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誰にも分からないようにそっと、この湖に映るような月の形を望むかもしれない。逞しくも儚げに。見せてあげたいよ、こんなにも似通ったものだから。俺はここで死ぬのかもしれないけど、ここで見たことは何があっても忘れない。きっと生まれ変わっても、ここに来たら知っている場所として想うだろう。沈むだけなんの抵抗もしないで、身を任せた彼女を思い出した最後の場所として、感じる。愛していると。憎んでいると。泣いてしまいたいと。
彼女とはさよならするのか、また逢えるのか、幻だけを見るのか分からない。でもずっと一緒な気がする。
視界がぼやけて見えなくなるのが分かる。目の前が輝く白なのか、沈む黒なのかそれさえも判断がつかないのは、死ぬという現象の前ぶれなのかもしれない。だからこんなにも曖昧な感覚しかないのか。頭のなかでは冷静に彼女のことや自然について考えられるというのに。死とはただ単に肉体が滅びるだけなのかもしれない。全てが消滅し、痛みも感情も他の人に移され彼女のことも消え失せるのかもしれない。
だったら嫌だな。あんなに様々な気持ちを教えてくれた、混ざり合った純物質で出来た彼女を俺は自分を無にすることによって消してしまうなんて。嫌だ。俺は死ぬつもりなんかなくて、ただ彼女が存在しているような残酷で綺麗な美しい高みの場所に行ってみたかっただけなんだ。きっとこういう所にも君が存在していたんだろうね。幻の魚、正しく竜の末裔のように水に包まれ眠り、夜になれば水面に映る月をさらいにくるのだ。そんな誰も知らない偉大なものに。俺は依存していたんだ。大好きだ、好きだ、愛してる。欲しい、奥まで、全ての骨の髄まで忍び込み俺をうめつくしたい。俺は分からないんだ、彼女を何処まで求めていいのか。何処にいったら彼女に辿り着けるのか。こんな場所じゃない。こんな、・・・俺は死を求めたわけではない。
帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。
君に逢いたい。お願い、来て。もう一度あの頃へ戻れたら俺はどんな者でも殺し、苦しみ、嘆き、狂い、壊れるだろう。それで彼女が来




