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今日、空いてる?



と、言ったって厳しいものは厳しい


友達が5本の指に収まってしまうレベルな俺に、はたして笹田さんと普通に話す事が出来るのだろうか


んなことぐちぐち考えたって笹田さんが喋りかけてくれるわけじゃあるまいし・・・





ピーンポーン


・・・人はこれをフラグという



『はー・・・ぃ』


「・・・ごめん、間違えて押した・・・」




空気を読めよ弟・・・

完全に今のはフラグだったろう・・・



『・・・本、買ったんでしょ』


「そうだけど」


『なんでもいいから一冊貸してよ』


「・・・いいけど、兄貴の趣味じゃないよ」


『いいんだよ、気分を紛らわせたいだけ』


「わかった、はい」


『んじゃ、読んだら返す』


「・・・うん」


二階の部屋にあがって目次を眺めていた、読む気力はあまり起きなかった


でも少しでも期待してしまったという気持ちをどうにかして無くしてしまいたかった。



ドタドタドタッ!


「兄貴!」




『っわ、何・・・?』


「電話、来てるよ」



は、電話?なんだよ坂谷なら携帯に掛けりゃいいのに・・・

まぁあいつよく充電しないからな、急ぎの用事とか?



『はーい、もしもしー?』



「あ、ごめんね原本君・・・」


!?!?


ここでフラグか・・・気づけばよかった俺!ほんとばかだ!なんか気だるい感じで喋っちゃったああ!




『・・・あ、え・・・うん、だ、大丈夫です、どうかしたんですか?』



「あのね、坂谷くんが・・・あ、ううん、なんでもないの、今日、空いてる?」


『(坂谷!?あいつなんか笹田さんに・・・?)え、今日・・・ですか、大丈夫ですけど・・・』


え、もしかして何かに誘われている・・・!?


「4階の美術室前の廊下に生徒手帳落としたでしょう?空いてるなら届けに行っていいかな・・・」


『・・・・!?・・・いや、でも来てもらったら悪いんじゃ・・・』


「ううん、いいの・・・待っててもらえる?忙しかったらポストに入れておくけど・・・」


『待ってます・・・すいません、せっかくの休みの日に』


「大丈夫だよ、じゃ今からいくね」



ツー・・・ツー・・・ツー・・・



『ど、どうしよ・・・っ』


一気に感情が溢れ出て、脳が動かなくなってしまった


ほんとはここで何を話そうとか、別れ際になんて言おうかとか考えるべきなのに


憧れの人に会えるだけだというのに、心臓の鼓動が、うるさくてたまらなかった。






(ど、どどどどうしよう・・・)(兄貴の好きな人なのかなぁ)


パニックになると起こるどうしよう発作。そして勘づく弟。


ちょっとは恋愛小説っぽくなってきたような気がしなくもない・・・ですかね。

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