ゆき
干からびた湖から出てきた、黒く偏食した人の骨。
そこには枯れた藻と蓮の花が丁度重なって、誰かが悼んだようにも見えるが、そんなことはあるはずがない。
祭りの季節か雪の季節か、湖を埋め尽くすようにして、踊り出す白目の人やただただ泣く人などのキチガイが染め上げる風景。その喧騒の内から漏れ出したようにしんしんと降りだした灰によって、阿鼻叫喚の地獄とも取れる騒ぎを生み出し、もはや表現のしようもなかった。
そんな中にも気がある人は片手で数えれるほどはいたが、頭を抱え込んで丸くなるばかりで、声も掛けれず、次第にそこが白骨の小山がたてられている場所だと認識した頃には、それが自分の見ていた幻覚だったことに気づき、ビニール袋みたいに垂れた皮膚が落ちていくことに目をあてれるようになる。
ああ、崩れていくモノなのか、理想郷。