ファンファーレ

第1曲:第一印象。

俺たちファンファーレ。

月夜に狂った血が騒ぐ。

…あれ？月出てないし。

今日満月じゃないのかよ。

あ、雨降ってちゃ見えねぇか。

てかドシャ振りじゃん。

あ-あパンツまで濡れてるし。

ま、とりま…

「ざ・えんど…」

…ボキッッグシャ,,グチャ

豆腐を潰す様に、

人体の頭は壊れる。

ただ木製バットで殴っただけなのに。

賑わいのある駅前から少し目をそらした所。

薄汚れた路地裏。

異臭が漂い、異形が見える。

異臭は無遠慮に放置されたゴミの臭いと、血の臭い。

と言っても雨で微かなモノなのだが。

異形は原形を留めていない人間。だったモノ。今となってはただの、肉塊。

幻影の月の光に照らされて、少年は今宵も撲殺(ころ)す。

雨が多少弱くなり、

雲の合間から

微かに月が覗く。妖しく輝く満月。

「あれ-今。月、ちら見えたぁ…イイコトありますように…」

いや-のっけから人殺しててゴメンナサイ。

とりま"事故"紹介ね。

さっき起きた事件、名前を付けるなら殺人事件になるのかな?

被害者は仮にWさん。

殺害動機は極めて複雑。

弱いから。Wさんは弱いから殺されたわけ。

強い奴だけ生きていれば良いこの世界。

弱い奴は生きるための資格試験を受ける資格もない。

すなわち存在価値が０。

そう思わない？

税率UPやら北朝鮮問題。

全部強い奴らが事を進めていく。

なんて、複雑。

なんて、迷宮。

なんて、矛盾。

あ、ところで、この事件の加害者は俺。狼森 朽葉(オイノモリクチハ)。

中学2年生の13歳(ちなみに3月30日生まれ、プレゼント待ってるね)だ。

そこら辺にいる極々普通の中学生。

ただ、趣味が撲殺なだけで。