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第7話 薬草だけで一万個!?

 屋根裏部屋を借りれる事になり、暫くはここが俺の寝床だ。

 お嬢からもらった本は、薬草全集なるものだった。

 魔月の花――遺跡の近くに咲く花で、トレジャーハンターの目印になっている花。


 お嬢め。俺がお子様だからって騙したな!

 取りに行けない場所じゃないかぁ!!


 というか、この本を見てため息がでた。だって、名前とちょっとした解説だけっていうのもあるけど、薬草の種類が一万以上あった。花、草、木……薬草になるのだけでそれだけあった。


 そう思うと、ため息がでて来るよね?

 この世界には、鉱石とかあと雑貨、錬金術で作り出したモノなどなど。難しくないと思っていたけど、遺跡もあるし一生かけても無理な気がしてきた……。


 あと、異空間に入れて行くだけだったら全部を集めるのは不可能だよな。手に入れていないアイテムを判別できる何かが必要だ。

 そう言えば、イメージして使えみたいな事言われたっけ?


 「うーん。検索?」


 異空間に入っている物と入っていない物で区別できるようにと思いながら言ってみた。すると、至る所がほわんと赤く光っている。でも範囲が狭い。半径1メートルもない。それでもいっぱいある。


 たぶん、これがアイテムとして認識された物だよな。ふとん、打ち込まれた釘、窓も光ってる。たぶんガラスに反応していると思う。

 あ、家とかは集める対象にならないのかな?


 「異空間」


 マーガラス様。家みたいな物はアイテムに入らないのですか?


 ――そういうモノは入らない。基本的に凄く大きな物は対象外だ。


 わかりました。


 よかったよ。家を消したら周りの人に殺されそうだ。

 どうせだから異空間に何か入れておくかな。あ、これにしよう。


 窓の側に吊るしてあったドライフラワー。それを掴みポイッと異空間に入れる。

 もらった本も赤く光っていたが、必要な物なので入れないでおく。


 「この本に載っている薬草を全部集めたら入れよう。集まる気がしないけどね……はぁ」


 本を眺めていた俺は、いつの間にか寝てしまっていた。


 □


 「……ミャルくん」


 うんん? 誰? あ、お嬢。


 「おはよう」


 「おはようございます」


 「さあ、朝ごはんを食べたら街の中の探索でもしてきなさい。あれ? ここにあったお花知らない?」


 うん? ドライフラワーの事か……。やばいもしかして、飾っているだけじゃなくて必要な物だったとか?


 「えっと。ゴミかと思って捨てた……」


 「あれは、ドライフラワーと言って売り物なの!!」


 「え? 売れるの? あ、ごめんなさい」


 お嬢、怒るとお怖いのね。


 「まあいいわ。次からは勝手に捨てない様に」


 「はい。お嬢。気を付けます」


 「何がお嬢よ。あなたは、クミお姉さまってお呼びなさい。お嬢なんて一万年早いわ!」


 「いててて……」


 ほっぺを引っ張る事ないじゃないかぁ~!

 昨日の優しいお嬢はどこ行った!?

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