なっちゃん、警察署へ行く
「はいはい、カレーができたよー。」
「はーい。」
カレーができたようなので、わたしたちはテレビを消してテーブルに向かった。
「うん、カレーおいしい♪」
「よかったら、まだ残ってるからおかわりしてね。」
「はーい。」
なっちゃんのお母さんの作ったカレー、とてもおいしい。
あまりにおいしかったので、わたしはおかわりをしちゃった。
「あらあら、服のところにシミがついちゃってるじゃない。」
なっちゃんのお母さんに言われ、服を確認してみたら、へその辺りにカレーのシミがついていた。
「やっぱり、制服で食べなくて正解だったね。」
「なっちゃん、体操服だけど汚してごめんなさい。」
「まあいいよ。食べ終わったら、それを脱いで制服を着ればいいから。」
「うん…。」
ごはんも食べ終わり、再びわたしは制服に着替えた。
「ところで、これからどうするの?」
わたしは、これからの予定をなっちゃんに聞いてみた。
「ゴメンね。仕事で警察署に行かないとダメなんだ。」
「そうなんだ…。」
わたしは、ちょっとさみしい気持ちになった。
「夜には帰ってくるから、それまではお母さんといっしょに過ごしててね。」
「わかった。」
「もしかして、お母さんのこと苦手?」
「苦手じゃないけど、慣れてないから緊張しちゃうんだ。」
わたしは、思わずぽろっと本音を漏らした。
「大丈夫だって。遥ちゃんが心配するほどうちのお母さんは変な人じゃないから。」
「奈津子、なんか言った!?」
なっちゃんのお母さんは、今の話を聞いてたらしい。
「奈津子ったら、あんまり遥ちゃんに変なこと言わないでよ。」
「別に変なことじゃないのに…。」
わたしは、二人の会話を見てて少し心が和らいだ感じがした。
「遥ちゃん、安心してね。奈津子には厳しくいくけど、遥ちゃんには優しくするから♪」
「お母さん、それおかしいから!」
「いいじゃない。あなたはもう大人でしょ?」
「大人とか子供とか関係ないと思うけどね。」
「とりあえず、仕事だったら早く行きなさい。」
「わかったよ。」
お母さんに茶化される形で、なっちゃんは警察署へ行く準備を始めた。
「遥ちゃん、ちゃんと夜には帰ってくるからね。」
「うん、わかった。」
「それじゃ、行ってきます♪」
「いってらっしゃい。」
なっちゃんは、仕事のため家を出ていった。




