表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/16

第11話 これが薬草でこれがスポイト?

 「よっと」


 ザザッ。俺は空間移動で教えてもらった場所付近までワープした……はずだ。


 「地図を借りたけど、ここがどこかだよな……」


 ワープの欠点は、自分のいる場所がわからなくなる事。自分で着地点を決められないからだけど。使いこなせば出来る様になるといいんだけど。

 リアに借りた地図は分布図。授業で使う薬草などの棲息した地帯が載っている。学生用だから高低とかは簡易的みたい。


 一応見方は教えてもらったけど、日本で使っていた地図とはちょっと違うんだよね。危険な場所は赤。後は数字で色分けされている。

 横にその数字の色と薬草名が書かれている。1が青色でアママル草とか。


 この地図には薬草の絵が載ってないから薬草の本とにらめっこ。彼女がほしいのは、タルルネ草。


 この草は、茶色い草で10枚の葉が少しずつ重なって垂直に上に伸びている。木の様に硬く、横から見るとタルの様に見える事からついた名だと言われている。雨の日に行くと水が溜まって、それに葉の成分が染み出ているので、その水をスポイトで取る方法の採取が一般的だそうだ。


 で、スポイトを借りた。

 これどう見ても、注射器なんだけど……。液体の採取用らしい。このまま容器としても使えるから便利だと言っていた。


 「雨が降り出す前に探しだしたいな」


 俺は、空を見上げた。厚い雲が空を覆っている。

 それにしても見つけづらい色だよな。ここら辺は、石だらけの岩山だ。茶色と言っても濃さがわからないから、よく見て探さないとな。

 俺は、足元を見て歩いて探した。


 ポツンポツンと丸く地面の色が濃くなる。雨が降り出して来た!

 って、ザーッと音を立てて降り出した。

 取りあえず、向こうの木陰に一旦避難しよう!


 俺は走って、枝がある木に向かう。


 うん?


 足を止め横切ろうとした木を見た。折れた木だと思っていたけど、この木、空洞だ! まさかと思って覗けば、年輪などなく水が溜まっている。


 これか? よこから見たらタルに見えない事もないけど……。

 リアは、大きいらしいから他の薬草より見つけやすいと思の。って言っていたけど、ここまで大きいと思わないから予想外だよ!


 注射器で水を採取して、リアにもらったビニール袋に本と一緒に入れた。ビニール袋でよかった。本が濡れない。

 俺はびしょぬれだけどね。

 でも一応、木陰に避難するかな?


 「空間移動」


 俺は、ブラックホールに飛び込んだ。これで一気に木の所まで行ける。さっき気づけばよかったけど、これで飛んでいたら発見出来なかったかも。


 うん? え?


 「ぎゃー!!」


 木が沢山ある場所と岩山の間には、隙間があった! つまり谷間! こともあろうに、その谷間の上に出てしまった!

 勿論俺は、真っ逆さまに落ちて行く! マジですか~~~。 お助けを~マーガラス様!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ