衛になれたんだからこの時間がもう暫く続けば良いなと無責任に思う。
レオン王子と婚約解消しても友好関係を維持して周囲にも主張する為に定期訪問をすることになったプライド様は、こうしてレオン王子を歓迎する日を心待ちにしてる。
まだ惚れてんのかなぁとも思ったけど、なんかそういうんじゃないかなと陰りのない笑顔を見てわかる。
今はもう誰のものでもないんだし、想い人もいないってんなら近衛騎士の特権で俺も次のプライド様の誕生日とか何か贈り物とかできたら良いのにと思うんだけど。
もし、プライド様が王族じゃなくて令嬢くらいだったら普通に祝いの品を贈っても不自然に思われない位には話せるようになったと俺は思う。
プライド様に惚れたのも別に王女だからじゃなくて崖の一件からだし、いっそその辺の町娘とかだったら気軽に贈り物渡したり遊びに誘ってた。いやでも王女なのにあんだけの大立ち回りをしたところがまた格好良くて、その後に騎士団長の謁見でのこととかあとは殲滅戦の後とか色々あるし、王女じゃなかったら先ず知れた根底が色々違うか。
取り敢えず王女じゃなかったら騎士の立場気にせず色々できたのになとはやっぱり思う。
今年の誕生日にだって婚約者が出ようが出まいが「おめでとうございます」で贈り物の一つや二つ渡してた。婚約者いようといまいと別にお祝いくらいなら渡してもそこまで怒られねぇし。けど実際は騎士の俺が王族相手には流石にできない。
「!見えましたっ」
窓に鼻先があたりそうなくらいに近付けてティアラ様が進行先を覗く。目的地の花屋だ。
王族と違って城下にも気分で頻繁に降りる俺も、花屋に行くのは初めてだった。特に王都の花屋なんて寄り道に見た覚えもない。
軽く俺も首を傾ける程度で窓の外を見たけど、あんまり見覚えのない風景だった。取り敢えず酒場とか丘とは全く別方向の場所なんだろうなとだけわかる。
馬車が緩やかに止まってから、御者の開けた扉を先に俺とカラムが降りる。続けてティアラ様がカラムの、プライド様が俺の手を取って慎重に馬車から降りた。
既に花屋の前には従業員だろう男女が並んでいて、深々と頭を下げ出した。ぴしりとエプロンには泥汚れの一つもなくて、……女は髪を纏めている人ほどちょこちょこ髪が跳ねている。やっぱ結構大急ぎで迎える準備したんだなぁと思うと口がちょっと笑う。
王族が来るってのはそういうことだ。騎士団だって事前に知らされている時は演習後の汗汚れから身嗜み全部に気を払ってから整列して待つ。
花屋自体市場の出店とかそうじゃなくてもこじんまりした店しか想像がなかったけど、馬車が止まった花屋は本当に大規模という言葉が相応しいでかさだった。
プライド様もティアラ様も覆った手の隙間からぽっかり開いた口が見えた。一番平然としてたのはカラムだろう。やっぱエリートだしこういう高そうな花屋も珍しくねぇのか。
店の中に入れば一気に建物の中ということを忘れそうなほどの植物に囲まれた。案内する花屋の話を聞きながらも首ごと使って周囲を見回すプライド様とティアラ様は目が忙しそうだ。
「お姉様っ!こちらの黄色と赤色混じりのお花は花言葉御存知ですか⁈隣の桃色のお花も可愛いくてっ」
「ええ、こっちは〝ずっと一緒にいよう〟〝幸せへの第一歩〟隣は〝初恋〟ね」
流石ご存じなのですね、と嬉しそうに花屋が手を叩く。
本当にプライド様は詳しいんだなぁと思いながらも、あくまで花屋じゃなくてプライド様に聞くティアラ様は本当にプライド様が大好きだなと思う。
「流石お姉様ですっ!」と言いながら、まるで自分のことのように自慢げに笑ってぴょんぴょん跳ねてる。十四でこんなに姉にべったりなのも王族じゃ珍しいんじゃないかと思う。といっても、他の王族の暮らしも知らねぇけど。
でも、王族や貴族ってもっと私生活でも礼儀を着て挨拶し合うような気がしてた。騎士のエリートに聞いても結構兄弟姉妹でも礼儀を重んじるとか馴れ馴れしくせず年長者を立てるみたいな奴多いし、カラムも兄貴と仲は良いみたいだけど俺が知るような兄弟間の距離とはやっぱ違う。ティアラ様もプライド様やステイル様を立てるって意味じゃこれ以上なくたてまくってるけど。
数歩歩くだけでもプライド様達が初めて見る花と多いらしくて、何度も何度もじっくり立ち止まる。
楽しんでるなーと思いながら鼻を擦れば、カラムから「気分が悪くなったら言え」と耳打ちされた。やっぱカラムは平気みたいだし、よく見てる。
花屋の中は思った以上に甘ったるい匂いが多くて、わりと酔いそうなくらいだった。普段香水を使う王女の二人は平気そうだけど、俺には結構慣れないっつーか酒より強い。くしゃみしそうになるし、鼻がくすぐったいを通り越して若干痒い。せめてもうちょっと土の匂いしねぇかな。
大丈夫、と示すように手を軽く振ってカラムに返す。
別に毒ガスの中でもねぇし、これくらいでプライド様達の傍は離れられない。
その間もプライド様達はすげぇ楽しそうで、いくつも花を見つけては指差してティアラ様が聞いてプライド様が説明して花屋が捕捉してを繰り返す。
「折角だしいくつか部屋に買って帰っても良いかしら?」
「!でしたら、お姉様っ‼︎」
是非ともと、花屋が嬉しそうに深々と頭を下げるのとほぼ同時にティアラ様が丸く目が光らせた。
ぱちんと手を叩いて、名案と言わんばかりに声を張る。プライド様がきょとんと目を向けると、ティアラ様はきらきら目を輝かせながらちらりと一瞬だけ俺らを見た。
「せっかくの機会ですしアラン隊長とカラム隊長に選んで頂いたらいかがでしょう?」
ぎくっっ‼︎と思わず肩が上下する。俺だけじゃない、カラムもだ。
いきなりぶっこんできたティアラ様に、顔が笑いながら口の端はヒクつく。うっかり不敬なのに目まで逸らしちまった。
いえそんな、悪いわよと控えめなプライド様の声が続く中、やべぇくらい心臓がバクついた。まさかティアラ様は心を読めるんじゃねぇのかと半ば本気で思う。そりゃ贈り物したいとは思ったけど、花じゃ全然俺も選びようがねぇし‼︎
しかもプライド様が花言葉まで全部網羅してるんなら変な花言葉選べねぇなぁと思う。
どうせなら雑貨店とか服飾店だったらもっと前のめりに「選びますよ!」と言えた。取り敢えず今までプライド様とティアラ様が話してた花と花言葉を思い返すけど、殆ど耳から流し通してたから数個しか思いだせない。ちゃんと聞いとけば良かった。
目だけをちらっと向けたらカラムも真っ赤な顔で目を逸らしてた。
多分カラムの場合は花を選ぶ方よりも、プライド様への贈り物をすることが畏れ多いんだろうなと思う。アネモネ離れる時は俺らのいない間にプライド様の手握って何か話してたくせに、それとこれとは違うらしい。まぁ俺もその後死にかけてたけど。
護衛の俺らから発言権もなく、暫くはプライド様とティアラ様の話し合いの流れを見守る。
ここにステイル様がいたら絶対ステイル様の意思側に綺麗に流れて決まったんだろうけど、姉妹だとわりと拮抗することがある。プライド様はティアラ様が可愛いからかわりと弱いし、ティアラ様も変なところで押しは強いけどプライド様が本気で嫌がることはしたがらない。
最終的には「二人は近衛任務中なんだから仕事を増やしちゃ悪いわ」というプライド様の意見が今回は勝った。
ティアラ様もちょっと残念そうに眉を垂らしていたけれど、次には「では私がお姉様にぴったりのお花を見つけますっ‼︎」と息巻いた。
プライド様も途端に嬉しそうにティアラ様の頭を撫でるし、本当に仲が良い。このままティアラ様もずっとフリージアでプライド様の妹やれてりゃあ良いのに。
そんなことを頭の隅で考えながら、話の収拾にほっと息を吐く。
カラムからも同じような息の音が聞こえてきて、やっぱ同じだったんだなと思うと少し笑えてくる。カラムなら俺と違って絶対良い花を選べると思うのに。
また一歩と花屋の奥へと足を進ませながら、ティアラ様がまた花を見つける。「これもっ!」と鈴の音のような声にプライド様も視線を注ぎ微笑んだ。
深く呼吸さえしなけりゃ、花の匂いも段々鼻の方が麻痺したのか感じなくなってきた。やっぱり花には大して興味も出ないけど、さっきのティアラ様の提案が心臓に悪かった所為で自然と耳が花の説明にちゃんと向く。
周囲の安全確保は当然だけど、同時にプライド様の説明も頭に入れた。
「お姉様、こちらのお花も初めて見ますっ」
「!そうね。確かこれは……──」
あっ。
……不意に耳に入ったその言葉に。
気付けば深く考えるより先に、口が動いた。
…………
「それ良いですね!」
そう、アラン隊長が言ってくれたのはティアラからの提案を断ってから花屋の中を巡って暫くしてからだった。
ティアラに花選びを提案された時はまさかの無茶ぶりに明らかに顔を引き攣らせていたアラン隊長が、突然声を掛けてくれたから私もびっくりした。
さっきまでティアラとそして私のことも見守ってくれていたアラン隊長とカラム隊長だけど、ずっと護衛に徹していて無言だった。
二人とも近衛騎士になってまだ日が浅いし、癒し担当コミュ力最強のティアラと違い私はなかなか威圧的な所為でか、なかなか慣れるのにも近衛騎士達も時間が掛かっていた。正直、ティアラがいないと私も緊張してしまって上手く話せない時もあったから、今日も初めての近衛騎士二人との視察にティアラが一緒に来てくれたのは心強かった。
近衛騎士の中で一番早く気軽に話してくれるようになったアラン隊長。その彼が、今はいつもの明るい笑顔をこちらに向けてくれていた。
カラム隊長が「アラン!」「護衛中だぞ」と怒ったけれど、アラン隊長は大して気にしないように「すみません」と軽く謝ってから私達へ言葉を続けてくれる。
「今の、その花。もし、まださっきのお話が有りでしたら自分はその花をプライド様に選ばせて頂いてもいいですか?花自体も綺麗ですし、プライド様にお似合いだと思います」
さっき。ティアラが私に花を選んでもらったらの提案だ。
アラン隊長もカラム隊長も護衛の為に付き添ってくれているし、それに重ねて王女の部屋の装飾花を選ぶなんて高等技術を無茶ぶりするのは申し訳ないと思ったけれど。……まさかの、アラン隊長はこっそりまだ考えてくれていたらしい。
私も花を二人に選んで貰えるなら嬉しいとは思ったけれど、侍女ですら重役の一つである花の取り扱いを男性である騎士にお願いするなんてと思ったのに。
突然のことに、ぱちりぱちりと瞬きをしてから一度ティアラと顔を見合わせた。
多分私もティアラと同じきょとん顔のままだろう。次にアラン隊長が勧めてくれたその花へと目を向ければ、……私には勿体ないくらい綺麗な花だった。
中世ヨーロッパ風乙女ゲーム舞台の我が国にしては、どちらかというと南国風にも見える花だ。ハイビスカスにもちょっと形状が似ている。
私の手のひらよりもずっと大きい花は、今の季節にぴったりの黄色い花だ。色違いもある中で、ティアラが目を取られたのがこちらの可憐な黄色の方だった。
私というよりもティアラに相応しい花だと思うけれど、花弁から既に自己主張の強そうな大きさは確かに私のラスボスな威圧には合っているかもしれない。まさかアラン隊長が嫌味で選んだとは思わないけれど。
ただでさえ、ちょうど花言葉をティアラに話した後だ。花自体〝も〟と言ってくれたし、きっとこの花言葉の方で選んでくれたと思いたい。
「ほら、明るい色もお似合いですし。自分が贈れるならこの花をプライド様に直接贈りたいくらいです」
そう言って前に出たアラン隊長は、ゆっくりとした手つきで手前に咲いていたその花を私の顔へ添えてくれる。あくまで千切らないように丁寧な手並みだけど、ダイレクトに私の頭へ髪飾りのように重ねてくれた。
ティアラが「確かに‼︎」「すっごくお似合いです‼︎」と目を水晶のように丸くきらきらさせて絶賛してくれるけれど、残念ながらこの角度だと逆に私が見えない。
むしろニカッと自信満々に笑ってくれるアラン隊長やその背後で真っ赤な顔のカラム隊長と、にこにこ顔の店員さんと皆の反応ばかりが目に入る。
誰か鏡を貸して欲しい。
すごく満面の笑顔のアラン隊長に、とてもここで「私には見えません」とは言いにくい。取り敢えずアラン隊長の手のひらの方が花よりも大きいことは、添えられる前の一瞬で確認できた。
「そ、そうです、か?」とひっくり返った声が出てしまう。
お世辞でも似合っていると言って貰えるのが嬉しいことは変わらない。でも本当にティアラじゃなくて良いの⁈黄色よ黄色‼︎しかもこんなに女性らしい花なのに‼︎
それに花言葉も思い返せば余計に嬉しい。取り敢えず似合うかどうかを置いても嬉しさだけで百点満点だから本気で買ってしまいたくなる。
「あ……りがとうございます。それでは、お言葉に甘えて部屋に飾らせて頂いても良いですか……?」
ふにゃりと口がちょっと緩みながら、アラン隊長の明るい瞳と目を合わす。「是非!」と気持ちが良いくらいはっきりとした返事がきて、本当に良いと思って選んでくれたんだなぁとわかった。
……カラム隊長が片手で両目を覆って項垂れていたけれど。やっぱりあまり似合ってなかっただろうか。
いやでもここまで褒めて貰えて全力推ししてもらったなら買うしかない。
店員さんに早速花瓶一つ分纏めて城に贈って貰うようにお願いする。流石大手なだけあってそそくさと他の店員とも連携を取って速やかに用意してくれた。
どれも凛と咲いて元気に見えたけど、その中でも特に良い状態のものを選んでくれている。うん、やっぱり綺麗な花だ。
花自体もとても好きだし、アラン隊長の見立てを素直に受け取ろう。それに花言葉だって……
〝ひたむき〟
〝ずっと前だけを見つめていて〟
「いや~プライド様にぴったりの花が見つかって良かったです!それに、プライド様の御背中は俺らが守りますから!」
そう言ってドンと拳で胸を示してくれるアラン隊長は、流石一番隊の騎士隊長だ。
ずっと考えてくれていたのか、王族の花を選ばないといけないかもという緊張から解放されたお陰かほんのり頬が染まってみえた。それでも全力で笑ってくれるアラン隊長は、迷惑なんて感じさせない張りの良い声だ。
ひたむきなんて、やっぱり純粋無垢主人公ティアラにこそ相応しいと思うけれどアラン隊長の視線は真っすぐにラスボスの私に注がれている。本当に気持ちが良いくらいに良い人だ。
ずっと前だけをという花言葉も、私というよりなんだか一番隊という斬り込み隊のアラン隊長らしいなと思うとクスリと笑ってしまう。
夢を追いかける人に相応しい花言葉だけど、なんだかアラン隊長からだと背中を預け合う戦士に言ってくれているような気さえする。
実際アラン隊長にはもう二回は私のやらかしを目撃されちゃっているし、剣を持って暴れ回る印象が強い可能性もある。
そう考えるとこの花言葉はティアラにもだけどアラン隊長自身にもぴったりだと思えてくる。
頼れて真っすぐで、一番隊として常に敵陣を切り込んで勝利を掴んでくれる騎士だもの。
改めてアラン隊長が選んでくれた花へ視線を注ぐと、そこでカラム隊長の溜息が聞こえて来た。「アラン……お前は……」と呆れ混じりの声を聞くと、さっき目を覆っていたのも私の不似合いじゃなくて護衛中にノリノリで花を王族にお勧めしてくれたアラン隊長に対してだったのかなと思う。
けど、もともとはティアラからの提案だし、こうして素敵な花を選んでくれたのだから良いと思う。本当に、私にはもったいないくらい綺麗で素敵な──……!
「……あの、こちらの色違いも一緒に飾って宜しいですか?」
アラン隊長が選んでくれた花と隣り合わせに並んでいた色違いの同種に目が刺さる。
「?はい」と、すぐにアラン隊長から丸い返事がきたけれど、少し不思議そうな声色もまじっていた。ティアラも私の隣から首を小さく伸ばしてその花を見る。「こちらも綺麗ですねっ!」と賛成してくれる中、店員さんもすぐに色違いもと持ち帰り用に纏めるべく動いてくれた。
店員さんに確認をとって、色違いの一本を手に取らせて貰う。
さっきは折るのが怖くて触れられなかったけれど、こうやって持つとやっぱり立派な花弁だと思う。茎も太くって、しっかりと支えるだけの土台だと思う。そうじゃないとここまで立派な花は咲かせられない。
「プライド様はこちらの色の方がお好きでしたか?」
「!あっ、いえ……決して選んで頂いた色よりもというわけではないんですけれど……!」
気になるように私が手に取った花へ背中を丸めて顔を近づけるアラン隊長に、慌ててブンブンと首を振る。
しまった、受け取られ方によってはすごく失礼なことを言ったかもしれない‼︎折角花言葉まで合わせてくれたみたいなのに‼︎
ついの思いつきとはいえ、うかつな自分を反省する。
カラム隊長が無言でアラン隊長の前のめりになった肩を掴む。そのまま自分の方へぐいっと引き寄せた。振り返るアラン隊長へ「近過ぎるぞ」と注意する様子に、まさかのこのまま彼が同僚に怒られちゃう前に説明しないと!と私は一度口の中を飲み込んだ。
「もしくは花言葉に秘密がお有りですかっ?」
続けてティアラが興味いっぱいの眼差しで私を見つめる。流石ティアラ、ニヤピンだ。
そうね、と言葉を返しながら花を両手に握りアラン隊長達へと向き直る。さっきはアラン隊長が私に黄色の方を合わせてくれてる間見比べられなかったけれど、今は私がちゃんと合わせられる。
「もちろん黄色の方もすごく気に入りました」と大事なことを前置いてから、改めて握った花を胸まで持ち上げ掲げる。
「ただ、……こちらのオレンジ色も一緒の方がアラン隊長に頂けたなぁともっと思えるので」
言いながら少し恥ずかしい理由に中途半端に顔がふやけてしまう。
黄色の花も勿論好きだし、これはこれでアラン隊長の髪の色にも似ていると思えるけれどやっぱり子どもの頃から見慣れたティアラや母上の金色の髪の印象も強い。ティアラに相応しい花とすらやっぱり思う。花言葉だって〝ひたむき〟も〝ずっと前だけを見つめていて〟も私よりティアラにぴったりだもの。
だけどオレンジ色も一緒だと、アラン隊長だなとはっきり思える。
さっき視界いっぱいにお似合いと笑ってくれたアラン隊長の瞳の色まで思い出せるから。
花の位置を合わせ、こちらを見てくれるアラン隊長の丸い目と見比べればやっぱり凄く似た色だ。
アラン隊長が選んでくれた黄色の花と、そしてアラン隊長の瞳と同じオレンジ色の花で飾りたい。
「それに花言葉もアラン隊長にぴったりなんですよ。凄く格好良いの!」
フフッと言う前から自信満々に胸を張る。
こればかりはアラン隊長にも皆にも納得してもらえる自信がある。ティアラも「教えてください!」とわくわくと目を輝かせる中、話が聞こえていたのだろう花屋の店員さん達は先にうんうん頷いていた。アラン隊長と私が握る花を照らし合わせながら、完全同意の笑みだった。
たったひとつの花言葉だけど、そのひとつでアラン隊長そのものを表している。花をぎゅっと握りながら私はオレンジ色の花言葉を
「……えっ⁈あ!アラン隊長⁈」
……言う、前に。アラン隊長の顔色が大変なことになっていた。
まるで茹で蛸のように真っ赤に染まったアラン隊長に、慌てて駆け寄る。驚き過ぎて握った花をあと少しで落としかけた。
この花言葉を言った後ならうっかり圧力をかけちゃったかなと思うけど何故言う前に⁈それともあまりにアラン隊長色過ぎて部屋に飾られるだけでも恐れ多いとか緊張するとか⁉︎確かに見れば見るほどアラン隊長イメージカラー過ぎたかもしれない‼︎いやでもだからこそ気に入っちゃったし‼︎‼︎それとも目の色はお嫌い⁈
あわあわと唇を泳がせながら、アラン隊長の顔色を伺う。やっぱりどう見ても顔赤いし近くに立つだけでも熱を感じる‼︎ここまで来ると医者がアーサー案件だろうか。
「あっあの!もしご迷惑でしたらやっぱり黄色だけに……」
「いえ⁈はい‼︎光栄!です‼︎はい‼︎‼︎」
声が裏返ってる‼︎‼︎
近衛初日……というかもっと前みたいにガチガチになってしまった。折角時間をかけて縮まった筈の心の距離が‼︎
カラム隊長が眉を寄せながらアラン隊長の背中をバシバシと叩いた。「さっきまでの威勢はどうした」「任務中だぞ‼︎」と水を掛けるような声にそれでもアラン隊長は口をぽっかり開けたままだ。
光栄……と言ってくれたならお言葉に甘えて持ち帰って良いと考えて良いだろうか。もうアラン隊長らしさぴったりと思ったらこのままのカラーコーディネートのお花でいきたい。
凄腕の店員さんが見事に黄色とオレンジを花束にして纏めてくれたけれど、真っ赤に固まってしまったアラン隊長を前にここはもう馬車に戻った方が良いかなと思う。けれどまだ花屋内覧ツアーは終わってないし、もう少し楽しみたい欲もある。
いや、アラン隊長の身体の方が優先だし‼︎花屋ツアーはレオンを案内した時からにすれば良いし‼︎
視線を泳がせながらも馬車のある方向へ目を向けたところで、カラム隊長が「プライド様」と顔の位置まで挙手をした。
返事をすれば、前髪を指先で押さえながらもアラン隊長に向けたまま眉がまだ寄っている。
「……私も、ご一緒に花を選ばせて頂いても宜しいでしょうか……」
とても、本当にとても仕方なく感凄まじくカラム隊長から絞り出された声はアラン隊長へのフォローと配慮なのだとよくわかった。
護衛の騎士の体調都合で王族の視察中断させるくらいならば、延長の理由に自分も花を選びますと。その為にも内覧ツアーは続けましょうと、そう言いたいのが言葉にされずともひしひしと伝わった。
王族相手に花を選ぶなんてエリートのカラム隊長には余計緊張かもしれないのに。流石はアーサー一番のお墨付き騎士隊長様‼︎
それとも、単純にアラン隊長が花を選んだ以上同じ近衛騎士である自分が選ばないのが逆に無礼だと思ったのだろうか。どちらにせよ、配慮の結果なのは間違いない。
「じゃ、じゃあお言葉に甘えても良いかしら……?」
ありがとうございます、と。私がお願いする側なのに、御礼まで返されてしまう。
花を選ぶ緊張に、カラム隊長まで今から既に顔がじんわり火照り出している。直後にはまたバシンとアラン隊長の頭を叩いた。
今度は背中の時と違って頭だから叩いた手も痛そうだ。未だ熱っぽそうなアラン隊長を横に私達へ「失礼致しました」と言いながら、叩いた手の甲を手袋越しで静かに摩っていた。
確かカラム隊長、怪力の特殊能力者だと聞いたのだけれど。特殊能力無しで叩いたら普通に痛いんだなぁとこっそり思う。
引き続き内覧ツアーをのんびり終えた後、無事カラム隊長も熟考のもと素敵な花を選んでくれた。
「素敵なお花が決まって良かったですね!お姉様っ」
「そうね。なんだかお二人にも誕生日祝いを頂けた気分」
また誕生日からひと月ちょっとしか経っていないし、アラン隊長も「贈りたいくらい」と言ってくれたもの。
そう思いながら言えば、ティアラから「ならば来年から毎年お花を近衛騎士の方々に選んで頂くのはいかがでしょう⁈」と名案顔で提案された。流石に毎年自分の誕生日にかこつけて近衛騎士に護衛任務以外も負担を強いるのは申し訳ない。
「どうかしら」と言葉をやんわり濁しつつ、近衛騎士への負担を理由に提案は止めた。
結局オレンジ色の花言葉は、馬車の中までお預けだった。
………
「おはようございます。アラン隊長、カラム隊長」
今日も宜しくお願いします、と。
プライド様が笑ってくれる。いつも通りのようで、……今はそれだけすら奇跡みたいに幸せだと思う。
この人にそうやって迎えられる度本当に戻ってきたんだなと、あれからふた月以上経った今も胸が熱い。
一度は全部離れの塔へ移す為に一掃されたらしい部屋も、今はあの時と殆ど変わらない。家具も、装飾も、本も何もかもが綺麗に元通りにされている。少なくとも俺の目じゃ前後の違いも殆どわからない。プライド様の専属侍女のマリーさんとロッテさんも頑張ったんだろうなと思う。
俺らの贈った花も、同じ場所で変わらない。
『こうすればこの先もずっと飾っていられるから』
そう言ってプライド様が花を枯らす前にとわざわざ自分で手間暇かけてくれた時は驚いた。
カラムが「私達が選んだと聞けばアーサー達も気を遣うでしょう」って二人にも俺らが花を選んだのは言わないで欲しいとプライド様とティアラ様に頭を下げたこともあって、俺らの目の前で花を吊るして干してとやっていて、カラムは終始顔が赤かったけど俺は楽しそうにしてくれたプライド様とティアラ様の様子が普通に嬉しかった。
結局ざっくり一、ニ年はアーサーにもエリックにも隠し通せはしたし、花選びも定例化したしで俺としてはどっちも良かったと思う。
今も部屋にいればちらちらと視界に入ってくる黄色とオレンジだった花は、今は水分も抜けたからどっちも色が燻んで違いもわかりにくい。それでも見れば何度でもあの時の鮮やかな色が頭に蘇る。
『こちらのオレンジ色も一緒の方がアラン隊長に頂けたなぁともっと思えるので』
いやあの時はマジで死ぬかと思った。
プライド様にお似合いだと思って選んだだけだし、黄色じゃなくてオレンジと言われた時も選び方間違えたかなーくらいだったけど。まさか俺の目と合わせて選ばれるとは思いもしなかった。
今年はハリソンとアーサーが選ぶことになるんだろう花だけど、来年か再来年は俺が選べるんだろうなと思う。カラム達はどうするかわかんねぇけど、俺は多分去年選んだのは選ばないだろう。
プライド様はめちゃくちゃ喜んでくれたし、あの花はプライド様に似合うと今も思う。けど。
〝ひたむき〟〝ずっと前だけを見つめていて〟
あの時の気持ちと今とは、ちょっと違う。
プライド様があの花言葉を話してくれた時は、もうあれしかないと思ったからすぐに声が出た。
新兵奇襲事件で、自分の身も顧みず盗賊に立ち向かったあの人の姿が目に焼きついていたから。
あの格好良いプライド様のまま、いつまでもひたむきにそして前だけをみていて欲しいと本気で思った。
銀の刃を持つあの人が、凛として戦うあの人が、この世界の誰よりも綺麗で好きだった。
ただ、それはもう三年前のことで。次はどうせ贈るなら同じ花でも黄色より、オレンジの花を贈りたい。
単純に俺の目の色だからとプライド様が選んでくれたこともめちゃくちゃあるけれど、プライド様が俺に合うと言ってくれた花言葉も今は。
〝全ての勝利は手の中に〟
「そうですお姉様っ、アーサーとハリソン副隊長とお花屋さんに行く日は私も同行して宜しいですか?」
「それは良いな。ティアラ、後々詳しい話を是非俺にも聞かせてくれ」
「私もティアラと一緒に行けるなら嬉しいわ」
どうせなら、俺からこの人に選びたい。今度こそ絶対に護りたいと思うから。
この人が刃を持っても持たなくても関係なく俺が勝利を約束したい。誰かをいつも守ろうとするこの人と、この人を守りたいと思う俺達両方にとっての勝利を約束したい。
「……なぁカラム。お前がアレになったら近衛騎士からの花束贈与許可制度とか新設してくれねぇ?」
「ッッそ、ッういうことはジルベール宰相にお伺いを──!いや待て撤回する。言うな。とにかく言うな。お前の私情に法を巻き込むな」
思いついたままカラムにしか聞こえない声で尋ねれば、わかりやすく肩が上下した。
ボッッと顔が真っ赤になったままこっちを睨むカラムが途中で慌て出すから面白い。確かにジルベール宰相なら時と場合によってはちょっと頼んでみる機会もあるかな〜と考えたけど。多分そこまで見透かされた。
どうせなら花瓶一個じゃ収まりきらないくらい大量の花束で〝選ぶ〟じゃなく〝渡し〟たいなと思ったけど、やっぱ難しいらしい。
まぁどっちにしろ花は選べるんだから良いかと思うことにする。
またエリック達みたいに花屋にがっつり聞いて他のを選ぶのも楽しそうだけど、やっぱりあの花また送りたいが今んところは一番強い。もしくはプライド様にお願いして複数種類選ばせて貰えるなら
『お姉様っ!こちらの黄色と赤色混じりのお花は花言葉御存知ですか⁈隣の桃色のお花も可愛いくてっ』
あの桃色も混ぜ込んで。
Ⅱ300特
四周年特
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