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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
無頓着少女と水面下

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1458/2210

そして残る。


「落ち着いて下さいグレシル。どうしたんですか?」

「どうしたって何よ⁈アンタみたいなッ……」


キッと睨み付け、罵詈雑言を必死に探す。

だが見つからない。弱い、役立たず、甘ったれた、何も知らないと。今朝まではいくつも思い浮かんだ中傷全てが、今は言えば言うだけ自分がみじめになるだけだった。

歯を顎が震えるほど食い縛っても声は出ない。陥れた自分を守る余裕すら見せつけて、更には特殊能力者二人に守られた少年の顔が自分の中だけで酷く歪んでみえる。心配そうに眉を垂らした顔も白々しく、その裏では自分がきっと見下されているのだとしか思えない。

ペラペラペラペラと何でも口軽く話していたと思っていた少年は、共にいる二人が特殊能力者だという事実を一度も話さなかった。完全に優位に立っていると思った少年は自分よりも遥かに高みにいた。



自分の羨む全てを携え笑う少年が殺したいほど憎らしい。



「ッッバケモノ‼︎‼︎」

やっとの思いで絞り出した罵る。

しかし、眼前でそれを唾が飛ぶほどの勢いで吐きつけられたケメトはその表情を微動だにも歪ませない。それどころか、少し照れたように頬を掻く姿は褒めてもないのに嬉しそうにすら見えた。


「何よ‼︎私よりあんな奴らを選ぶなんてやっぱりケメトはおかしい‼︎‼︎」

「おかしくなんてないですよ。僕にとってヴァルとセフェクが一番なだけです」

喚いても怒鳴ってもケメトはへらへらと笑顔のままだ。

ただの能天気だと思っていたその顔も、今はグレシルの目に不気味に写る。火を吐くように怒鳴り自分は間違っていないと必死に主張する。


「あんな武器なんか子どもに持たせて‼︎‼︎血を見ても平気なんて絶対おかしい‼︎いくら取り繕って褒めたってそんなの結局裏稼業と変わらないでしょ‼︎‼︎絶対!絶対絶対後悔するんだから‼︎」

「武器は僕がお願いして持たせて貰ったんですよ?それに……」

「ならアンタも同類よ‼︎‼︎綺麗なふりして醜いバケモノよ‼︎‼︎」

歯を剥き、赤い視界に今はケメトしか見えない。

せめて最後にこの純白な仮面を被る少年を穢してやりたいのに、叶わない。今こうして吠えてみてもケメトは瞼の開き具合すら変わらない。ヴァルが裏稼業だったことも知っている彼には今更なことだった。


ただ、目の前にセフェクやヴァルもいるのに彼らにも酷いことを言われるのはケメトも嫌だった。

何より、今もこうしてケメトへ一方的に怒鳴り散らすグレシルにセフェクも快い表情はしていない。自分のことは良くても、互いのことで唾を吐かれるのが不快なのは彼女も同じである。

ヴァルもヴァルでさっさと残りの残党も回収したいのに、ぎゃあぎゃあ騒ぐガキの所為で待たされているのが鬱陶しいと思う。隷属の契約さえなければ、強制的に他の男達と同様に運ぶかもしくは蹴飛ばして置いていくものをと思いながら舌打ちを零した。

頭に火が回るグレシルを前に、今度は手を構えそうになるセフェクにケメトは慌てて動く。セフェクと彼女の間に立ち、そして「落ち着いて下さい」と声を掛けながらグレシルに合わせて両膝をつき、突き飛ばしてくる彼女の手も構わずそっと抱き締め優しく囁きかける。




「グレシルは、もし弱い動物がお肉にされることになったらどうしますか?」




「……ハァ⁈」

突然抱きしめる腕のまま問われ、身を強張らせたグレシルだったがすぐにひっくり返った声を放った。

意味がわからない。何の話をしてるのか、やっぱりケメトは頭がおかしいと思いながら爪を立てるのもやめて聞き返した。ふざけてんの⁈とケメトの耳がおかしくなるほどの声で間近に叫んだが、彼は両耳を一度顔ごと逸らした後にまた言葉を続けた。


「もし……大事な友達みたいな子だったら、もし興味のない動物だったら、もし嫌いな動物だったらどうしますか?」

何を言ってるのかわからない。

ただ、並べ立てるようにスラスラ言うケメトの囁きは宥めるだけの話には聞こえない。今まで何度も何度も言葉で人を陥れてきたグレシルだからこそわかる。

ケメトの問いに少しだけ思考が傾けば、喚いていた口も自然と閉じた。

稚拙な説き伏せだ。つまりは彼の自慢だとグレシルは歯を食い縛る。今まで何度も何度も操ろうにも変わらなかったケメトにとってのセフェクとヴァルへの絶対的な信頼そのものだ。

考えるまでもない。彼は自分に〝同じ動物でも大事なのは自分の価値〟と言いたいのだと。そう次に語られる言葉を想定したグレシルは今度こそ綺麗事だと吐きつけるべく心に決める。そして








「ヴァルは、()()()()()()()()()()()だった僕達の為に死のうとしてくれたんです」







……それは、彼女が想定する続きとはかけ離れたものだった。

てっきり自分は大事にされていると。他の何より特別がいるのだと語ると思っていたケメトから、まるで反対の言葉を突きつけられた気分になる。

瞬きを忘れ、言葉を無くし見返せばそこには至近距離で照れたように笑うケメトがいた。

へへっ、と声を漏らしまるで恥ずかしい思い出話のように笑う彼に、グレシルは自分が聞き取った言葉は間違いか幻聴かと考える。しかし、まごう事なき現実だ。


「グレシルが言う通り、誰にでも優しい天使みたいな人に拾われても幸せだと思います。でも僕らは誰でも好きになってくれる人より、大嫌いが沢山いる中で僕らを〝特別〟にしてくれるヴァルが良いんです」

そう囁き、抱き締める腕を優しく強めるケメトの声は穏やかだった。

セフェク達に聞かれることだけ注意を払い、それ以外は全く迷いがない。昨晩の誘いを断ってきた時と同じ声だ。

今この瞬間まで何度も何度も思い知らされた事実を再びグレシルは身に覚えさせられる。自分がどうやってどんな罠をかけて揺さぶっても嘯いても、彼を惑わすことは不可能だったのだと。

「折角誘ってくれたのにごめんなさい」と、囁きかける耳から顔を離し普通の声で返すケメトはやはり変わらなかった。

眉を少し垂らしながらも笑顔で謝ってくる彼は、ゆっくりとグレシルから腕を解く。熱を分けるように力なく地面に垂れた彼女の手を取り、両手で握手を交わすように握った。


「じゃあ僕らはもう行きますね。何か本当に困ったことがあったらいつでも話しかけて下さい。僕も広場には時々行きますから」

そう言っていつものような口調で別れを告げるケメトは立ち上がる。

グレシルから丁寧に手を離し、膝をついたままの彼女へ背を向ける。ずっと背後で待っていてくれた姉の手を当然のように握り、そして駆け出した。


呆けかける頭でグレシルは「広場には」ということは、もう校門には現れるつもりはないのだと理解する。

それは良い、もう、どうでも、なんでも良い。ただ、本当に自分へ何の感情も抱かず、陥れたことに糾弾すらせず去って行こうとするケメトにハリボテの自尊心が粉々に砕かれる。

自分に不信とやっかみの眼差しを向けていた筈のセフェクまで、今は自分に見向きもしない。ケメトの手を取り、くるりと背中を向けたまま一目散に駆けていく。

大勢の裏稼業達を一網打尽に拘束したまま数歩離れた位置で佇む凶悪な男を二人揃って選んで行く。

遅ぇぞ、と一言告げるヴァルにケメトは弾んだ声で謝った。行きましょうと自分達が逃げてきた通りを指差すケメトの背中を睨みながら、グレシルはガリリッと地面を引っ掻いた。伸びきった爪がぱきりと途中で亀裂が入り折れた。たとえ根元ごと削げてもこの感情は紛れない。


「なんで‼︎‼︎‼︎」


最後の、足掻きだ。

今まで出したどの声よりも大きな怒号は、通り中に響いた。人通りのない場所でなければ騒ぎを聞きつけ人が集まってもおかしくないほどの若く高く狂った声だった。

あまりの叫びにビクリとケメトだけでなくセフェクも肩を揺らす。

武器でも持っていれば振りかぶられたような殺気と圧に、反射的にセフェクはケメトを庇う。大した覚えもない少女の足止めに既にうんざりしていたヴァルは、若干苛立ち混じりに首だけで振り返る。

セフェクと同年である少女が、比べてもあまりにガキ過ぎて面倒過ぎる。泣き喚き自分から動かず地面にへたり込む少女の口を、息の根ごと止めたくなる。

もしここで裏稼業達が動ければこんなガキは売る前に口がきけなくなるまで足蹴にされるか、殺されるかのどちらかだろうと考える。それぐらいにただただ鬱陶しい。


しかし振り向けば、その少女の眼光は固執していたケメトではなく今は自分に向けられていた。

濡れた目を釣り上げ、下唇を血が出るほど噛みながら睨む少女と真っ直ぐ目が合った。ケメトと何を話していたかは知らないが、ここで矛先を自分に向けられる意味がわからない。せめて同じ年性別のセフェクだろうと見当違いの文句すら頭に浮かぶ。

しかし、開かれた彼女の叫びは間違いなくケメトでもセフェクでもなくヴァルに向けられていた。振り乱された長い髪の隙間からギラリと暗緑の瞳が自分を睨む。


「なんでッ……なんで‼︎要らないじゃない‼︎捨てればいいじゃないそんな子‼︎もう充分そんなに幸せにしてやってるくせに‼︎‼︎」

墜ちろ墜ちろ墜ちろ墜ちろ。

全身の細胞全てで呪いをかける。細い首筋が浮き立ち自暴自棄にも一番恐ろしい存在へ自ら歯を剥けば、遥か高い位置から凶悪な眼光で睨み返された。それだけでもヒュッと心臓が限界まで収縮する感覚に、グレシルも反射的に胸を押さえた。

今度こそ殺されると、後から後悔してももう遅い。ケメトが彼の傍に立った今、自分を守る盾はどこにもいない。

首だけで振り返る男は、グレシルの耳まで届くほど大きく舌を打った。彼女が何を言いたいのかも、何故突然自分に馴れ馴れしく話しかけてきたのかも訴えたい内容も、殆どが当てもつかない。

ただただ「うざってぇ」「殺してやりてぇ」と面倒な少女相手に思うことは変わらない。裏稼業時代であれば確実に口を利けなくするか殺していた。そして今も契約さえなければそうしている。

プライドから軽い脅迫も許されている今、軽く脅して二度と話せなくしてやろうかとも悩んだが自分の隣に並ぶケメトが「行きましょう」と裾を引いてくる。

セフェクまで無言で肩で背中を押してくる中で、低く息を吐くだけで諦めた。これ以上無駄に恨まれて自分まで付き纏われたくはない。


「なんでそれを()()()()()()()()俺様に言いやがる……」


溜息も吐ききれない内にそう言い捨て、今度こそ止まらず歩き去る。

最後の吐き捨てた少女の助言が、何故自分に言われたのかがわからないまま思考を投げた。ヴァルにとって〝要らない〟も〝捨てる〟もそれ以外も全て、その権利があるのは自分ではなくセフェクとケメトである。自分が言われてもどうしようもないと本気で思う。

セフェクに手を握られるケメトに裾から今度は手を掴まれ、大量の裏稼業達を能力で引き摺りながらグラグラ左右に揺れ歩く。背後からその後もキーキーと喚き声なのか人語なのか声なのか奇声なのかもわからない音が聞こえたが、もうヴァルの興味は失せていた。

腰が抜けたのかその場から動かない少女の声は距離が離れるだけ小さく遠のいていく。

耳鳴り程度にしか聞こえなくなった時、後ろ首を掻きながらヴァルは道を示すケメトに横目で視線を投げた。


「そういやあケメト。なんでこんな所にいやがった?」

「!昨日あの子と一緒に郊外まで行ってその帰りだったんです。目が覚めたら裏稼業に見つかっちゃって……。でも、ヴァルが買ってくれたこれのお陰で助かりました!」

あくまでグレシルに嵌められたことは伏せ、それよりもとケメトは誇らしげにヴァルの手ごとそれを掲げてみせた。上げた手の裾から見える金属に、見下ろすヴァルもすぐに理解した。

セフェクも負けじと空いている方の手でぐっと服を捲って見せれば、ヴァルも「ハッ!」と鼻で笑い捨てた。悪い笑みを浮かべながら前を向き思い出す。二人のプラデスト入学前、アネモネ王国で何を買ったかを。


ケメトは一年以上前から欲しがっていたが、特に奪還戦を終えてからは買って欲しいと強請ることが増えていた。

いつかは買い与える約束こそしていた。そして学校の寮に二人が手を離れることも鑑みて購入を決めたヴァルだが、今思えばやはりレオンも付き合わせて正解だったと思う。こういう伝手は自分より今ではレオンの方が精通している。

結果としてセフェクだけでなく身体の小さなケメトにも合う品が見つかった。更にはレオンが勧めてきた袖の仕掛けも早速こうして有効活用してしまっていると思えば、流石のヴァルも笑えてきた。


ナイフを持たないセフェクと違い、ケメトは昔からティアラと一緒にナイフ投げの指南をヴァルから受けていた。ティアラのチートと比べて並の腕前ではあったがそれでも何年もかければ今では良い腕前である。

そして今回、入学の際にセフェクは装備用ベルトとアネモネ王国製の閃光弾。ケメトは装備用ベルトと袖から武器を取り出す仕掛けを購入してもらっていた。

小さな身体に装備できる数も十本と少ないが、それでも彼にとってベルトはティアラにヴァルが買った時から憧れた装備である。更にはレオンからの勧めで裾から取り出す仕掛けまで買って貰えた。

ナイフを使わないセフェクは買って貰えず自分だけ悪いと思ったが、ケメトはそれから一度も肌身離さなかった。ヴァルやセフェクと違い、特殊能力者がいないと何もできない自分にとって守る技術はこれなのだから。


「ヴァルやセフェクみたいに格好良く守れて嬉しかったです」

そう言いながら誇らしげに胸を張り笑って見せるケメトは、順々に二人を見上げた。

グレシルに欺されたのは残念だったが、今まで二人に守られてばかりの自分が少しでも強くなれた実感は純粋に嬉しかった。

誇らしげなケメトの頭に手を置くヴァルと違い、今度はセフェクが小さく唇を尖らせた。ケメトと繋ぐ手に少し力を込め、まだ怒っているといわんばかりに大きめの声を張り上げる。


「なのにあの子ってばケメトやヴァルに酷いことばっかり!ケメトあんな子と何話してたの?!」

ふんっ!と鼻息荒く怒って見せながらあくまでケメトへの声は柔らかい。

ケメトがどんな子と仲良くしてもとは思いながら、やっぱりあんな強引にケメトを連れ回す子は嫌な子だったと思う。年も近く女性のグレシルだが、今まで何度もケメトに話しかけてはわざとらしく自分にもにやにやと嫌な笑みを浮かべてきた彼女はやはりセフェクは嫌いに入る。そして今日、ヴァルとケメトに酷いことを言った彼女を自分は絶対好きになれないと思う。

怒るセフェクに、ケメトも強くは返せない。彼女が自分達の為に怒ってくれているのはわかっている。「ごめんなさい」とグレシルの代わりに二人へ謝りながら、彼女の問いにきちんと答えた。


「二人の、自慢ばっかりしてました。ずっと。グレシルは僕の家族自慢をいつもいつもたくさん聞いてくれて。だから……いつか、わかって欲しくて」

そう言いながらケメトの声が次第に萎んでいくのを、二人も気付いた。

彼女から見つけてくれたのは特待生発表の翌日だった。自分から話しかけてくれてまた会う約束ができて、その後はヴァルがベイルの酒場へ連れて行ってくれて、嬉しいことがが二つになったあの日は幸せだった。


途中からはずっと「ケメトの為」と言いながら二人との関係を否定してきたグレシルだが、それでも自分の話を聞いてくれる彼女にもっと彼らの話をしたかった。

セフェクがヴァルを怒ることが多いことも、ヴァルが普通の人の言う〝良い人〟から離れていることも知っている。だが、それでも自分は幸せで大好きな人達のことをいくらでも話せた。

彼女の否定に正しい部分が合ったことも踏まえた上で、それでも自分は二人が好きなんだとわかって欲しかった。

最終的には欺され裏切られ、裏稼業に売られそうになったがそれでもケメトにとっては変わらず彼女は友達である。ただそれでも、やっぱり自分にとっての大事なものも優先順位も変えられない。


「ごめんなさい。待ち合わせに遅れちゃって……今日も配達があるのに。それに、ステイル様にもお願いしてくれたんですよね?」

萎んだ気持ちもまま、遅れて反省がやってくる。

ヴァル達が駆けつけてくれたことは嬉しかったケメトだが、突然現れた理由はすぐにわかった。自分の為にステイルにまでヴァルがお願いをしてくれたのだと思えば、さっきまで緩んでいた表情筋まで落ちていく。

眉を垂らし、もともと小柄な身体が背中も丸まり更に小さくなった。今にも怒られるのを待つようなケメトに、すかさずセフェクが「緊急事態だったんだからしょうがないでしょ‼︎」声だけ荒げながらその頭を撫でた。

ケメトは謝らなくて良いの!と続けながらやっぱり悪いのはグレシルだと思う。本音を言えばもうあんな子に近付いちゃ駄目と言いたいが、そこはぐっと堪えた。ケメトにとっての友達を無理やり離したくはない。

続いてヴァルからも舌打ち混じりに「どうでもいい」と返ってくる。憂さならケメトではなく、これから潰す残党で晴らせば良い。


「……終わったら、城の前に例の酒場行くぞ」


その言葉に、やった!と声を跳ね上げるセフェクと共にケメトの目もパッと輝いた。

ケメトがグレシルと共に逃げ走った道を辿り歩き、とうとう馬車を発見したヴァルはそこで笑う。掴んだ小さな手は離さずに、地面を足で踏みつけ起動した。

波打ち、地面が馬車ごと彼らを襲い出す。阿鼻叫喚が響く中、ヴァルが裏通りに転がっていた裏稼業も含めた全員を纏めて捕らえきるのは間もなくのことだった。


〝彼ら〟の完全勝利だった。


Ⅰ127幕.340-2.596.246


本日分、次の更新は21日になります。

ご容赦ください。

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― 新着の感想 ―
[一言] >なんでそれをガ・キ・共・に・じ・ゃ・な・く・ ヴァルはヴァルでケメトたちに同じように感じているのね。 もうホンマ、血よりも濃いきずなだわ……
[一言] ケメトさんカッケーっす! そうだよね…貧しさから歪んで人貶めるだけのクソガキと 理不尽に苦しんでも泥啜ってでも這い上がった人達とじゃメンタル敵うはずないな プライド関わらずにラスボス(笑)完…
[一言] なるほどーありがとうございました。でもこれ作者が教えることでは…
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