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†エピローグ
まるで壊れ物を扱うかのような手つきで私の頭を撫でていた彼の手が止まった。
「泣き止んだ? 」
覚悟はできた。私は小さく頷いた。私を抱き締める彼の腕をほどき、抜け出して距離をとった。サンタさんがクリスマスプレゼントにとくれた実弾入りの拳銃を愛する人へと向ける。撃鉄をおこして人差し指を引き金にそえる。手が震えているのは寒いからであって、決して私の抑えきれない感情からではない。
私は最後に「ごめんなさい。」と呟いた。
彼は最後にーーーー・・・。
バァン
心配しないで、すぐに会えるんだから。ずっと一緒にいようっていつも言っていたでしょう。私は彼から貰った指輪に口付けた。
バァン
『朝のニュースをお伝えします。昨夜未明、都内の公園で寄り添う2体の遺体が発見されました。』
†終†




