表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

国が滅びたので王子は孤独に生きるようです(テスト投稿)

作者: 久坂イリス

※本作品はなろう初心者な作者のテスト投稿です


2回目更新済み もしたまったら連載に分割投稿します

夕焼けの赤がその森を照らす、ところどころ開けており人の手が入ったことが分かる

この森、ウェスタット大森林は大国4国の中央に位置する。魔物と野生生物の領域だ

その極々浅いところ、ヘイオ王国のサディス町からほど近い森の中で小鳥のさえずりとともに忘れられてしまうような冒険者たちの話し声が聞こえてくる


「おい、お前バカなのか?それは毒草だぞ」


青年冒険者のテオールは静かに、そして嘲るように自分の後輩であろう男に声を掛ける


なお二人に面識はない


若い男の冒険者は横にいる女の子にバツが悪いのか不貞腐れた顔をする

「これ薬草じゃないのかよ..それにしてもバカはないじゃないか!」


「何を言ってる、薬草と似た毒草の見分け方は依頼を受けた時にギルドが教えてくれるだろうが。葉の裏を指でこすってみろ。素手でやるなよ、手袋でな。俺はもう行く」


「さっさといけよ!自分の無知は認めるけど・・嫌な奴だな!」


テオールはふっと笑って振り返り、街へ戻る


テオールという青年は勘違いされやすいし孤立しやすい

そして目立ちたくない・・いや正確には“目立ってはいけない”と自身に誓いを立てている


なぜなら彼は亡国の王子なのだ

その隠している身分を知られてはいけないし探られてはいけない

露見すればたちまちに捕らえられる可能性があるからだ


テオールは生まれながら高貴な身分であったため尊大に人に接する。

また将来は王になるという責任と義務があったため多くのことを勉強してきた

薬学を頭に叩き込み、魔法や武術の才に恵まれたため一人で大抵をこなすことができる


彼が国を離れて冒険者としてやってくことは苦ではなかった


その証拠に「一人でいれば死ぬ時だって一人で済む」という考え方が根付いてもう数年が経つ


冒険者稼業は一人で多くの困難に立ち向かわなければいけないが、テオールにはその強さ故に一人であってもそれらしい危機という危機がなかった


一人を強く望む原因は・・亡国にはよくある話だろう

テオールを逃がすために多くの人が死んだのだ

それも親しい人々が


だから彼はギルドで冒険者として、そこそこの仕事をしながら守ってもらった命をいたずらに消費しないよう、日々を細々と安穏に過ごそうと決めている


しかしあふれ出る才気と一般人とかけ離れた思考と判断で多くに巻き込まれてしまう


その物語をしばらくの間お楽しみいただきたい


~~~


ギルドの精算所に到着し、いつものように声を掛ける


「ツキ、精算してくれ」

「はいはい、お任せあれ~」

適当な豚魔獣の肉と牙そして魔物が消滅したときの魔石、毛皮そしてランク証明書を受付嬢のツキに渡す

「ブルーオークですか・・あまり強いモンスターの素材は持ってこないように言ったじゃないですか。それに自分で手際よく捌いちゃってますし、かばえなくなりますよ?私でも」


ギルドの受付嬢であるツキは年は16で体は貧相、顔は悪くないと思う

考えている時や驚いた時に目を大きく見開く癖があってその点は密かに愛らしいと思っている


しかしこいつは小悪党で俺とある契約を結んでいる

静かな声でテオールはツキに顔を近づいて囁く


「そいつは困るなぁ・・その豚の精算分の半分は持ってていいぞ」


「半分!?多すぎますよ、ただの軽口だって分かってるじゃないですか」


「ふん、近いうちあいつの誕生日じゃないのか?剣を欲しがってただろう、買ってやれ」


「あ・・いつもありがとうございます!しっかりとそれなりに評価をしておきます。ランクはまだあがらないでしょうね!」

小狡い笑顔を見せてくれる


ツキと俺が結んだ契約とはランクを上がらないように評価をそれなりに隠ぺいしてもらうにする代わりに素材の報酬の一部を俺の匙加減でツキに渡すというものだった


ツキは孤児院の出身で、その孤児院の管理者が大病を患い少し値が張る薬を常用しなければいけなくなったためお金が必要となり冒険者の報酬の僅かな部分をくすねてその薬の購入に充てていた


それを俺が偶然にも発見し、この契約を持ちかけたというわけだ

俺は目立ちたくない、ツキは金が必要というシンプルな関係だ


実は薬の分の貯えはできたためツキ側は契約をする必要が無くなっているのだが孤児院にはお金が必要であること、また俺という人間に少しだけ信を置いてくれてるのか契約を継続してくれている


まあ正直こいつには感謝しかない。直接は言わないがな


冒険者の上位ランクはマスター・ダイヤモンド・SSS・SS・S・A+・A-

とされており、上位ランク者は国からの依頼要請やギルドからの強制依頼が発生する

中堅のB+からD+までは突発的で緊急な混乱などがあった場合にギルドからの強制が発生する場合があるが基本にはそういったものはない


つまりランクが上がれば上がるほど面倒な依頼が増えるし、国やギルドを深く関わり合うため自分の「亡国の王子」という立場が露見する可能性もあがってしまうということだ


「テオールさん、あのですね・・孤児院の子たちが会いたい、遊びたいと言ってまして近い内これませんか?」


またか、何度いけば満足するんだあいつらは

元気いっぱいなガキどもと病に伏したばあさんに何故定期的に会いにいかなきゃいけないんだ


「俺は人と必要以上に馴れ合わないと言っただろ?気が向いたらな」


話している最中に精算が終わったのかコインが入った袋とランクEーと書かれたランク証明書をズイッと俺に渡しながら一言

「はいはい。では明日、よろしくお願いしますね!」


こいつ話聞いてるのか?しかし明日とか言ってやがる・・

こっちの予定も聞かないで

まあ行ってやるけどな、仕方なく


孤高な男のきまぐれだ


~~


次の日の昼頃には孤児院に到着した


町外れにあり、町の中心からは歩いて20分ほどはかかる、そして森からも近く立地は良いとは言えないだろう


建物は古くなり廃棄されていた教会を修繕して作られているが石造りで頑丈そうだ


孤児院の正面には花壇が、裏には薬草園があり施設の子どもたちによって管理されている


どちらも規模はかなり小さく、管理も行き届いているとは言えないが素人がやったにしてはそれなりのものだ


薬草園に関しては俺が管理について教えてやった。王子だった時の教育の賜物だな


建物内はどこぞの宗教の古ぼけた神像が飾られており、ツキや子どもたちの手によって像も施設も清掃されているのでそこはかとなく荘厳な雰囲気がある


扉をゆっくりと開けて軽く挨拶する


「チビども、元気にしてたか?」


「「テオだ!!!」」


双子の小さな女の子、リィナとリィルはテオールに興奮して突進してくる


テオールは持ってきた差し入れを適当な場所に放り、勢いよく抱きついてくる双子を同時に腕に抱え込み、片手ずつで持ち上げ遊んでやる


そんなことをやっている間にも他の子どもたちは矢継ぎ早にテオールに話かける


歳は10に足らない少年、いつもハツラツとしているヒムは

「テオ!今日も剣術教えてくれよ!」


孤児院最年長になる13の少女、最近髪を伸ばしはじめたフウリは「テオさん、いつもありがとうございます・・お荷物預かりますね。ツキ姉も後からくると思います」


いつもの光景にフッと軽く息を吐いて、ついでの用事を済ませてしまうために去年より重くなった双子を床に降ろす


残念そうな顔をするな・・また後でしてやる。仕方無いな


「ここにくるといつも騒がしいな。フウリ、マズラばあさんはいるか」


「テオさん毎度のことですけどぶっきらぼうなフリして礼儀正しいですよね。来た時いつもお母さんに挨拶にいってる・・」


「何を言ってる。大人になって他人がどこかを訪ねる時は偉い人に挨拶しとくのが礼儀だ、覚えておけ」


「他人?他人と友人と家族ってどうやって見分けるんだろう」


少し難しいことを言ってフウリは首をかしげる


フウリはなんでも考え込む癖があり、読書も好きで薬草の栽培も俺から教わっている。


時折ではあるが思考の海に溺れる癖があり、こうなるとしばらく帰ってこない


「つまりテオさんを恋人にするのはどうすれば・・」


・・ものすごいスピードでとんでもない飛躍をしているようだが、まだ考え込んでいるので放置する


「フウリ姉はまたなんか考え出したし、俺に剣術教えてくれよ!言われた素振りは毎日やってるんだぜ!瞑想も・・たまにやってるし」


「ヒム、土産にアップルパイ持ってきてるからチビ共と食べてろ。ばあさんに挨拶終わったら付き合ってやる」


「わかった!食べたら準備運動もしとくね!魔法も教えて!」


「俺から一本とったら魔法は教えてやると言ってるだろうが」


「それっていつになったら教われるんだろう・・」


しょんぼりしながらもアップルパイを探して、俺の置いた荷物にヒムは飛びつく


食べ盛りだからな、素直なものだ


ちなみに魔法はまだ教えないけどな・・とはいっても基礎はすでに教えている


つまりヒムは基礎以上を教えてくれとせがんでいるのだ


だが軽々に教える訳にはいかない


応用的(本格的)な魔法の運用には当然リスクがある


失敗した時の反動を考えるとまだヒムに教えるのは早いと思っているが・・俺が心配性なだけか?俺は3歳の時には教えられたしな


「つまりテオさんを母さんに認めてもらえばいいのかな・・でもツキ姉の気持ちは?ツキ姉だって多分・・」


フウリは・・まだ考え込んでいるようだ


みんなそれぞれ逞しいなと感心する


この孤児院に引き取られたこども達は施設長であるマズラとは最初は他人だったが今では“お母さん”と呼ぶ家族だ


孤児院出身というのは世間的に特段珍しくはないことではあるが、一般的には特殊であり色眼鏡で見られることもある


しかし、施設長マズラの教育を受けてる甲斐があってか、そこらの子どもよりフウリやツキは礼儀正しく振舞うことができるし、教育もされている



無事に成長し、もしここを出ることになってもなんとかなるだろうと思っている


俺はあくまで孤独に生きていく他人だからこの施設の行く末や子どもたちに興味はないが・・


気付けばいつものようにドタドタと双子は走り回る


「オイ!チビども!そんなに走り回るな!ケガするだろうが!」


改めて興味はないが・・「おい!へんなとこにぶら下がるな!ヒム!ちゃんと双子みとけよ」


興味はないが・・こいつらは素直で元気なやつらだ


こういう子どもはすくすくと育たなければいけないと思っている


神なんぞは信じてはいない俺ではあるが、この教会モドキの場所に免じてガキどもの健康を祈るくらいはしてやってもいい


そんならしくもないセンチなことを考えながら、施設長であるマズルの部屋をテオールはノックする




ここまで見てくれた方は評価してくれると嬉しいけど、なろうへの投稿初めてでどう評価するのか知らないから説明できないぞ!


なろう初めてのテスト投稿なので続きは期待しないでくれ!すまない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ