召喚アイテム?
手だとホラーですが、まるごとですね。
姉のアパートに行くと、オブジェが増えていた。
「姉ちゃん、これヤバくね?」(-_-;)
下駄箱の上に、何処かで見た看板が立て掛けてある。
いらっしゃいませ~
裏を見ると、[準備中]
「姉ちゃん、又、お店の人に迷惑を」
食料配達兼生存確認の為に、ずぼらな姉の元へ通う。
その度に、新しい不思議発見をする。嬉しくない(-_-)
クイズ番組並に、奇妙な物体が見れて心臓に悪い。
まだ、一応警察のお世話にはなっていない。はずだ。たぶん…
持って帰っちゃってるブツは、お店と直談判してるらしい。もちろん、正気ではないので大枚を叩き、無用のブツを持ち帰る。
「姉ちゃん聞いてる〜?」
親から変死体になってないか、見てこいとアパートの鍵を預かる弟。そして、変死体になりかかっている姉の第一発見者。
一応ベットの上で倒れ伏している干物の息を確かめる。
昨日は仕事帰りに潰れたようだ。(´・ω・`)
食料を冷蔵庫に詰めつつ、掃除をする。
親からは、すでに駄賃はもらってある。毎週末のアルバイトである。姉のズボラに感謝。
大体、金曜日に残業して、酒飲んで土曜日が潰れているという感じか。
彼氏にフられて以来、この生活が続く。
そして、哀れ干物ができあがりつつある。
洗濯機を回し、さわやかな土曜の午後の風を部屋に入れる。
淀んだ臭気に耐えられなかったのもある。
手当たり次第にゴミを集めて袋に詰める。
布団も干したいが、姉がうつ伏せで寝たまま動かない。
息はしてる。
「姉ちゃん、上着だけでも脱ごうよ〜」
ヨレたスーツで寝る姿は、どう見ても変死体である。
おまけに、今気がついたが、何か抱えている。
どうやら、他にもオブジェをゲットしているらしい。
つーか、抱き枕ぐらいにしといてほしい。
のぞき込むと、左手に大きな将棋の駒があった。
高さ50センチぐらいの王将だ。
店の飾りを持ってきたのかよ。(-_-;)
呆れていると、なにやら魘されている。
「うぅいきてるってば..めがみぃくさってんじゃないよぅ..あぁ、さいしょからくさってる..ぞんびぃ」(;>_<;)
拗れた夢を見ているようだ。(´・ω・`)
一番最近の別れた彼氏と映画でも見ているんだろうか。
ゾンビ映画祭りとかいって折角の休みに一日中ゾンビ映画見せられた彼氏。元気かな。あの人、いい人だったのに。
上着を脱がそうと転がすと、王将と反対側の手にもオブジェがあった。
「ん?なんだこれ、ヌイグルミとか、ははっ珍しく可愛い..くないな、なんだこれ、まるで..サルの」
猿のミイラ?(´・ω・`)
「猿のミイラぁぁぁぁぁ!」((((;゜Д゜)))
絶叫した。
マジで、俺、高校三年にもなってチビるかと思った。
起き出した姉に正座をさせると、その小さな猿のミイラを前に説教した。
要約すると、
何でも拾ったり、持って帰ってきてはいけません。
生き物も駄目だけど、ミイラも駄目。
つーか、そもそも、どっからミイラをくすねてきたの!!
そして、姉ちゃんの答えは
記憶にございません。(ー_ー;)
その日、一日をかけて姉のアパートを掃除した。オブジェどもは、すべて捨ててやった。後悔はない。
ただ、次の週に再び差し入れをしに行ったら、下駄箱の上にオブジェがあった。
「何故に、猿のミイラあげいん?」(´・ω・`)
猿のミイラを前に暫し悩む。
猿のミイラが戻ってきたよホラー?
って驚くか、猿のミイラを又、何処かの店で掴んでくる姉のアホさに恐れおののくか。
それとも、猿のミイラが普通に並ぶ店ってあんのかよ?
の、どれにするかに迷う。
結局、猿のミイラは下駄箱の上にある。
あまりの不気味さに、防犯になると姉は喜んでいるが、男運も消えたと思う。