∞歳《0m》
朝にした。
「おはよう幸さん」
「おっはー!幸樹くん!!」
僕は、目の前に現れた幸さんの、温かい手をギュッと握った。
「今日はどこ行く?」
「そうですね・・・金のリンゴの庭はどうですか?」
「それとも、アリスのうさぎふれあいセンターは?」
「嫌ですよ。また赤の女王と追いかけっこするハメになる。」
「ああ〜。あの人しつこいからねぇ。」
「じゃあ。やっぱり・・・」
「そうですね。」
『今日も、屋上で。』
そして僕たちは、目の前に現れた鉄の非常階段の一段目を、一緒に踏んだ。
これは、幸な物語。
「天国なんてあるのか?」と最近思いました。
それは、天国を夢見ながら死んでいってもし天国がなかったら、本当に悲しいと思ったからです。
では、天国を信じたら何があるのか?
この話は『天国を信じない』人にとっては『80歳』で終わりです。でも、それではあまりにも田中幸樹が可哀想では無いでしょうか?
「ただのフィクションだろう」と一蹴する方もいるかもしれません。でも、現実には田中よりひどい状況に置かれて死んでいった人が大勢います。
戦火に焼かれた親子、殺人鬼に殺されたサラリーマン、生まれてすぐ死んでしまった赤ちゃん・・・・上げれば切りがありません。
この人達に私達ができることは一体何か。
僕は、その人達の天国での∞歳の人生を祝福するぐらいしか思いつきませんでした。
以上、天国の恩師へ、最大限の祝福をもって。




