2 メイドの一日(1)
そして翌朝。
「おはようございます。田辺さん」
執事の武田さんである。
「おはようございます」
「それでは、今日から仕事を説明して行きますから、きちんと覚えて下さいね」
「はい………」
まだ私はイマイチ状況を理解しきれていなかったけど、ひとまずはメイドとしてこの家で暮らしていくことになりそうだから、仕事をきちんと覚えることにした。
武田さんの説明によるとこの家でのメイドの仕事は、主人、つまり大原君の身の回りの世話、お屋敷の掃除、料理らしい。
この家には料理人はいないらしく、ずっと武田さんが料理を作っていたが、今日から私の仕事になるそうだ。
「まずは、朝食を作って下さい」
そう言われ、厨房に案内された私は、この家がお金持ちだということを改めて思い知ったのだった。
「わあ………すごい………」
そこに広がっていたのは、広々とした厨房、様々な調理器具や食器、そしていかにも高級そうな食材。
取りあえず朝食なので、私は簡単に作ることにした。
両親は仕事で忙しく、料理は自分でよくやっていたので、大して時間もかからずに食事が出来た。
そして大原君が食堂に来て、朝食の時間になった。
一口食べて、大原君は感想を語り始めた。
「まあ、うまいけど………この魚、味付けをもっと工夫すべきだろ。それに、この味噌汁も………」
「もー!!!うるさいわね!!!」
「ちょ、何すんだ、主人に向かって………」
どかーん!!!
「女って、キレると………怖ぇ………な………」
しばらく一話一話が短くなりそうですが、ご了承下さい。
また、感想、指摘などお待ちしています。






