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【不死の力で世界最強】永遠の魔法  作者: ららららら
第1章 カイル
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襲撃者



カイルの問いに対して、ケビンとライクは言葉に迷う。

彼らにとって、カイルの質問は単刀直入なものであった。



・・・2人は、明らかに僕に教会に対する敵意を持たせようとしている。



そう考えたカイルは、2人の真意を聞き出そうと質問を投げかけていた。

それを受けた2人は、まだ確信に乏しいため、本心を明かすことはできないでいた。



奴隷の話によりカイルからの反応は確かにあった。

それを手応えと呼んで良いのか、ケビンとライクは判断に迷う。

正直に告げることで、カイルが厳しい反応を見せれば、最悪の場合は敵対することとなる。




「・・・グランビニアは教会に属する国だ」


カイルの質問に対して、言葉を紡いだのはライクだ。

彼の言葉から、ライクとケビンがなぜこんな話をしてきたのか、カイルには合点がいった。

順序立てて話そうと考えるライクだったが、そんな彼の考えをカイルは無視して、話を強引にスキップする。




「グランビニアを救うなと、そう言いたいんですか?」

「っ」


ライクは一気に話が飛んだことで、カイルの次の質問に対する返答を失う。

「そうだ」と告げて良いものかと迷う。


しかし、そんな慎重さを見せるライクに反して、ケビンは一気に踏み込んだ。



「・・・その通りだ。サバアから大勢の人間を連れてきて奴隷にしている国の1つがグランビニアだからな!」

「グランビニアに恨みを持つ国は多い・・・帝国に限らず・・・多い」


「・・・」


ケビンとライクの言葉にカイルは納得感があった。

ローザが教会を頼りにするということは、少なくとも、教会がグランビニアを助けてくれるような間柄であるということだ。

カイルはスヤスヤと寝ているローザを見る。

彼女が起きていないかどうか確認するためだ。



・・・教会が非道なことをしているのは事実だろう。

ケビンさん、お父さんが嘘を言うとは思えない。

それに、ライクさんの表情が嘘だとは思えない。



「・・・でも、ローザさんが悪い人には思えないんです」


カイルは思い出す。

村の人々や国民を案じているローザの姿は、まさしく国を率いる人の器を感じる光景であった。

器用だとか、能力があるという訳ではなく、根本的な人としての部分の話である。



「君は・・・ローザ姫の奴隷ではないのか?」

「ち、違いますよ!」



ライクの言葉にカイルは慌てて否定する。

すると、ケビンとライクは顔を見合わせて、非常に怪訝な顔をしていた。


「そういえば、確かにカイル君には敬語で話していたな・・・」

「ああ、奇妙だと思っていたんだがな」


「そもそも黒髪の奴らが多いサバアなんてあったか?」

「聞いたことも見たこともない」


「だが・・・カイルは自分を奴隷だと認めてたよな」

「うむ」



そう小声でボソボソと話すケビンとライク

急にケビンがカイルへと問いかける。



「・・・なぁ、カイル」

「はい?」

「グランビニアがサバアを侵攻し、大勢の人間を奴隷としているのは事実だ」


ケビンの重い声色にカイルは胸が締め付けられる気がした。



「・・・」

「ローザちゃんはそんな国の姫だ。直接ではないが、加担しているのは確かだぜ」

「・・・そうかもしれないですね」



カイルは頷いてケビンの言葉に応える。


「それでも・・・ローザちゃんを助けたいか?」


ケビンはまっすぐとカイルの瞳を見つめる。

そこには、カイルを操作しようという意思はなく、単純に想いをぶつけているような真摯さがあった。



「・・・助けないと、いけないんです」


カイルは、ただただ、そう答える他なかった。



そ返答にケビンは言葉に詰まる。

ここまで話して、まさか断られるとは思っていなかったようだ。

そんなケビンの代わりに、今度はライクが続ける。


「どうしてだい?」

「・・・話せません」

「その理由は・・・君の意思とは無関係なことということだね?」


ライクの言葉に、カイルは少し考えると頷いた。



「・・・私達なら、君の意思を尊重できる。どうか手助けをさせてもらえないか?」

「そ、それは・・・お気持ちはありがたいのですけれど」

「カイル!頼む・・・俺達に手助けさせてくれ!」


「・・・えっと」



何と説明して良いのかわからないカイル

言葉に詰まっている彼を前に、ライクはケビンの方を見る。

すると、ケビンは少し迷った素振りを見せた後で、コクリと顎を引いた。




「グランビニアがこのまま滅びることは、ローザ姫を助けることにもなるんだ」

「え?」


いきなりのライクの言葉に、カイルは口を大きく開けて呆然とする。



「グランビニアが行っている凶行・・・教会の悪行を・・・ローザ姫は知らないはずだ」

「ま、待ってください!どうして・・・そう言い切れるんですか?」


「ローザ姫も・・・サバアから連れてこられた1人の人間なんだ」

「・・・お姫様ですよ!?」


「宝玉・・・神具のことは知っているはずだね?」

「・・・ええ」

「彼女は、宝玉の適・・・」



ライクの言葉が、急な叫びで途中から聞こえなくなる。

その元凶は、背後で寝ていたハクムである。



「シュルルルル!!!カイル様!!!人間の気配でヤンス!!」


ハクムの声にカイル達はビクリと肩を震わせる。

そして、かなり大きな声でハクムが叫んだため、近くで寝ていたローザとマイクが飛び起きていた。



「敵か!?」


「こちらへ向かって来ているでヤンス・・・数は・・・4!1人だけ人間じゃない奴が紛れているでヤンス!!!」

「敵なのかい?」


「わからないでヤンス!!」


「・・・敵か・・・どうだろうな!!こんな吹雪の中、わざわざ近づいてくるってことは、俺達のこと好きな奴らだぜ?」


わざわざ猛吹雪の中、自分たちに会いに来るほどだから好意があるのだろうとするケビン

そんなわけあるかと思うが、理屈は通っている気がしたカイル



「おい、ケビン・・・ふざけている場合ではないぞ!」

「へいへい!」


ライクとケビンはそう言いながらも、周辺状況の確認などの先頭準備を整えていた。

確かに、こんな吹雪の中、自分達のいる場所を目指している人間がいれば、穏やかなことにならないだろうとカイルも感じていた。



「武装してるでヤンス・・・内魔法充填・・・外魔法干渉・・・戦うつもりがないと言ったら殴っていいでヤンスよ!これ!」


ハクムはそれでも気配を念入りに探ってくれていた。

彼女が告げる言葉は、戦いの気配を確実なものにしてくれた。

ハクムの言葉を聞いて、起きたばかりのローザも鎧を着込み、剣を手にし、戦闘準備を整え始める。



ーー数分後、カイル達がいるカマクラの周辺だけ吹雪がピタリと止まる。

気付けば、周囲はドーム状の透明な膜に覆われていた。


まるで結界の中に閉じ込められたような景色であった。

逃がさないぞという強い意志を感じる。




「お見えになったな」

「ああ・・・」


ケビンとライクはカマクラの外へ出ると、同時に剣を抜く。

視線と剣を向ける先には、銀髪の男性が1人で立っていた。


2人に続けて、ローザがカマクラの外へと出る。

そして、外にいる男性を見ると、彼の名前を呟いた。



「・・・ガルウェイン」

「これはこれは・・・数日ぶりですね・・・ローザ様!」


ガルウェインは優雅に一礼する。

そして、顔に浮かべていた笑顔が一転、顔が怒りで歪み始める。



「・・・ローザ!!お前はここで私が殺す!!!」



演技ではなさそうなガルウェインに対して、ケビンは怪訝な顔をする。



「お、おい!ガルウェイン!?」


慌てるケビンの前へ、スッと手を突き出すのはライクだ。

彼はケビンの視線を受けると、顔を左右に振るう。



「ガルウェイン卿・・・裏切ったのか?」


ライクの含みのある問いかけに対して、ガルウェインは無言を貫く。

表情は凍りつき、目には炎が宿っている。



「・・・」


そして、ライクの問いにガルウェインは剣を向けて応えた。



「・・・やる気だ」

「マジか・・・話がちげぇぞ!!」

「・・・来るぞ!!」


ガルウェインは剣を空へと掲げる。

すると、カマクラの左右から人の影が見えた。



「っ!?」



カイルは気付けたが、他の3人は気付けていないようだ。

それもそのはず、『ミネルバ・ランジェリー』を身につけていなければ、カイルも気付けなかったほど動きが早い。




ーーピローン♪



ーーー手札ーーー

『ダブル・マジック』

『パラライズ・ボール』

『スリープ・ミスト』

『ファイア・ボール・マシンガン』

『ミサイル・パリィ』


ーーーーーーーーー




カイルは『ダブル・マジック』を発動する。

デッキから手札へ『パラライズ・ボール』を2枚加えると、彼の手札には合計で3枚の『パラライズ・ボール』が存在した。

1枚を『魔法剣』で拳に宿らせる。

残りの2枚は、左右から突撃してくる人影へ向けて放つ。




「っ!?」

「やるじゃねー、カ!!!」



左右から突撃してきた人物は、地面の雪を爆ぜさせるほどの勢いで地面を蹴り上げて、空へと飛び上がることで、向かってきた『パラライズ・ボール』を避ける。


1人が自分の体と同じぐらい大きな剣を空へ掲げると、そこから紫色の雷が無数にほと走る。



「ぐっ!!!」


無数の稲妻はカイルだけではなく、ガルウェインと対峙しているローザ達にも放たれていた。

カイルは手札から『ミサイル・パリィ』をローザへと発動させる。



「ハクム!!2人を頼んだよ!!」

「シュルルでヤンス!!!」



ローザに向けられた紫電は風の刃

ケビンとライクに向けられた紫電は雪原から盛り上がった土の壁が防ぐ。


その光景を見て、雷による攻撃を防ぎ切ったと安堵するカイル

そんな彼の背後から、骸骨のような男が姿を見せた。



「背後がガラ空きだぜ・・・クソガキ」

「・・・そう思うなら声をかけるな、よ!!」



カイルが首を横に傾けると、彼の顔の横をクネクネとした短剣が通り過ぎる。

首裏を刺そうとしていたバーバットの短剣だ。

そして、カイルはバーバットの言葉に反応しながら、突き出してきた短剣を持つ腕をギュッと握りしめる。



「っ!?」

「・・・痺れろ!!」


カイルが叫ぶと、急にバーバットの腕から力を感じなくなる。

その腕から手を離すと、後ろで何かが雪に埋もれる音が響いた。



「あ・・・わ・・・あ・・・あ・・・」


ビリビリと痺れているバーバットの姿だ。

カイルの『パラライズ・ボール』は『魔法剣』で拳に宿っている。

その成果であった。



・・・1人撃破!



カイルがそう考えて周囲を見渡す。

戦況を確認するためだ。



ーーガルウェインはケビン達が3対1となっている。



ーーゴードンはハクムと戦闘になっていた。

元々、強大な魔物であったハクム


今は、カイルの『眷属契約』によって人の姿となっているが、むしろ魔物の時よりも戦闘力は遥かに向上していた。



・・・あいつ、すごく強そうだな。



ハクムと互角の戦いを見せるゴードンを狙いに定めるカイル







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