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序章

とある研究所にて


毎日マッドサイエンティスト気取りで謎の研究に没頭している博士がいた。


名は氷室才賀


才賀の思想は周りの人には意味不明すぎたため、研究所内では浮いていた。


「またなんかやってるよあの博士。ほんといいかげんにして欲しいわ」


そんな声が聞こえてきたが、才賀は無視した。


日常茶飯事だったからだ。


「ふん。俺よりはるかに知能の劣る下級生物め。」


そんなふうに小声で罵倒し、研究を続ける。


才賀の目標は究極生物を作ること。


寿命に支配されず、時間に支配されず、重力にも支配されない生物。


そんな存在を作ることこそが、才賀の目標だった。


そして、研究は最終段階まで来ていた。


もうすこしで研究が終わる・・・・。


そう思った次の瞬間だった。


「氷室、才賀だな?」


見知らぬ男の声。


ちらっと横目で見てみると、黒づくめだった。


「お前、だ・・」


パン!パンパンパン!


「な・・・・・・!?」


氷室才賀は驚いた。


驚くのも無理はない。


彼はいきなり撃たれたのだ。


「いい忘れていた。動くと撃つ。喋っても撃つ」


そういうことは先に言ってくれ!と言いたかったが言えなかった。


「我々の要件は、ただ一つ。この研究室を明け渡してもらおうか。君が

どんな研究をしているかは調べがついている。君が研究している究極生物

とやらは、我々が引き継いであげよう。だから、君には今すぐ、ここからお引き取り願おうか。」


言うが早いか、黒づくめの男はあろうことか、窓を開け、才賀を持ち上げて、建物の外へと放り投げた。


ドスン!


怪我を負っていて抵抗ができなかった才賀は投げられ、地面に落ちる。


「うぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


あまりの痛みに、氷室才賀は気絶した。



「では、さらばだ。明け渡してくれて感謝するよ。氷室才賀くん。君とはもう二度と会うことはないだろう。って聞こえていないか。」


ギイイイ。バタン。


「おい。」


黒づくめの男は部下を呼び、


「外の氷室才賀をどこか遠い、辺境の地に捨ててこい。」


「は!」


と言ったあと、おもむろに、電話をかけ始めた。


「氷室才賀の研究所を奪取した。氷室才賀をどこか遠い、辺境の地に捨てろとの命令なので、今すぐヘリを飛ばしてくれ。」


ー1時間後ー


「ブロロロロロ」


ヘリが到着した。


「こいつが氷室才賀ですか?」


「そうだ。」


「ではこいつをどこかへ捨ててきます。」


「頼んだぞ」


ヘリの操縦手は、氷室才賀をヘリの中に放り投げる。


「では行ってきます。」


ブロロロロロロロ


そして数時間が立ち、ヘリはどこかの地に上陸した。


「覚えてるか?氷室ォ。てめえのせいで、俺はこんな人生になっちまってんだ。」


そういうと、乱暴に才賀をヘリから降ろし、その男は去っていった。


「・・・・・・・。行った・・・か・・・・。」


氷室斎才賀はよろよろと立ち上がった。


「く・・・くく・・・・。あい・・つ・・ら・・。俺が・・気絶したふりをしていたとも・・知らないで・・・、行っちまいやがったぜ・・・。馬鹿どもが・・・・・!盗られて・・いなけ・・れば・・・、ポケットに・・・非常用に・・・持ち・・歩いてた・・・、プロトタイプが・・・あった・・・はず・・だ・・。」


才賀はプロトタイプの薬を、口の中に放り込んだ。


「人体に投与するのは初めてだから、効果は保証できないが、背に腹は変えられん。」


・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・・・


「何も起きんな。ふん。失敗か。まあ、プロトタイプだからな。」


目に見える変化はなかった。


しかし、彼の細胞は、その薬の効果でどんどん人以外のものとなっていく。


およそ一時間程度で、細胞の変化は完全に完了した。


彼は人間では・・・

なくなった。


彼が自信の変化に気が付くのは、もうすこし後のことである。

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