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踊る羊と回る猫  作者: 椎名 園学
王国編
65/114

帰宅

リリス=アイディンジャン

嫌いなも物 デジャブ 好きなこと 読書

年齢 不明 好きな食べ物 お豆腐

「ただいま」

静寂に家に帰り扉を開ける。やけに静かな家。それはカタカタと地面を鳴らす名前の知らない虫の音が聞こえる程だった

「…誰も居ねぇのか?」

嫌な予感が頭をよぎる。護衛隊試験は死者が出るほどのものと聞かされ実際に出るほど大変なものだったので大抵の場合は家族や友人が帰りに迎えに来るのが習慣と誰かから聞いたが寝坊助が有り得るボブリッチならまだしもライネンまで来ない…。試験が死と隣り合わせたったこともあってか変な汗が垂れてきた

「コルク…。もし侵入者がいたら。…殺すぞ」

「わかった…」

この雰囲気はコルクにも伝わっているようだ

急いで階段を上る。扉を蹴って中を覗くと、

ライネンがいた。足がタンスにめり込んで

「ライネン!」

大声が出る。それに反応しライネンは目を開けた

「…んー。ん?……あれパルパちゃん。おはよう。試験って明日じゃなかったけ?」

「いや今日だか…その足どうしたんだ?」

「足?」

眠たく薄い目を擦り足に見る

「へ?なにこれ。私寝るしてただけなのに。なんでこんなのになってるんだろう?」

((あ…寝相…))

2人同じ思考に至ったが互いに「寝てる時クッソ寝相悪いよ!人殺すレベル!」といたいけな少女に言えないため黙って足のタンスから引っ張った


「お疲れ様。大変だったね」

「うん…。疲れた」

静かにライネンの横に入り込み、目を閉じたままその小さな体に抱きつく

「よしよしー」

少し土埃の着いた白髪に汚れを恐れることなく触れ頭を撫でる。飼い主にだけ素を見せる猫のようにパルパは触られやすいよう体の向きを変え少し頬が上がる。そのままマーキングする動物のよう頬をライネンのお腹にスリスリした

「あらーパルパちゃん猫みたい。可愛いねー。いい子いい子ー」

「んふー。ニャー………あ?」

声のトーンが飛び越して低くなる。可愛らしく撫でられていたパルパ。目が痒くなり目を開けると、何がダメなものを見てしまったような目で見ているコルクと目があったのである

「いや、僕は見てないよ」

必死に目をそらす

「ちょっとお前廊下こい。ごめんライネン少し出る」

「はーい」

可愛い声のあとすぐ廊下に出て扉が閉まる

「俺になんか言いてぇのか?」

「いや…。なんも無いです」

「だよな?あとこのこと絶対ぇ誰にも言うなよ?」

「はい。わかってます(多分すぐバレるよ…)」

満足気に「よし」と言うと部屋に戻り再び甘い声が聞こえてきた

「え?これ、僕住む家間違えた?え?、あれ絶対お金払ってるやつだよね?90分1万5千円とかの」

まぁそんなことを口にしては殺されるのでそれをそっと飲み込みへゆったりベットへ向かった


「そういえば私魔法使えるようになったんだ!前廃墟でコルクさんの手握ったらなんかぽわぽわーってして傷が治ったんだよ!」

「そうなのか?」

「確かに異能って感じじゃなかったかも。僕が使うような魔法みたいな」

「すげぇな」

「でじょー。これで私も童貞だ!」

「……あ。……そうだな」

「お父さん帰ってきたら自慢しようー!」

「まてー」

その晩の夕食は沈黙がやや多かったとか



寒い寒い暑い暑い空間。ここには見覚えがある

「やあ、目を覚ましたかい?」

「あぁ…。またお前か」

「酷いねえ。リリーも乙女なんだよ?まぁ年齢で言ったらかなり年上だけどね」

「何歳だ?」

「虎がタバコを吸っていた頃よりは前かな」

「あっそ(めんどくせぇ人だ)」

「まったく、リリーが試験を手伝ってあげたとも知らずに」

酷く嫌な声だ。優しくて安心してしまいそうな良い声

容姿も酷く整っているだが、何故か「怖かった」

まるで自分が「死」と喋っているかのように

あかん、もう1話いるわ

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