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自分探しの旅  作者: YUI
21/25

なっちゃん、警察署へ行く

「はいはい、カレーができたよー。」

「はーい。」

カレーができたようなので、わたしたちはテレビを消してテーブルに向かった。

「うん、カレーおいしい♪」

「よかったら、まだ残ってるからおかわりしてね。」

「はーい。」

なっちゃんのお母さんの作ったカレー、とてもおいしい。

あまりにおいしかったので、わたしはおかわりをしちゃった。

「あらあら、服のところにシミがついちゃってるじゃない。」

なっちゃんのお母さんに言われ、服を確認してみたら、へその辺りにカレーのシミがついていた。

「やっぱり、制服で食べなくて正解だったね。」

「なっちゃん、体操服だけど汚してごめんなさい。」

「まあいいよ。食べ終わったら、それを脱いで制服を着ればいいから。」

「うん…。」


ごはんも食べ終わり、再びわたしは制服に着替えた。

「ところで、これからどうするの?」

わたしは、これからの予定をなっちゃんに聞いてみた。

「ゴメンね。仕事で警察署に行かないとダメなんだ。」

「そうなんだ…。」

わたしは、ちょっとさみしい気持ちになった。

「夜には帰ってくるから、それまではお母さんといっしょに過ごしててね。」

「わかった。」

「もしかして、お母さんのこと苦手?」

「苦手じゃないけど、慣れてないから緊張しちゃうんだ。」

わたしは、思わずぽろっと本音を漏らした。

「大丈夫だって。遥ちゃんが心配するほどうちのお母さんは変な人じゃないから。」

「奈津子、なんか言った!?」

なっちゃんのお母さんは、今の話を聞いてたらしい。

「奈津子ったら、あんまり遥ちゃんに変なこと言わないでよ。」

「別に変なことじゃないのに…。」

わたしは、二人の会話を見てて少し心が和らいだ感じがした。

「遥ちゃん、安心してね。奈津子には厳しくいくけど、遥ちゃんには優しくするから♪」

「お母さん、それおかしいから!」

「いいじゃない。あなたはもう大人でしょ?」

「大人とか子供とか関係ないと思うけどね。」

「とりあえず、仕事だったら早く行きなさい。」

「わかったよ。」

お母さんに茶化される形で、なっちゃんは警察署へ行く準備を始めた。

「遥ちゃん、ちゃんと夜には帰ってくるからね。」

「うん、わかった。」

「それじゃ、行ってきます♪」

「いってらっしゃい。」

なっちゃんは、仕事のため家を出ていった。

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