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【アニメ2期!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
頤使少女とショウシツ

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〈本日コミカライズ3巻発売‼︎・感謝話〉騎士達は整列し、

時間軸は〝無礼王女とホームパーティー〟です。


「この度、我が国の宰相であるジルベール・バトラー殿より屋敷のパーティーへ招待を頂いた」


演習終了後、解散を前に騎士団長が告げたその報告に最初は目を見張る以外の反応は殆どなかった。騎士団長の発言中に私語を行う者もいない。

フリージア王国が誇る騎士団へ上層部や国内外の王侯貴族から個人的な依頼やパーティーの招待状等も珍しくない。国で最も高位な式典にすら毎回参列を認められている立場だ。


しかし宰相であるジルベール主催のパーティーと言われれば、珍しいと気付く者は多かった。近年騎士になった者には初耳の者もいる。ジルベール主催のパーティーなどここ数年では招待どころか、開催自体噂にも聞かなかった。騎士団長と副団長であるロデリックとクラークさえ、式典でジルベールが「今年はパーティーを行われるご予定は」と尋ねられる度全て受け流したの記憶の方が多い。

その殆どが宰相としての忙しさを理由としていたが、今年になってその理由が別にあったのだと発覚した。


「長らく闘病中だった婚約者が完治したとのことで、今回は回復祝いということだ。比較小規模なパーティーではあるが、是非騎士団にも出席して欲しいというお言葉だ」

闘病中だった婚約者。

そう聞けば、ロデリックもクラークも今までジルベールがパーティーを行わなかったことも納得できた。婚前前の婚約者が家で寝込んでいるにも関わらず、呑気に人を呼んでパーティーなどできるわけもない。

ジルベールに婚約者がいることすらロデリックは知らなかった。式典で挨拶程度は行うが、彼は騎士団よりも上層部との会話に重きを置いていた為、会話も大して弾んだことがない。話題らしい話題といえば、騎士団での特殊能力者についてのことくらいだ。

しかし今回、婚約者の回復により初めて騎士団へも誘いがかかった。婚約者の病という憂いが晴れたからか、ここ最近のジルベールの変化はロデリックにもはっきりと伝わっていた。

国内の情報統制から裏稼業一斉検挙では、ジルベールによる采配と情報のお陰で根絶やしにできた組織や一団も多い。そんな中、改めてジルベールが騎士団との繋がりを強固にしようと交流を試みたのはごく自然な流れだった。


「招待には騎士団長副団長、今年主席入隊した騎士一名。そして隊長格二名、本隊騎士一名が指定されている」

主席入隊騎士には、と。そう流れるようにアーサー・ベレスフォードの名前が語られれば、本人が緊張で肩をビキリと揺らす以外誰からも疑問も惑いもなかった。

もともとその年の主席入隊本隊騎士に上級層から招待などの役回りが来ることは珍しくない。騎士団全員を招待できるわけでもない以上、話題性の高い将来有望の騎士を招く。

そして残り枠の三名。名前が出されないということは、まだ未定なのだとこの時点で騎士団全員が理解した。ここで決まっていれば、アーサーと同じように騎士団長からも指名が上げられる。

向こうから個人名の指名がない以上、その選抜方法は騎士団長であるロデリックに決定権がある。そして今回はこれから決めるからこそ演習後の報告だ。


「ジルベール・バトラー宰相は王配殿下の片腕であることは勿論、最近では人身売買や裏稼業の一斉検挙にも多大な貢献をされている御方だ。今後も騎士団で密に協力を行うことも増えるだろう。また、招待客には上層部も複数招かれ……」

今の騎士団にとっての存在。今後接点や交流を深めていく上での立場上の関係、そしてジルベールだけでなく招待客との関わりだけでも充分に出席の価値はある。

式典よりも遥かに人数が限られる個人的な小規模パーティーであれば特に、一人一人と対話する機会も多く長く得られる。今回の正体を受ける価値を騎士団長の言葉から各々自分の中で再認識する騎士達も、誰も行きたくないとは思わない。


ジルベール宰相、とその人物と今まで密に関わったことのある騎士など騎士団には一人もいない。誰もが広く浅くで終わっている。

人物像すら「物腰の柔らかい親身な男性」という印象だけだ。そんな宰相が急に騎士団との連携をここ最近で強めてきたと考えれば、これを機会に互いに理解を深めるのは有意義な時間にもなる。

もしその機会を投げられたら、頷かない理由はない。騎士団長、副団長と共にパーティーへ出席できること自体も栄誉だ。式典ではなく宰相の個人パーティーでも充分に意義がある。


「そして、王族の方々もお見えになるという話だ」


ざわり、と。その瞬間初めて整然としていた騎士達は騒めいた。

息を飲み、一音を無意識に零し、口の中で繰り返す。この国で最も高位な存在の出席を聞けば、一気に小規模パーティーの価値は式典レベルに跳ね上がる。

考えれば当然だった。王配の補佐役である宰相の婚約者の回復パーティーであれば、王配やその家族が招かれなければおかしい。残すは招待された側がそれをどう受けるかのみ。

王族という名から畏れ多い、もしくは堅苦しくなりそうだと一歩引く者もいれば、逆に前のめりになる騎士もいる。……しかし。



近年は、少し違う。



「出席されるのは王配で在らせられるアルバート殿下、そして第一王女であるプライド殿下、第一王子である……」

おおおおおおおおおぉぉおおおおおおぉおおおお!!!と。

珍しくロデリックが全員の名を言い切る前に、上塗るような歓声が上がった。

プライドの名が出た途端、遠目でもわかるほどに騎士達の目がギラギラと松明のように燃えていく。

直後には副団長であるクラークから「静粛に‼︎」という強い咎めと、そして何より騎士団長であるロデリックから騎士全員の心臓を射抜くような鋭い窘めの眼光が研ぎ澄まされた。


開いた口から音が漏れないように騎士の全員が一気に緊張感を取り戻し、ピシリと唇を意識的に縫い留め姿勢を正す。騎士団長の話が終わるまで私語は許されない。

一呼吸、そして二呼吸分の沈黙は吹いた風の音を強調するほどに長く感じられた。一対一のように直接騎士団長へ謝罪の言葉を言えない全体での咎めに、全員が一度火照った頭も急冷される。

全員から改めて緊張の糸が張り詰め直されるのを確認してから、ロデリックは長く深い溜息を吐いてまた言葉を続け直した。


出席をするのはアルバート、プライド、ステイル、ティアラ。今回ほど小規模なパーティーに王族が親子で複数人出席することも貴重であり、王族との交流を図るにもいい機会だと。そう告げられても今度は騎士の一人呼吸音すら溢さず黙して聞き入った。


「出席を希望する者はこの後今日明日中に私かクラークに名乗り出るように。その中から適した者をー……、とも考えたが」

ハァ、とそこでまた溜息が落とされ言葉が切れる。

本来であれば、王族の出席とはいえ指名もされていないのに自分からわざわざ「是非自分を!」と希望する騎士はそこまで多くない。立場上遠慮する者も、そういった外交に興味がない者もいる。

パーティーに出席するくらいならばその分習練鍛錬演習に時間を注ぎたいと考える者もいる。騎士団としても騎士団長副団長以外はそこまで騎士としての任務以外を強制するつもりはない。パーティーの警備や護衛任務ならまだしも、あくまで彼らは社交を好む王侯貴族ではなく騎士なのだから。

立候補制にしたところで、希望者は騎士としてだけでなくそういった立場を求められるエリートや一部のサラブレッドの者が殆どだった。

だが、ついさっきの反応から察してもと。ロデリックは一度閉じた口のまま自分の想定通りだったと考える。今、目の前に並んでいる騎士総勢の殆どが今回出席に息を巻き殺到するであろうことを確信する。


「……出席を希望する者は、今日明日中に希望者同士で決めてから私の元へ報告に来い。隊長格二名本隊騎士一名であれば形式は定めない。重傷者、死者が出ないようにのみ注意を払え」

以上、解散。

そう今度は間も開けず、響く声で終了を告げたロデリックは速やかに高台から去った。

状況によっては選抜方法を騎士団長から指定する場合もあるが、今回はもう騎士達の浮き足の立ちようからもう勝手に決めろとロデリックが判断した。


今度こそ騎士団長から正式に私語許可を与えられた騎士達も、そこで爆発的に騒めき膨らんだ。

俺が!希望者こっちに集合!食堂に集まるか、演習所にと先ずは人数規模から選抜方法を話し合う場所を検討するところから始まる。人数規模によっては個人の自室から演習所規模まで幅広いが、今回は間違いなく最大規模だった。

眉間に皺を寄せた騎士団長と、喉を鳴らして笑う副団長が速やかにその場で去っていく中、ざわざわとほとんどの騎士が解散後もその場から離れず寧ろ騒ぎの中心地へと密集していく。去る騎士など社交や関わりを好まない八番隊騎士くらいのものである。そしてその中で。



「よっしゃああ‼︎場所移すの面倒くせぇしここで決めちまおうぜ‼︎」



ひと際響く大声は、高台に立たずとも密集する騎士全員の注目を集めた。


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