夜と黒
ねえ、みんななんで生きてるの?
別に生きる理由なくない?
積極的に生きる理由も積極的に死ぬ理由もない。
したいこと?山ほどある。
ほしいもの?別にない。
ただ毎日を生きるのがめんどくさい。
誰かと比べたいわけじゃない。でも、視界に入るじゃん。
たとえばさ、焼肉屋さんの前を通ったらいいにおいするじゃん。
で、中には楽しそうな人たちがご飯食べてる。
別に意識して匂ったわけでも見たわけでもない。
無意識に意識の中に入ってくるんだよ。
楽しいそうな誰かと、すべてを恨んでる私。
私がこうなったのはすべて誰かのせいと考える私。
でも本当は気が付いている。
全部私のせい。
私が悪い。
この絶望しか見えない世界に、夜の空が明るく見えるほどの黒い世界に一縷の希望すら持てずに。
すべてを私の色で染めてやる。
夜へようこそ