俺、死ぬ
俺達はトンネルのようなものを抜ける途中であまりの衝撃を受け死んでしまった。もう一度言おう、死んでしまった。実際に俺の死骸があるから間違いないだろう。
何を言っているのか分からないって?それならば説明してやろう、俺達が死んでからのことを
簡単に言えば俺達の死因は自殺だ。ドアノブにロープをかけて首吊り自殺。ちゃんと後片付けをしやすいように細心の注意を払ったし、身辺整理もしたので家族にもあまり迷惑はかかってないだろう
動機は特にない。ただ疲れたからだ、生きることに意味を見いだせなかった。27歳、無職、引きこもりの俺を悲しむやつなんていないし、家族からもウザがられていたから全く後悔はしていない
まぁ、俺の生前のことなんてどうでもいい。問題はその後だ、俺は死んだ後不思議な空間にいたのだ、例えるならドラゴ〇ボールの世界の死んだ後になんか長い道を進むやつがあるだろ、蛇の道とか言うやつだ。とにかく俺は馬鹿みたいに長い道を歩いてあの自称女神に会いにいったのだ
輪廻転生がどうとか色々言っていたが、要約すると、生前いいことをした人は来世でも幸せな一生が与えられるが、悪いことをすれば来世は人間ですらないという。そして俺は案の定、「徳」なるものはほとんど無く、最低レベルの「虫」に転生したのだった。
そして来世へと繋がれているトンネルのような物を抜ける途中に俺は死んでしまい、今に至るのだ
だいぶ長いこと説明したおかげで整理がついた、つまり俺達は来世に行くことも出来ずに死んでしまったわけだ。
「「「「「虫弱すぎだろ!!!!」」」」」
「「「「「それな!!!!!!」」」」」
勘のいい人なら気づいただろう、「俺」が「俺達」に変わっていたことが、どうして「俺」は死んだのに「俺達」が生きているのか。その理由もおそらく想像が付くだろう。そう、「俺」は死ぬ間際に「俺達」を産んでくれたのだ。俺gj
確かに女神の所に行くまで何日か掛かった気がするし、その時から「虫」に転生していたとすればつじつまは合う。しかし、考えて見てほしい、それ程までに繁殖力の強い虫がこの世に存在するだろうか、そもそも俺は交尾をしていない、そんな状態で卵を産むことが出来るのだろうか。そんなことを出来る虫を俺は1匹しか知らない。そう、俺達は
ゴキブリだったのだ