なっちゃんのお母さん2
「…行っちゃった…。」
なっちゃんが出て行ってしまい、急に寂しさが増してきた。
すると、心配するかのようになっちゃんのお母さんが話しかけてきた。
「奈津子がいなくなったから、寂しくなったの?」
「…うん…。」
「奈津子はよくても、私じゃ嫌かな?」
「嫌ってわけじゃないけど、まだ慣れなくて…。」
「そうかそうか。確かに、会ったばかりじゃあたふたしちゃうよね。」
「…うん…。」
「さっきも言ったけど、すぐに心を開こうと頑張らずにゆっくり慣れていけばいいからね。」
「…わかった…。」
なっちゃんのお母さんにまで励まされてしまった。
「よし、おばさんも遥ちゃんのことをいろいろ知りたいから、リビングで話でもしようか。」
「うまく話せるかな?」
やはり、なっちゃん以外の人と話すのに少し躊躇いがあった。
「ほーら気を抜いて♪ 肩に力が入ってるよ♪」
そう言うと、なっちゃんのお母さんはわたしの肩を揉み始めた。
「なんだか気持ちいい…♪」
あまりにも気持ちがよかったので、つい声に出してしまった。
「気持ちいいならもっと揉んであげるよ。」
「ありがとう…♪」
結局、5分くらい肩を揉んでもらっただろうか。
「これで少しはよくなったかな?」
「とてもよくなったよ♪ おばさん、ありがとう♪」
「どういたしまして♪」
「…って、今わたし、おばさんって言っちゃった…。」
「いいよ。おばさんって呼んでくれて。」
「それじゃ、おばさんって呼ぶからね。」
「どうぞ。」
今ので、おばさんとの距離がかなり縮まった気がした。




