↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エレメンツハンター  作者: 柏倉
第2部 ルリタテハ王国の神様の所業

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/119

第5章 戦闘(2)

 話し合い終了から、更に2時間後。

 アキトVS翔太の模擬戦闘開始まで、15分後に迫っていた。

 ジンに装備の提供を承諾させ、換装にヘルを手伝わせ、ようやくセンプウの出撃準備が整った。センプウのコクピットで、アキトは立ったままの状態で体を固定された。クールメットを被りコクピットを閉じる。機体内部の全面がディスプレイになり、情報はクールメットに半透明で映し出された。

 模擬戦闘モードへと設定変更し、アキトはユキヒョウの戦略戦術コンピューターを選択する。お互いの戦略戦術コンピューターが、命中及び損害を判定する。

 しかしジンは、お互いの戦略戦術コンピューターでも判定するダブルチェックが必要だなと宣い。そこにジンの性格の悪さというか、強かさが窺える。

 損害判定に???要な七福神ロボの武器のスペックのデータを、お宝屋から提供させて???いて、ジンの方は通常のレーザービームライフル”雷”の武器スペックを渡したのだった。

 演習モードへと切り替えた瞬間、風姫の凛とした声が鼓膜に響く。

《1対1のはずだわ。なんで7機も布陣しているのかしら? お宝屋とは言葉を違える卑怯なトレジャーハンティングユニットなのかしら?》

 演習モードと模擬戦闘モードとの最大の違いは、戦闘相手とも会話が可能になることだ。つまり敵陣営との通信が繋がった状態での戦闘である。

『俺は、1人対1人と言ったぞ。何を問題としているのか、まったく理解できぬなぁ』

『私はセンプウででるわ。ジンも出撃し・・・』

『風姫よ、落ち着くが良い。アキトが話していたが、お宝屋の次男は7機を1人で操縦できるそうだ』

《そうそう。そしてアキトは、僕に勝ったことがないんだよね》

「正しい説明をしろよ、翔太。4機相手までならオレの方が強い」

《いやいや、その場合でも僕の勝率は、30%ぐらいあったよね。それにさ、僕が5機を操縦したら、勝率は100%だったかな》

「そん時は、3機撃墜したぜ」

『それではダメでしょう。お宝屋は7機なんですよ』

 彩香は、即座にダメ出しした。

『最新鋭のサムライでジンの訓練を受け、死線すらも乗り越えてきたわ・・・。だから・・・、やっぱり無理かしら? 無理そうね』

 風姫は冷静に検討し、あっさりと結論を出した。

 戦意が萎んでいくぜ。味方ならオレの戦意を高揚させたり、応援するべきだ。

「ふぅ・・・出撃するぜ」

《頑張ってぇ~。アキトく~ん》

 オレを応援するのは、敵のはずの千沙だけかよ。

「勝ってもイイのか、千沙?」

 ゆっくりとした口調だが、即座に答える。

《う~ん、それは困る~》

 そうだよなぁ・・・。

 ホントの味方が欲しいぜ。

 ユキヒョウの格納庫のハッチが開き、アキトの乗るセンプウが格納庫から出撃した。

 4本のオプションスラスターを装備し機動力を上げ、両手に幽黒レーザービームライフル”轟雷”を持つ。そして背中に手打鉦を装備している。これで背後からのレーザーなら防げる。

 しかし手打鉦の所為で、背中のメインエンジンが使用できなくなる。ほぼ機動力に変化はなく、的が大きくなる分不利になる。

『7機を1人で操縦するなんて、非常識』

 史帆の呟きに風姫は思考を刺激された。

『ジン。お宝屋はどうやって、1人で7機を同時に操縦するのかしら?』

《僕はマルチアジャスターなのさ》

 翔太は風姫の疑問に対して間髪入れずに、核心から少しずらした答えを返した。

『聞いたことないわ』

《ふっはっはっははーーー。翔太以外には存在しないだろうな。これぞ、お宝屋の血の成せる業ぞ》

《いやいや、ゴウ兄。存在するかも知れないし、これは遺伝でもないからさ》

 彩香は丁寧な口調であるが、猜疑心一杯の声音で断定するように訊く。

『本当は戦術コンピューターが操縦するのではないでしょうか?』

『なんだとぉおおおーーー。それでは、すでにお宝屋は負けているのだなぁあ。我輩を宝船に乗船させ、全ての技術を晒すのだぁあああああ』

「うっさいぜ、ヘル。翔太は7機でも10機でも戦闘可能だ。ただ単に、目的地へと編隊を組んで進むだけなら、100機でも200機でも操縦できる特殊人間なんだ」

『脳の改造手術かしら?』

『薬?』

『お宝屋という、人外の血の成せる業でしょう』

『おおぉおぉおおおおーーー。なんと異能の存在ということなのかぁああああ。是非、我輩に解析させて欲しいぃいいい。いや、絶対に解析するぅううううーーー』

《な、んだと・・・。そうだったのか、翔太。いつの間に異能を手に入れたんだ?》

《知らなかった・・・》

《とうとう・・・バレてしまったよ、アキト。これは、アキトと2人だけの秘密だったんだ。アキトと僕は、ある惑星で禁断の大蛇の肉を口にし、覚醒したんだよ。覚醒には個人差があってね。僕はルーラーリングからの適合率が向上し、アキトはエンジニアとして才能が著しく向上したんだ。僕は向上した適合率を滝行や瞑想などの修行により、マルチアジャストというスキルにまで昇華させたのさ》

「もっともらしいウソを吐くなっ! オレは大蛇に丸飲みされた上、その肉で食中毒になったんだ。トレジャーハンティングで1日に2度死にそうになったのは、初めてだったぜ」

《えっ・・・トレジャーハンティング以外では、1日に2度以上死にそうになったの?》

「ルリタテハの踊る巨大爆薬庫と一緒にいるんだ。どうやっ・・・」

『素晴らしいぃいいい。なんと素晴らしいぃいいいーーー。その大蛇の肉は残ってないのか? 分析してみせる。きっと精神感応ダークマター”オリハルコン”が脳に滞留しているに違いない。おおぉおおお、我輩としたことがぁあああーー。アキトの脳というサンプルがあるではないか、早速解析せねばなら・・・』

 ヘルの妄言を千沙が遮る。

《アキトくんは、実験動物じゃないのっ!》

《そんなことは、絶対に許さんぞ。俺が貴様を葬り去ってやる》

 ゴウは激昂し、声を荒げた。

『これ以上、迷走しないようにっ!』

 厳しい口調で、彩香は全員を黙らせた。

 センプウが戦闘宙域に到着し、アキトは戦闘開始準備を整えた。

 翔太と同様の特殊人間と誤解されたままでは堪らないので、風姫たちに事実を教える事にした。

「マルチアジャストは、大蛇の肉を食べる前から持っている翔太のスキルだぜ」

《良かった良かった、どうやら誤解は解けたようだね・・・。そうそう、僕はいたって普通の人間さ》

『いい加減にしてくれないかしら。不愉快だわ、面白屋劇団さん。さっさと勝負を開始しなさい。アキトに勝てないから開始を引き延ばしてるのかしら?』

《あれあれ、さっきは”無理そうかしら”って言ってたよね?》

「御託は、いらねーぜ、翔太。戦闘開始だっ!」

 センプウのオプションスラスターを全開にし、宝船へと針路をとり一直線に加速する。

《油断するな、翔太よ。アキトは、サムライシリーズのセンプウを操縦しているぞ》

《了解だよ》

 翔太は短く返答した。

 それは、七福神ロボのセミコントロールマルチアジャストの影響である。流石に7機を操縦し、戦闘状態となっては、いつもの軽口を叩く余裕がないのだろう。

「ゴウ。アドバイスは反則だぜ」

《アキトくん、このぐらいは応援のうちだよ~》

『まったくだ。汝は我の指導を受けたのだ。そのぐらい叩き伏せてみせよ、アキト。良いか翔太とやら、センプウの背中に装備した手打鉦は、宇宙戦艦の主砲ですら弾き返す』

「ジィィィィーーンーー。なんてこと、敵に教えてんだぁああああ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。