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ep.4辺境にて②

「ブン、ブブブブン、ブブ」

「えーっと」

「集落には慣れたかって聞いてるよ?ししょー」

「あーなるほどね、おかげさまで。前いたところよりも楽しいよ」

「ぷよ、ぷよぷよ、ぷよよ!」

「ブンブン!」

「それは良かった、今日のきのみも豊作になりそうだって」

「やったぜ!」

俺が魔物と暮らしているのには理由がある。話は遡ること3日前…



-3日前-



「なあ、モモなんで俺を殺そうとしなかったんだ?」

「それは、ししょーが囚人紋を持ってないから。私たちはボスの指令で強制的に囚人紋を持ってる人を殺さなくちゃいけないけど、別に人を殺したい訳じゃないもん」

「ボス?ってなんだ?」

「ここの辺境を統べる魔物ベヒ・モース様のことだよ。まあ、あんなのがボスだとは思いたくないけどね」

「じゃあ、ベヒ・モースってやつがこの辺境で一番強いってことか」

「そうだよ。まあ、私たちが束になっても勝てるかどうかの相手だから挑まない方がいいよ」

「そんなことする訳ないだろ」

ぐぅ〜

「あ」

「ししょー、お腹すいたの?」

「ま、まあな」

「じゃあ、着いてきて!師匠を紹介したい子たちがいるの!」

「ぜひ、連れて行かせてくれ」

一体どこに連れていくっていうんだ…?

「ついたよ!」

おうおう着いたか…って

「ここ…辺境なんだよな…?」

目の前に広がっているのは間違いなく田畑と果樹園…え?辺境で?

「ブン、ブンブン…?」

「ガウガウガ…?」

この魔物は…鑑定


コボルトLv75

アサシンビーLv90


うお、レベルたっか

「ブブブブブ…!」

「グルルルルル…!」

まずい、警戒されてる!

「俺は…!」

「ぷよ!ぷよぷよよ!」

「ブ?」

「ぷよ!」

「ガウ〜!」

「ブンブブンブン!」

「どうぞ!ししょー!」

「え、ありがとう?」

通訳してくれたのか?

「ここでお待ちください」

「え?わかった」

なんか食堂みたいなところに来たけど…

「ブン!ブンブブン!」

「さあ、召し上がってください!」

「え、いただきます…って良いのか?こんなに貰ちゃって」

見ただけでもきのみが100個ぐらいあるんだが…

「はい!おもてなしです!初めてのお客さんですから!」

「じゃあ遠慮なく食べさせてもらうけど…」

食う前に一応鑑定。魔物が大丈夫でも人間が大丈夫じゃない可能性があるからな。


攻撃の実

食べると攻撃のステータス値が1上昇する


体力の実

食べると体力のステータス値が1上昇する


防御の実

食べると防御のステータス値が1上昇する


魔力の実

食べると魔力のステータス値が1上昇する


素早さの実

食べると素早さのステータス値が1上昇する


え、ヤバ。なにこのドーピングアイテム。しかも害はないと来た。こんなの食べるしかないやん。

「いただきまーす」

まずは赤い攻撃の実から食べてみるか。

…甘い。これでもかっていうぐらい甘い。メロンを10倍甘くした感じの味…なんかちょっと気持ち悪かも…

「ごめん、水ってあったりする?」

「はい、ありますけど…どうかしました?」

「ちょっと汲んできてくれる?バケツ5杯分ぐらい」

「はい!ししょー!これってまさか修行ですか!?」

「あ、ああそうだ。修行だ。」

「わかりました!行って来ますねー!」

そう言うとダッシュで出て行った。いや元気だなあいつ。ていうかスライムのダッシュってなんだよ。

次は黄色い体力の実。

…お、これはちょうど良い!梨だ!梨の味がする!梨のパフェとか食いたくなってくるぞ〜これは

次はオレンジ色の防御の実。

予想はしてたが柑橘系の味だなこれ。爽やかな感じがして良い!攻撃の実の味を緩和してくれるぅ。

じゃあ防御と攻撃を同時に食べれば良いのでは?実際に試してみよう。

…ビンゴだ。程よい甘さをしている。これなら水いらないかも。ごめんな、モモ。

次は紫色の魔力の実。

これはブドウの形してるし、味はたぶんブドウだろ。…あっ、これプルーンだ。プルーンの味がする。給食でたまに出た時当初はそんな好きじゃなかったから、残してたなぁ。今は美味しく感じるけど。

さて、最後は水色の素早さの実。どんな味かは想像できないけど、まあブルーハワイとかそこら辺だろ。

「いただきまーす」

刹那、俺の脳に電流走る。あ、これあかんヤツや、と。

「う、ぐ…」

死ぬ、ガチで死ぬ。

「ししょー、水持って来ました…ってええ!どうしたんですか!」

「水…ミズヲクレ…」

ゴフッ、まずい呼吸困難で死ぬ!

「なんかよくわかりませんけど、おりゃあ!」

「ングングング、ぶはぁ、死ぬかと思った。」

「どうしたんですか?」

「この水色の実、不味すぎない?」

「ああ、これですか。集落のみんなも嫌ってるんですよね、これ」

「なによ、このブヨブヨした食感に苦味と酸味が混ざった味。不味すぎるだろ、これ」

この世の終わりみたいな味だ。正直なんでこんな食べ物があるのか意味がわからない。

「でもなぁ、残すっていうのもなぁ。」

「じゃあ私が食べますよ?」

「え、でも」

「これ、いつも食べてるんでもう慣れてます。みんなの残したやつも食べてるので。」

「マジか…好き嫌いしなくて偉い!」

「そ、そうですか?偉い…えへへ」

正直あんなの好き嫌いしないって人でも食べれないと思う。つまりモモはすごい。

「じゃあ他のやつは食べたら良いのか?」

「はい。私はこれで十分なので。」

「そうか、欲しかったら言ってくれよ」


その後、ここは辺境でも魔物がいつも生活をしているということ。ここなら毎週一回あるベヒ・モースの見回りだけ回避できれば暮らせるということを聞いてここに暮らしている。ちなみにベス・モースの見回りは5日後と聞いている。


「久々にステータスでも見てみるかぁ。ステータスオープン」


リグアル・テレス Lv16

体力90/90

攻撃196

防御86

魔力105/105

素早さ21

スキルポイント0

-スキル-

鑑定 ケンドウ ジュウドウ エンチャント 見切りⅠ 精神統一 指南 真空武具 急所分析 武器精錬Ⅰ 切磋琢磨 切リ捨テ御免

-称号-

転生者 追放者 ジャイアントキリング スキル愛好家 武道見習い

-加護-

闘竜の加護


素早さ以外満遍なく上がったな。で、肝心のモモは…


モモ Lv16

体力1/1

攻撃65

防御3

魔力60/60

素早さ210

スキルポイント1600

-スキル-

超速再生Ⅹ

-称号-

テレスの弟子 一番弟子 


素早さ200越え…暗殺とかできそうじゃねえか。やっぱりモモは自慢の弟子だ。

「なぁモモ」

「なんですかししょー?」

「なんで水色の実ばっかり食べてるんだ?飯は配給制だから体力とか上がるんじゃ…」

「そ、それは…」

「ブン!ブンブンブーン!」

「え!?」

「どうした?」

「ししょー隠れてください!ベヒ・モース様が来たみたいです!」

「はぁ!?」

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