表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

甘い夢(?)

作者: 霜月黎夜



「―――リョウ」

「………」

「リョウ」

「……ん?」

「どうか、そのまま…」

「だ、れ…?」

「私は、あなたに想いを寄せる者…」

「え…?」

「あまりに想いすぎて、あなたの夢にまで来てしまいました…」

「――――アキラ?」

「? 誰、ですか? ……ああ。あなたの好きな人なのね…」

「い、いや、違うぞ!」

「私は、その人にそっくりなのね…ごめんなさい」

「あ、待っ――」



「いやもう、お前にそっくりなの。ビビッたよ」

「へぇ、そう」

「これって絶対お前のせいだ。いっつも変なイタズラするから、夢にまで出てきたんだ」

「なら、良い成果だ」

「何が成果だ。なんなワケ?」

「面白いワケ」

「アーキーラー」

「ははっ――――!?」

「? どうした?」

「リョウ…」

「なんで女の声で呼ぶ、んだ……」

「私を覚えてくれていますか?」

「……芝居?」

「私は真剣です」

「いや、わざわざ女の声にしてんのが嘘っぽいし」

「…やっと見つけたの。私にそっくりな方…とても便利ね。私の声で喋ることができるもの」

「―――……マジなの?」

「あなたは今、起きているでしょう?」

「う…」

「…私の元に来て、リョウ。私は、あなたを想いすぎて狂ってしまいそう!」

「じゃ、じゃあ、他人ひとの身体なんか利用しないで、自分で来いよ!」

「ひどい! それができないから、こうして……!」

「ぅ、わっ、泣くなよ〜。とにかく、アキラを返せよ」

「…私よりも、大事なの?」

「それ、普通なら答えらんないけど…大事だよ。最高の親友だ」

「…妬けるわ………生きているうちに、あなたに会いたかった…」

「……」

「さようなら。親友を大事にしてあげてね」

「ん。さよなら…」



「大丈夫か、アキラ?」

「…どうして俺は道で寝ているんだ?」

「…覚えてないのか?」

「何を?」

「なら、いーよ」

「なんだ?」

「へっへ〜」

「お前、変だぞ」

「変なのは、アキラだってーの!」

「リョウ! 一体何があったんだ!?」

「ひみつー♪」

「リョウ! ………」



『…大事だよ。

 最高の親友だ』


「…バーカ」

 俺は照れ臭く、小さく洩らした。



(?)は要らないかもしれませんね…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] はっはー。また読みました。 短編って面白いものもあるんですね。 いままで、つまんないのかと思ってましたよ。
2008/03/09 00:43 退会済み
管理
[一言] 短編で、言葉だけなのに頭に場面が見える内容でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ