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エレメンツハンター  作者: 柏倉
第2部 ルリタテハ王国の神様の所業
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第12章 結界攻防戦(12)

「そうそう、そうこなくっちゃねぇー。どの方向へでも攻撃できる弁才天なら、中央に位置取りするのが最適解さぁ。行くよ、アキト」

 自分専用の七福神リモートコントロール機内で、翔太は軽快な口調を維持していた。つまりは余裕があるのだ。

 8本の腕を持つとはいえ、たった1機のコウゲイシを操るのは、翔太にとって簡単なのだ。

 しかも弁才天の5臂の手は、無限可変式合金の糸を握っているように見せているだけで、腕自体が見せかけだった。腕の曲がる角度、方向を考えず操れる分、格段に楽なのである。

『中央突破だ、中央突破っ!』

「いやいや、僕の心配なら無用さ」

 弁才天の腕の装甲を外すと、羂索の糸と同じ無限可変式合金だけが存在する。要は胴体から、5本の無限可変式合金が生えているのがコウゲイシ”弁才天”なのだ。

 手首から出ている腕と同色の無限可変式合金が、糸の無限可変式合金と接続されている。無限可変式合金の接続部は、手の内で隠している。腕と見せかけて、一つの無限可変式合金であり、あらゆる角度、方向に武装を展開できる。弁才天は、文字通り手の内を隠しているのだった。

 もちろん弁才天だけでなく、僕のスキルもTheWOCに隠しているけどさ。

『オレ自身の心配をしてんだよっ!』

 語気強く言い放ったが、アキトにいつものキレがない。

 感覚派の翔太に比べ理論派のアキトは、今も頭脳をフル回転させバイオネッタ撃破の策を練っている。

 そして、それを翔太が台無しにする。

「うんうん、もう遅いよアキト。お宝屋劇場第二部の開演さぁああーーー」

 第一部での戦果は、16機中10機。

 第二部の相手は、人型兵器32機。

 目標は15機としようかな。

 アキトの照準サポートと策略があれば、僕なら15機は撃墜できるさ。

 中央突破しないで戦闘するという無理無茶無謀を強いておいて・・・。それによってアキトの策略を破綻させておいて・・・。それでもアキトに頼るという無責任ぶりである。

『後で覚えてろよっ!』

「アキトにしては、言葉のチョイスが陳腐だねぇ。余裕が感じられないなぁあ」

 矢型誘導ミサイル3発を弁才天の上空を通過するバイオネッタへと照準し発射。結果内に敷いたレーダー網で敵を捕捉し続ける。両脚の膝は限界まで折り曲げ、下から後ろに回り込もうとしているバイオネッタを牽制する。

『ふざけんなっ!』

 凡庸な台詞で罵倒する。しかし、それ以上言葉が続かない。アキトには言葉を選ぶ余裕がなく、反射的な反応しか返せない状況なのだ。

 右脚の膝から放たれる連射モードのレーザービームがバイオネッタを追い込み、左脚の膝のレールガンで確実に仕留める。レーザービームの輝きがバイオネッタを無理な姿勢へと導き、回避不能状態にするのだ。

 命中しないレーザービームの輝きに対して翔太が呟く。

「少し照準が甘いな」

 もはや、アキトは言葉すら発せない。

 ただ怒りのオーラを周囲に撒き散らすのみで、コントロールルームから七福神リモートコントロール機内に届く訳もない。

 しかし、翔太はアキトの怒りを感じ取っていた。

 だからといって、翔太の態度や声色などに変化はないのだが・・・。

「後7機は撃破したいなぁー」

 あくまで翔太の15機撃破という目標があるため口から零れ出たのだが、アキトへの挑発になっていた。ナチュラルに敵味方構わず相手を挑発できる翔太のスキル”口から適当”が発動されたのだ。翔太は理論でなく、自身の感覚で語るっているので悪気はない。しかし今の言葉は、アキトへの挑発に他ならなかった。

 弁才天は、すでに8機を撃破したのだが、それでは物足りないと取られた。

 アキトは無言で集中力を高め、無限可変式合金でバイオネッタを絡み取り動きを封じる。絶好の的と化したバイオネッタだが、1機が弁才天に後ろを見せた。右膝の砲口をそのバイオネッタに向け、瞬時に連射モードから最大出力の破壊モードへと切り替える。弁才天のレーザービームが、無限可変式合金の糸もろともバイオネッタを切断した。

 無限可変式合金に絡めとられたバイオネッタ4機は、弁才天の攻撃に備える。しかし4機のバイオネッタは弁才天とは別方向からの攻撃に依って撃破されたのだ。バイオネッタを破壊した得物は、糸の先に繋がっている刀/矛/長杵/鉄輪であった。

 最初からアキトは得物を使って破壊する予定であった。しかし、バイオネッタのパイロットの1人が鋭敏な感覚を持っていたようで、斧の攻撃に備えるため後方を向いた。アキトは無限可変式合金の糸を犠牲にする気はなかったが、仕方なくレーザービームで1機を葬り去ったのだ。

『後2機』

「2機でも構わないさ」

 翔太には挑発する気は全くないのだが、アキトはそう受け取らなかった。

『3機撃墜するぜ』

 刹那で弓に3本の矢型誘導ミサイルを番え、発射する。

 狙いは、爆風に遮られ弁才天から見えない3機のバイオネッタ。つまり、3機のバイオネッタから弁才天の様子は分からない。しかし結界内にいる3機のバイオネッタは、アキトからは丸見えだった。

 矢型誘導ミサイルは3機のバイオネッタを同時に撃墜したのだった。

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