話
「こりゃ連れてくる人間違えたかもしんねぇな」
足を止め顔を合わせる。声は喋り方はいつもと何も変わらないが、トーンに一切の笑いは無かった
「一応明言しておくがここの主の魔石は約束通りお前にやる。けど魔石自体はおらも狙ってるんだ。ここの魔石は譲るが残り4つはおらが貰うつもりだ。そん時にいさかいが起こるのは確実。酷くなれば奪い合い殺し合いにもなんだろうなって。ただそんな事考えていただけだ」
そう言われて改めてエピンの体を見てみるとその体格差が歴然であることが分かった。俺の体は普通の女よりも少し小さいくらいに対しエピンは190を超えていそう恵体でこれでは猫とヒグマのようである
「お前はなんで魔石が欲しいんだ?」
少し会話が止まり今までの少しボブリッチに似たような陽気な雰囲気が消えたので身構えてしまう。すると少し目を落とし地面に腰を落とした
「好きな人がいんだ。んでそいつと離れてしまってな、魔石でそいつがどこにいるか知りてぇだけだ。馬鹿だろ?」
静かにそう言い葉巻を吸う。強く握られてか持ち手が少し歪んでいた
「なんで離れたんだ?」
「ちょっと俺には高嶺過ぎちまったようで周りから離されちまってな。この歳になってもまだ忘れられなくて探してんだよ」
「けどお前ぇ零じゃ無かったか?」
「元な。零は権限が強くて自由だから探すのにもってこいだと思ってな」
「ならなんで辞めて今知事になってんだよ」
「それが阿呆でなあ。零として色々情報掴んでるうちにここの工場の悪い噂とか聞いてな。いても立っても居られなくなって立候補しちまった。まったく阿呆だな」
「それじゃあその女はどうすんだよ」
「ほんとだぜ。色々塞がってきてまじぃ。なって事で魔石譲ってくれ」
「無理だ」と即答で返すと笑って葉巻を地面にねじった
「つめてぇな。お前だって好きな女おるくせに」
「なんでそれを?」
反射で早口でそう言ってしまい口を手で抑える。エピンはそれを見てニマニマ笑った
「大切にしろよ」
「当たり前ぇだろ」
立ち上がり着いたズボンに着いた埃を落とす。
そのまま真っ直ぐ歩き始めた




