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憑依憑依憑依

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

夏のホラーじゃなぁぁぁい!!

と駄々こね駄々こね、大人気ない大人です。

明治、大正を思わせる部屋にいる。大きな振り子時計の秒針の音が鳴り響くその部屋は、何処か薄暗く、ほんの少しの恐怖と大きな安らぎを与え続ける。それに重ねる様に、万年筆が原稿用紙に擦れる音が色を添えた。文字が連なる。

「ドグラ・マグラには、一体何時、振り子時計を置いてくれるのだろうねぇ」

ぼんやりとそう呟くのは、長い鈍色の髪を長く垂らし、薄暗い最中でも目を覆うような前髪と黒眼鏡が特徴の彼だった。この部屋との親和性が高いのは言うまでもない。

この空間が余りにも心地好く、危うく大切な質問を忘れるところだった。

「……あの……あのね……日本語って難しいでしょう? 私が伝えたいと思った事でも、食い違う事があるでしょう? そんな時、どうしてる?」

「それは僕一人では気付かないから、編集さんや校正さんとやり取りで正していくよ」

全くもってその通り。物語の会話は作家の脳内構成で紡がれるものだ。誰かと会話して作るものでは無い。

「仲良い子から連絡が来たの。で、暫く他愛のない会話をしたんだ。でも噛み合わないの。まるで二人で別の話題を話し続ける様に、平行線を辿るの」

本当に他愛のない話。休日何してる? とか次は何処へ行く? とかそんな話。一見すると食い違う筈のない会話だ。でも巧妙に、しっかりとズレ込んで行く。噛み合うことのない会話が続く。

「それで……それでね、次の休みに皆で会うの。会うのはその子だけじゃない。周りの子も皆で集まって遊ぶの。でもね、その子、その日は遊べないって来ちゃって」

「予定が入ったの?」

私は首を横に振る。そもそもこの遊びの予定を立てたのは、あの子が発端である。あの子が予定を立てて、あの子が周りを集めて、あの子がその日に決定した。裏を取るために、他に遊ぶ面子にも連絡をとった。勿論、あの子の名前が真っ先に出た。

「私……今連絡を取り合ってるの、本当にそのお友達なの……?」

普通に話をしている時には会話はずれ込まない。そもそも予定を自らすっぽかす様な子ではない。それは五年もお友達やってりゃ分かる事だ。じゃあこの、激しい違和感はなに?

その時、振り子時計のボーン……ボーン……ボーンという音が鳴り響いた。呼吸が早くなる。私……本当はその子と話をしていないんじゃない? じゃあ、端末に記された、この子は一体なんなの?

「電話してみなさい。電話して怒る子じゃないだろう?」

彼はそう言って私を射抜いた。私は震える手でスマホを握り締めると、電話番号からお友達に向けて電話を掛ける。間違いなはずない。間違いなはずない。この間もこの番号で、連絡した。けれども……。

――お掛けになった電話番号は、現在使われていないか、電波の届かない場所に……。

青ざめた私を見て、彼はなるべく穏やかに言った。

「大丈夫。きっと出るさ」


それから数日後、彼女と共に遊ぶことになった。勿論、彼女も現れて他愛のない話になった。

「あのさー、この間のチャット覚えてる? ほら、七月の」

「え? 何それ」

私は青ざめるのを抑えて、ぎこちなく笑う。チャットなんだから、証拠があるはず。着信履歴だって。しかし履歴を辿っても、七月の会話の跡は何一つ残されてなかった。

じゃあ、私は誰と話をしていたの?

青い青い夏の日、端末だけが知る怪談は幕を閉じた

PV拝見出来ないので、一日待ってみます。

このスマホになってから、増えてきましたね。

投稿は出来てるかな? 出来てて欲しいなぁ!!

小さなホラーになりそうです。


通じたぞえ(-∧-) (*・ω・)*_ _)ペコリ


これは半分現実にあった話。まぁ昔の話ですよ。

チャットって履歴が残るじゃないですか。

だから聞いて解釈違い起こす私にとってはとても有難いんです。


※聞いて理解するのが本当に出来ない人。


でも、そのお友達との会話だけは必ず食い違います。

他愛のない話ですよ。

『次何しようかー』『○○しようねー』『じゃあ次は○○してー』

こんな会話をしている筈なのに、会話の所々に矛盾が生じるんです。噛み合わない。極めて平行な会話。

二人で話をしている時には絶対に起こりえなかった事なので、今でも引っ掛かりになってます。


私は本当に彼女と話をしているのか?

別の誰かと話をしているのではないか?

じゃあ端末に記されたこの名前は何?

電話番号は繋がらない。


こんな奇妙なお話。

ラジオでは無いのでね、夏のホラーでは無いのですが、楽しんで頂けたらいいなぁと思います。

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