ねっとり
「そういえば家に何もお菓子ないわ。なんかええのあったら買ってええで」
どこかの方言が混ざった声でアケミさんはそう言った。
「マジかよ!やったべ」
「あんたは一緒にきなはい。掃除のやつ買わなあかんねん」
歓喜するダルの顔はべちょんと落ちる。そのまま動かなくなった体を無理やり腕を掴んで運んで行った。離れ際アケミさんは一瞬振り向きウィンクを送ってくれたが僕はどういう意味か全く分からなかった。けれどミドリさんは分かったのかやらしく頬を上げているのが視界に入った。2人きりになると早速ミドリさんは僕の腕を掴む。また体が熱く赤くなり、変な汗が出てきたが冷静を装い僕も握り返す。ミドリさんは嬉しそうに微笑んだ
ミドリさんがチョコレートを食べたいと言うのでお菓子コーナーを探す。地元のスーパーにはある物の見たことない種類も置いてあり気分が上がる。優柔不断な僕はどれにしよう、どれにしようと迷っていると僕の手を掴んで何かを手のひらに包めた
「これ君に似合ってる!」
手を広げてみるとチ□ルチョ]のキャラメル味が入っていた
「君みたいに優しく甘いところとかドンピシャだと思うな」
値段は見ていなかったが買うと決めた。買わなければと思った。空前の心バクに襲われなぜかは言わないが体を屈ませる。
「私はどれが似合うかなあ」
屈んでいることがバレているのか不安でそれどころでは無いが目に止まった有名な飴を指さす。マヌカハ=一ののど飴だった
「ね、ねっとりしてて」
阿呆な返答をした。言った途端にこれまた空前の後悔をした。なんだ「ねっとり」とはただのセクハラではないか。気が落ち込んだおかげか屈む必要は無くなっていた
「へぇー。どこがねっとりしてると思うの?」
蜜のようなやらしい声だった。僕は負けたと思った
何を言い返しても確実に逮捕レベルの言葉になることは確実で、しかも確実に言い返さなければならない。
「おまいら2人菓子決めたか?もう行くでぇ」
馬鹿なやつがやってきた。助かった
僕はダルについて行き会計へと向かう。2、3歩後ろから着いてくる彼女の顔は確実にねっとりしていたと思う




