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勇ep.1 召喚

忙しくてそんなに早く書けないぜい。

「国王様、辺境のベヒ・モースの信号が消えました。」

「なぁにぃ?勇者たちを呼んでこい!」

「は!」

「と言うわけで、ベヒ・モースの信号が消えたんじゃ。」

「は、はぁ。」

とりあえず相槌を打っておく。俺の名前は五十嵐晴翔、今はカボラ・コツアだ。勇者をしている。

俺は、いや俺たちは2週間前にクラス規模で召喚された。


「おお、勇者様方が召喚されたぞ!」

「は?え?」

ここは…どこだ…?確か俺たちは、研修旅行中にバスの運転手さんが急にドリフトするって言い出して…

「ああ、勇者様方、混乱されるのは良くわかります。」

「勇者?何を言って…」

「あなたたちは勇者として異世界からこの地に召喚されたのです。」

え、勇者?異世界?どういうことだ……?

「ふざけんじゃねぇ!」

「元の世界に返せ!」

クラスメイトたちが抗議する。みんな姿は変わってしまっているが、雰囲気でクラスメイトだとわかる。

「元の世界には帰れません。片道しか用意されていないのです。」

「んだとォ!」

一人が殴りかかろうとする。そこに一人止めに入った。

「まぁまぁ聞いてあげましょうよ。こういう時はだいたい魔王とかそういうのを倒せば帰れるのですよ」

クイッとメガネを上げる動作をする。メガネはないのに。きっと御拓くんだろう。

「そ、そうなのです。調停者(シソーラス)を全員倒せば帰る道が開けるのです。」

「ほらね?わかりましたか?ここは素直に調停者とやらを倒すのが吉かと。」

御拓くんがそういうと、全員黙った。なぜか御拓くんが頼もしい気がした。

「と、とりあえず勇者の適性を計りますね…。」

「適性?」

勇者は勇者なのだから適性の意味がよくわからずつい声に出してしまった。

「勇者様はそれぞれユニークスキルを持つんです。それによって勇者の二つ名が決まるんです。」

「はえ〜。」

「じゃあ、順番に計測していきますね。」

順番に呼ばれ、計測されていく。ユニークスキルにもランクがあったようで、C級フラワーマスターや、A級フレイムマスターなど、様々なスキルがあるようだ。中には召喚で一人いるかどうかのS級スキルを持ってる人もいた。まずは御拓くんで、魔物使い。野生の魔物を操ることができるらしい。続いて学級委員長の鈴木さん、不可侵領域(フォビトゥンスコープ)というスキルだ。効果は、自身の半径2メートル以内に領域を生成し、効果を付与するというもの。そして俺の番が回ってきた。

「ええっと…五十嵐さん?どうぞ。」

そう言われたので、デカい鏡の前に移動する。すると情報が映し出されていく。

「カボラ・コツア…スキルは…聖剣(セイクリットブレード)!?」

「なんか凄いんですか?」

「凄いも何も、S級ですよ!?」

「ええ!?」

まさか自分もS級だとは…召喚で一人いるかどうかの確率じゃなかったのかよ!

「皆さん凄いです!今日はお疲れでしょう。城内の部屋をお使いください。」

そう言われ、召喚された初日は終了した。

二日目からは、訓練が始まった。この世界には魔法があるようで、午前はそれを使う訓練だった。午後からは剣術の訓練。いくら魔法が全てのこの世界でも接近戦は難しいようで、剣術を習得する必要があるそうだ。ちなみに聖剣のスキルのおかげか、剣術に関しては1日で血縁上俺の兄である騎士団副団長カボラ・インシェートとは同等ぐらいになっていた。インシェートさんは良い兄である。少し会っただけだがすぐにわかった。

模擬戦は鈴木さん、現セレナ・クゥエツィナとだった。

「行きますよ?」

「どんと来ちゃってください。」

俺は剣に聖なる力、聖力を溜める。懐に潜り込んだらに【聖剣(セイクリットブレード)】によるカウンターを喰らわせる。さあ来い!

「テヤァァァァァッ!」

「【聖剣】!」

これで…!

「【不可侵領域-聖力使用禁止(アンチ=セイクリット)-】!」

「なっ!」

絶対領域でスキルをキャンセルされた!?

「【風魔法Ⅰ-ブリーズ-】!」

風でクゥエツィナさんを吹き飛ばす。できたら場外まで行って欲しかったが、そううまくいくわけもなく…

「チェックメイトです。」

「…はい。」

見事負けてしまった。

そして、一週間後…

「と言うわけで、ベヒ・モースの信号が消えたんじゃ。」

「は、はぁ。」

今に至る。

「それで、我々にどうしろと?」

小泉亨介、現リグアル・セレンダールが国王に問いかける。

「いや、誰か一人に調査へ行って欲しくてのぉ…」

「では、私が行きましょう。」

祈田願治郎、現グスタフ・シアベニアが手を挙げた。彼のユニークスキルは魅了(アトラクト)、人間や生物を虜にして従属させるというものだ。ただし、勇者や魔物には効かないらしい。その効果範囲は広く、他人の女性でもお構いなしに従属させている。結果、この中央都市の女性の約三割が彼のものになってしまった。

「おお!行ってくれるのか!それはありがたいのぉ。ついでに辺境の近くの村、フィランディから税金の方も徴収しといてくれんかのぉ。」

「どれぐらい取れば良い?」

「あんな村、どうせすぐ滅びるじゃろうからいくらでも良いぞい。なんなら借金させてもよし。」

さらっとえげつないこと言ったな、この人。

「了解。明日の朝までに交通手段を頼む。」

「ありがとうのぉ。以上じゃ、戻ってくれてもかまわんぞ。」

こうして、すぐに招集は終わった。これからどうなるのやら。

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