調査の結果
「桜田さん、朝だから起きて!」
誰かがわたしを起こしてるようだ。
「だ、誰?」
「誰って、さすがに私のことを忘れてないでしょうね。」
目を開けると、そこにはなっちゃんが立っていた。
「なっちゃん?」
「よかった。これで忘れられてたら、またふりだしに戻るところだったよ。」
「なんとか覚えてるよ。」
記憶が消えていないことに安心した様子のなっちゃんだった。
「さてと、桜田さん。早速ごはんを食べて、そのあとに制服に着替えて、退院の準備をしようか。」
「うん。」
わたしは、用意された朝ごはんをすぐに食べ終えて、昨日着ていた制服に着替え始めた。
「あれっ、この制服、いい臭いがする…。」
昨日とは違い、制服から花の香りがしてきたのだ。
「警察で調べ終わったあと、きれいに洗濯しておいたからね。」
「そうなんだ。ありがとう。」
制服に着替え、わたしは鏡で自分の制服姿を確認してみた。
鏡には、白のセーラー服に紺色のスカートをはいた自分が映っていた。
「なかなかいいんじゃない? 黒のリボンもいい感じだし。」
自分の制服姿にうぬぼれるわたしだった。
「桜田さん、こっちに来てくれるかな。」
なっちゃんがわたしを呼んだ。
「なーに?」
「制服は正しく着ないとね。」
そう言って、なっちゃんはわたしの制服の乱れを整え、最後に胸ポケットのところに「桜田」の名札を取り付けてくれた。
「はい、OK♪ これであなたは中学生になりました♪」
「中学生、か…。」
中学生という言葉を聞いて、ますますうぬぼれるわたしだった。
「あとは、名札のところに校章バッジが付けば、中学校に通うことができるからね。」
「早く中学校に行きたいな♪」
「まあ、今からその中学校に行くんだけどね。」
「今から行くの!?」
「そうだよ。調べた結果、その制服と名札の中学校が判明したからね。」
「なっちゃん、すごい!!」
「どういたしまして♪」
こうして、わたしたちは病院を出て、中学校に向かうのだった。






