甘い夢(?)
「―――リョウ」
「………」
「リョウ」
「……ん?」
「どうか、そのまま…」
「だ、れ…?」
「私は、あなたに想いを寄せる者…」
「え…?」
「あまりに想いすぎて、あなたの夢にまで来てしまいました…」
「――――アキラ?」
「? 誰、ですか? ……ああ。あなたの好きな人なのね…」
「い、いや、違うぞ!」
「私は、その人にそっくりなのね…ごめんなさい」
「あ、待っ――」
「いやもう、お前にそっくりなの。ビビッたよ」
「へぇ、そう」
「これって絶対お前のせいだ。いっつも変なイタズラするから、夢にまで出てきたんだ」
「なら、良い成果だ」
「何が成果だ。なんなワケ?」
「面白いワケ」
「アーキーラー」
「ははっ――――!?」
「? どうした?」
「リョウ…」
「なんで女の声で呼ぶ、んだ……」
「私を覚えてくれていますか?」
「……芝居?」
「私は真剣です」
「いや、わざわざ女の声にしてんのが嘘っぽいし」
「…やっと見つけたの。私にそっくりな方…とても便利ね。私の声で喋ることができるもの」
「―――……マジなの?」
「あなたは今、起きているでしょう?」
「う…」
「…私の元に来て、リョウ。私は、あなたを想いすぎて狂ってしまいそう!」
「じゃ、じゃあ、他人の身体なんか利用しないで、自分で来いよ!」
「ひどい! それができないから、こうして……!」
「ぅ、わっ、泣くなよ〜。とにかく、アキラを返せよ」
「…私よりも、大事なの?」
「それ、普通なら答えらんないけど…大事だよ。最高の親友だ」
「…妬けるわ………生きているうちに、あなたに会いたかった…」
「……」
「さようなら。親友を大事にしてあげてね」
「ん。さよなら…」
「大丈夫か、アキラ?」
「…どうして俺は道で寝ているんだ?」
「…覚えてないのか?」
「何を?」
「なら、いーよ」
「なんだ?」
「へっへ〜」
「お前、変だぞ」
「変なのは、アキラだってーの!」
「リョウ! 一体何があったんだ!?」
「ひみつー♪」
「リョウ! ………」
『…大事だよ。
最高の親友だ』
「…バーカ」
俺は照れ臭く、小さく洩らした。
(?)は要らないかもしれませんね…