05滴 魔女の地下生活
サブタイなんだかなー。
って思いながら毎回つけてます。
言葉選びが向上しない……。
鳥の魔人が、偵察に外へ出ると森には魔女を探す騎士の姿が至る所に見えた。
隙を見て戻ってきた彼から報告を受け、旅に出るのを延期とする。
まだ分からないことは多いので、騎士がある程度いなくなるまで話を聞きながら、ここで過ごすこととなった。
魔人たちは、皆愛想よく接してくれるのでとても話しやすい。
「ここは、不思議な空間だよね? どうやってこんなに綺麗な町作ったんだろ?」
疑問を口にすれば、周りにいる子供達がすぐに反応し、知っていること口々に話し出す。
「あのね! あのね! ここはしんちょーさまと地のまじんがきょーりょくしてつくってくれたんだよ!」
「しんちょうさまはソルムさまのおとうさんなんだ!」
「おそらはしんちょうさまと……ミロねぇーがつけてくれたの! 雨も降るよ!」
魔物や魔人は個々に合った魔力を使う。その為ここもそれぞれの力を生かして創り出した特別な空間となっている。
「みんな、お話してるとこごめんな。 リチアちょっといい?」
アスターに呼ばれついていくと部屋には女性が一人。
「カメレオンのキャメルだよー! よろしくね」
明るく元気な彼女は、毛先を巻いた長い髪を一束揺らし笑顔を向けてくる。
「彼女の力は、『色素変化』なんだ。 漆黒は魔女の色で目立つし、元の色だと情報は伝わっているだろうから、変えてみたらどうかなって」
「素材があれば何でも変化させることできるよ! 何色がいいかな~?」
キャメルは、辺りを見渡し素となる色を探す。
理由に納得できたので、リチアも一緒に探していると綺麗な石が目の前に置かれた。
石を置いた手の先をみると、ソルムが立っている。
「この石から魔女の名をとった。この色はどうだ?」
桃色のような紫のような透き通る石。
「綺麗な石だね。 この色にしてもらおうかな」
自分の名前の元ということもあり、すぐに気に入り快諾する。
椅子に座るよう促されたので、着席しじっと待つ。
人のままでは力を使用する事ができないので、彼女は魔人化し石を大事そうに、両手で包み言葉を発する。
「早速、色を真似させてもらうね。『色合わせ・桃』。」
彼女の手は、桃色へと変わりその両手で髪を優しくまとめ持つ。
「ちょっと失礼しま~す。『色素変化』」
一言つぶやき、手を頭頂から髪先までゆっくりすべらせると、桃色から紫の綺麗なグラデーションへと変化した。
続いて、他の色を持ってくると目を手で覆い一言つぶやく。瞳は吸い込まれそうな紫へと変化していた。
「いい感じだね。あとはこれを足の親指にはめて」
アスターから手渡されたものは、1つのリングだった。
銀色に青い線のシンプルなものである。
言われた通りに足の親指にはめると、見ることのできた魔核が確かにそこにはあるのに見えなくなっていた。
「アスターこれは?」
「魔封石を織り込んだものなんだけど、騎士が持つ『水鏡』には、人の姿をしていても魔物の姿が映るんだ。でも、そのリングを身につけていれば魔物の姿は映らないから騎士の目を騙せる。ここにいる皆も外に出る時はそれをつけてるんだけど数がそんなになくてね……」
皆が手につけてしまうとバレる可能性が高くなるから、あえて足指用にしたらしい。
アスターの頼みで外に出ているシオンにも同じものがついているらしく、魔物はこれがないと外では自由に動けなくなるため重宝されている。
そんな大事な物を一つ貰ってしまい、自由の少ない魔人達に申し訳なく思うと同時に、この旅を成功させたいと思う気持ちも強くなった。
ソルムもついてくるので同じものを一つ貰う。
一週間程この町で暮らしてみたが、記憶が戻る気配はなかった。
しかし、世界についてはいろんなことを学べたのでこれからの旅に役立ちそうだ。
まず一番危険なのは、騎士の上層部。魔女を殺し異能を所持する騎士。
何人いるか把握はできておらず、能力も未知数。
爆撃のティシェアは有名らしく、幼い見た目で爆弾のようなものを駆使し魔物を退治したり、たまに建物を破壊するらしい。
魔人にはあまり興味がないが魔女には執着している。
魔物は自身が生きるために、近づく者には容赦なく攻撃して来るものが多い。
攻撃的な魔物で問題なのは、ヌシ級がいる場合。
魔物は自身の経験で進化し、稀にヌシ級が誕生するが、ヌシになると知識が身につくので仲間を統率し、集団で襲ったりと厄介になる。
過去の因縁か、ヌシ級は魔女を感知すると最優先で襲ってくる。
神の御使い三聖獣は、空・陸・海とそれぞれにいて、その力は『豊穣』と『守護』を主とし、世界が創造された時に貢献した。
空はソルムの守護域だが、二代目の為、特に何かしたわけではない。
四大精霊も創造時から存在し貢献している。
地・水・風・火とそれぞれにいて、出会うことができれば、人間に力の一部を与えることもあるとか。
精霊の近くには魔力が蓄積された鉱石ができやすく、それを加工すれば属性を持つ武器ができたり、日常で使用することもできるらしい。
特に会いにくいのが水の精霊で、水の中で生活している為、人魚の鱗がないと会うこともままならない。
鉱石は洞窟上部にもできるので、力の弱い物が多いが中には強い物もある為、困ることは少ない。
人魚の鱗とは、水中で呼吸をし、会話をできるようにする特殊素材なので重宝される。
人魚に出会うことがそもそも難しいらしい。
魔人達の力や姿を見せてもらったり、世界のことを聞いてるうちにとても仲良くなれた気がする。
そんなこんなで時は経ち、騎士の姿がほぼ見えなくなったところで外へと出ることにした。
一時の別れとなるが、日々が楽しかったから寂しく感じる。
旅についていきたい魔人は何人かいたが、攻撃的な力は、町に万が一のことがあった時に必要になるし、リングの数を減らしてしまうのも仲間の行動をより制限してしまうことから魔女リチア・人間アスター・魔人シオン・神鳥ソルムの四人で行くこととなった。
ここからやっと始まるかな?
自分にとってはながかったー。




