これがわたしのからだ
病室に行くと、なっちゃんが待っていた。
「あっ、なっちゃんだ。」
「おかえり、桜田さん。異常なかったみたいだね。」
「うん。健康体だって。」
「よかったじゃない。」
「とりあえずは一安心かな。」
「そうだね。」
わたしの報告になっちゃんはとても喜んでくれた。
「そうそう、桜田さん。私は、これから警察署に戻らないといけないの。一人で大丈夫だよね?」
「…うん、なんとかなるはず…。」
「大丈夫だって、ここには看護師さんだっているから、なにかあれば呼べばいいんだよ。」
「そうだね。」
「あと、桜田さんの制服をちょっと借りるわね。警察署でちょっと調べたいから。」
「いいけど、わたしの着る服がなくなっちゃう…。」
「明日迎えに来るときには返すから大丈夫だよ。」
「それならいいよ。」
「それじゃ、また明日ね。」
「バイバイ、なっちゃん♪」
なっちゃんはわたしの制服を持って病室から出て行った。
「それじゃ、なにかあればナースコールでお呼びください。」
そして、案内してくれた看護師さんも病室から出て行った。
病室にはわたし一人になった。
「今日はここでお泊まりか…。」
一人になったわたしは、まず自分の姿を確認すべく鏡のもとへ向かった。
「これがわたしなんだ。」
鏡には一人の少女が映っていた。
肩くらいまである髪、胸の膨らみ、足の長さなどまじまじと自分の全身を眺めてみる。
「胸の膨らみ、どんなものだろう…。」
わたしは、無意識に着ていた病院服を脱ぎ捨て、上半身裸の状態になった。
そして、鏡を見ながら自分の胸を触って大きさを確認してみた。
「…結構、大きい…。」
照れながら、胸の膨らみが大きいことに喜ぶわたしだった。
脱ぎ捨てた病院服を再度着て、わたしはベッドの上で寝転んだ。
「わたしは、どこの誰なんだろう…。」
ベッドの上でいろいろ考え始めた。
わたしの名前、誕生日、家族の名前など、本当に判明するのだろうか?
いろいろ考えてるうちに、わたしは眠ってしまった。