表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

参の記 答えがある選択

目覚まし時計が、ジリリっと、けたたましくなる

ルビーのような髪の色の少年が一人、目を覚まそうとしていた。

「う、五月蝿い、誰かとm、グー」

二度寝の誘惑と戦いながら、

「起きてよ(ろよ)!さっさと用意してください(しろ)!」

その日、少年は宙に舞った。

「イタタ、朝から、蹴ることないじゃないか。」

少年は、横っ腹を抑えながら、走っていた。

「竜切が、二度寝しようとしているのが悪いじゃないの。」

琥珀色の瞳で、金髪の少女と、

「そうですよ、私の兄貴ですら、朝はちゃんと起きますよ。」

黒真珠のような瞳で黒髪の小柄な少女に、怒られながら。


自室から、少年少女は食堂へ向かっていた。

朝食は普段の半額で食べることが出来ると聞いたからである。



「そういや、今日は何をするんだっけ?」

少年は、白米を頬張りながら、本日の予定を聞いていた。

「えーと、確か…」モグモグ

琥珀色の瞳の少女が答えようとして、

「なんか、此れからの授業に必要なものとか、学校の設備について話があるらしいですよ。」パクパク

小柄な少女に遮られた。

琥珀色の瞳の少女は、遮られたせいで、少し不機嫌になってしまったのか、少年の(すね)を思いっきり蹴った。

少年は、その場で、蹴られた痛みで悶絶(もんぜつ)して、倒れてしまった

その後、別の少年がやってきて、口の端を吊り上げた表情で、全力で殴られて起こされた。


時は過ぎて、教室で、担任による学校の設備についての説明があった。

「えー、このようにこの学校には、訓練で使われる、部屋があるのです。」

そういうと、死んだ魚のような目の男性は、ある人物のほうを向いて、こう言った。

「そこにいる、迷子(・・)ちゃんが一番知っていると思うから、後で、様子を聞くように。」

少女は赤面して、頭を垂れた。

「では、後でアンタらにやって欲しいことがあるので、第一実技ルームに集合ー。」

そう言って、男性は教室の窓から飛び降りた。

男性が飛び降り、直後、琥珀色の瞳の少女の元に、大勢の人がやってきた。

実技ルームはどんなとこだったや、どんなことが行われていたとか等の質問が多くされていた。

少女は、幼馴染の少年に助けを求めたが、そっぽを向かれた。

少女の助けを求める声は、喧騒にかき消された。


暫く時が過ぎて、男性に指定された場所に生徒たちは集合した。

そこには、様々な武器や日用品を模した金属の物体が散らばっていた。

「今からアンタたちに、この中の一つづつ触ってもらう。そして、その中で何か変化があったものをアンタ達の武器とする。」

生徒たちはザワザワっと、騒ぎ始める。

驚くもの、泣くもの、その中で一人だけ不思議そうな顔をしているものがいた。

「先生、質問はよろしいでしょうか?」

「おう、いいぞ。」

「いきなり、武器とか言われても、よく分かりません!」

そういうと、他の生徒も、乗じるように、またザワザワし始めた。

「ようし、それじゃあ、アンタらここ十数年間で起こっていることを知っているよな? 」

一人の生徒が答えた。

「亜人や幻獣などの発生や、超常現象ですよね?」

「まぁ、正解ってところだ」

男は続けて、答える。

「でも、そいつらが何処からきたのかも、なんで現れたのかも不明だ。」

「でも、唯一わかるのは、人類の敵ってことですよね。」

一人の少女が、言ったことに男はうなずいた。

「まぁ、一介にそのようにはいえないが、当たっているっちゃー、当たっている。」

その後、様々な説明があったが、ここでは省かせてもらおう。

男からの説明が終わって、少年少女は思い思いの道具を手にとった。

あるものは、鋸を模したものを手に取り、また、あるものは、食器道具を手に取った。

「竜切は何にしたn、え、何これ」

少女が見たのは、幼馴染の少年が、身の丈はあろう、両刃の剣を軽々と振り回していた姿だった。

「え、どうしたのこれ?」

少年は、困った顔をして、しゃべり始めた



俺は、まず適当に武器みたいなやつを探していたんだよ。

いや、そんな汚物を見るような目で俺を見るなよ。

最初は、まぁ銃を触って見たんだよ。

だが、反応は無かったんだよ、それどころか、ほれこの手を見てみろ。

若干火傷した、さっき、先生に聞いたんだけど、偶に本当に合わなくて、拒絶反応が出る人がいるらしいんだよ。

その後に、何か棒状のやつがあったから、触ってみたら、

ほれこの通り、両刃の剣になったわけ、ここからが本題だよ。

普通、こんだけの大きさの剣だったら、扱う事すらおろか、持ち上げることもできないはずなんだよ。

それが、この剣は、まるで紙でも持っているかのように重さを感じないんだよ。

たぶん、相性がいいんだよね。

で、これを、先生に見せたら、顔を真っ青にして、どっかに行っちゃったんだよ。

何処に行ったんだろうねー



少年が、大剣を振り回していた頃、牛塚は薄暗い部屋で何人かの人物と話しあっていた。

「どうすんだよ、アイツ竜殺し(・・・)の英雄の力手にいれたぞ」

焦った口調で、牛塚はその場にいた人々に問題を提起した。

「いや、まだ決まったわけではない。」

重く、そして安定した声の男性が答えた。

「例え、ヤツが、かの英雄の力を手に入れたとはいえ、まだ、素人だ。」

低音の男性が答えたのに便乗するように、ハリのある、女性の声が答えた。

「でもね、あの能力は、ちょっと厄介なんだよねー」

眠そうな声が、それに修正を加えるように反対する。

「素人だからって、舐めたら痛い目にあうのは定番なんだよねー」

「な、ならば如何すれば良いのでしょうか?」

牛塚は、その声に反論した。

「そんなの僕達はしらないよ、僕達はただ時を待つだけ」

その反論さえ、眼中にないかのように、受け流された。


そして、場所は変わって、竜切のもとへ

少年は、自分の握っている大剣を振り回しながら、質問をした。

「そういや、アッシュは、どれにしたんだ?」

少女は、ふふんっと、得意そうな顔して、胸を張った。

「聞きたい、ねぇ、聞きたい?」

少年は、少し目つきを悪くした。

「いいや、別に。」

少年は、少し青筋を立てながら、別の方を向いて、大剣を引きずりながら歩こうとした。

「ごめん、ごめん、ちゃんと教えるから、ちょっと待ってー!」

そう言うと、少女は、自分の足を指差した。

そこにあったのは、まるでガラスのような見た目のヒール。

「ふふん、どうよ?これが私の武器らしいよ。」

少年は、空いた口がふさがらない様子。

それも、その筈、元々は金属の塊だったはずの物が、全くの別物に変わっていたのだから。

少女は、ドヤ顔で、さらに続けた。

「しかもね、これすごいんだよ!」

「ふーん、どんな風にだw」

少年は、嘲笑しながら、聞いた。

「信じてないでしょ!?いいよ、見せてあげるよ!」

少女は、ヒールの爪先を二回鳴らした。

その瞬間、少女の体を光が包む。

そして、そこには、少女の姿がなく、見ていた少年と全く同じ姿の少年(・・)の姿があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ