泣き別れ
生首、ころり。
罪と 罰とは 抱き合わせ
咎のない背中に
負わせるべき重さなどなく
白と 黒とを 抱き合わせ
互いに貌を叛けて
灰色に混じるのを拒む
毒と 皿とは 抱き合わせ
舌鼓をうつなら
膨れた肚が痛むのもやむなし
嘘と 方便 抱き合わせ
正直は舞台袖
出る幕を逃して立ち尽くす
責めと 赦しが 泣き別れ
疵のない脛に
赤錆の浮く枷を嵌める
表と 裏とが 泣き別れ
裂かれた断面に
名前など誰がつけようか
胴と 首とが 泣き別れ
力の抜けた四肢は
我がものとはまるで思えず
これで この世と 泣き別れ
転がりつつも目に灼きつけた
見納めの風景には 色も 音も 香も失せ
昔のロボットアニメみたい。
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