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その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第一章 解雇された英雄
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02話 飛ばされた英雄


俺の名前はフレデリック・ショパニ。

王様を守る雇われの騎士。

特にあの〝ソーレント戦役〟での活躍は近々英雄譚として発刊されるレベル。

移動は馬。

召使いの女が3人。

ちなみに恋人は持たない主義だ。

なぜならハーレムがあるからな。ムフフ。


俺はそんな事を脳内で語りながら

見たことのない天井を見ていた。

視界に男の顔が現れる。



「おい!生きてるぞ!」



その言葉の後、次々と俺の周りに人が集まる。

そして俺は身体の感覚を取り戻す。

どうやら眠っていたようだ。

起き上がる。

小さな部屋に俺と、数人。



「ここは・・・どこだ?」



俺の問いに男が答える。


「ここはハモニク村・・・」

「ハモニク!?」


ハモニク村???

ええっと・・・思い出せ俺。

俺の住んでいる家から・・・王都から南西に向かって・・・

馬車で10日ぐらいはかかる場所にあったはず・・・

この国の最果ての村だぞ?



≪ムジーク王国ー南西部ーハモニク村≫



「な、なぜ俺はここに?」

自分でも何故ここにいるのか

咄嗟に思い出せない。


「何言ってんだアンタ!アンタは空から飛んできたんだよ!」

「そぉ、空から?」

「ああ!本当なら死ぬ所だったんだアンタは」



男の話によると

俺はこの村の上空から現れ

村に落ちてきたのだと言う。


後ほど連れて行かれた村のなんて事のない道に分かりやすい俺の人型の穴が出来ていた。



「で、俺、生きてるわけ?」

信じられない・・・そんな顔を見て男が口を開く。

「俺たちだってビックリさ!空高い場所から落ちて死なないだなんて!凄いよアンタ!」


その時、髭を生やした男が現れた。


その男の登場により

周りの人間が敬意を表して静まり返る。

それだけでこの髭男が偉い者である事が分かった。


「何故、生きているのか・・・知りたいかね?」

「ああ」

「俗に言う〝主人公補正〟というやつだな」

髭男は訳のわからない事を言い出した。


「シュジンコウホセイ?」

「そうだ。主人公にパワーや生命力の補正に強化がかかるという、創作にありがちなソレだ」

「そ、創作にありがちなソレ・・・」



何故か理解してしまう俺がいた。

確かに死んでしまったら1話で打ち切りだ。



そして、俺は少しずつ思い出していた・・・

そうだ、俺は・・・

国王に呼び出されて・・・

雇い止めを喰らって・・・

ツヨシとかいう男に立ち向かい・・・




ーー回想ーーー




「・・・それじゃ、お構いなく・・・」


ツヨシの構えは独特だった。

やる気のない感じが逆に様になっていると言うか・・・

とにかくツヨシがその台詞を発すると、彼を中心として床に光る青の魔法陣的なものが展開された。


俺は非現実的な光景を目の当たりにするが、一切動じない。変わらず剣を構えツヨシが間合いに入るのを待っていた。


ツヨシは右手をグーして、パーすると

これまで体験したことの無いような風圧が

足元から吹き荒れた。


その風は俺の身体を真上に吹き飛ばした。


俺の身体は城の天井をぶち破り天高く飛ぶ。

見る間も無かったが

王都の建物たちが小さく見えた。


とても、高い場所に飛んでいたのだ。


鳥ってこんな感じの目線なのか・・・

そんな事を思いながら・・・

次は横殴りのよく分からないパワーで

飛ばされていた。


そこからは、明確な記憶はない。

空高く飛ばされた俺はこのハモニク村に落下したのだろう。




ー回想おわりー




俺はこれまでの話を髭の男に話した。

髭の男はこの村の村長だった。



「なるほど。その男はおそらく、異世界からやってきた者で・・・〝チート〟使いであろうな」

「ちーと?」

「ああ。努力無くして手に入れる事の出来る魔法のようなものだな」

「ま、魔法ですか・・・」


馬鹿げている。

そもそも魔法というものでさえ

御伽噺であるというのに・・・

私が剣技を身につけるために努力をしたように

魔法だって仮にあるのであれば鍛錬が必要だろう。

しかし、チートというものは

鍛錬も必要とせず手に入れられる力なのか?


認めるものか・・・


「村長、異世界とか、ちーと、とか、よく分からねーよ、俺」


「ワシも分かってはおらん。しかしなぁ、この村にもかつて、イセカイからやって来たという少年がいたのだ」


「え?まじかよ!ソイツは今どこに?」

「分からん・・・噂では隣街のサクスで悠々自適と暮らしているらしいが・・・」

「村長!ありがとう!サクスに向かってみるよ!」



・・・もし、俺の座を奪ったツヨシと同じ様な奴がいるのなら、ソイツには会っておきたい・・・


情報が欲しい。


ちょっと格好は悪いかもしれねーが

ツヨシに再戦するつもりでいる。

その為にはあの滅茶苦茶なクソ坊主の情報を集めて、攻略法を見つけねーとな。


それで、ツヨシに勝って

再雇用してもらわないと。



俺の地位!名誉!

そしてハーレムの為に!





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