始まりの時
いつもガム噛む時いっぺんに3個口に入れて噛むのですが今ガムを噛みながらなろうを書こうとしたらガムのケースに残り4つしかありませんでした。
この場合普段通り3個食べその後残った1個を食べるのが良いのか…
それとも2個食べて次食べる時残りに2個を食べるという2回楽しむのが良いのか…
はたまた贅沢に4つ食べるのが良いのか……
世の中難しいことばかりです。
チャンチャン!!
「行くよー」
久しぶりの休みに昼まで寝ていたいエルミを起こし2人は外へ出た。外はサラサラとした純白の雪が一面に降りかかりどこを見ても肌寒い街をエルミとライネンは歩いていた。
「ね、ねぇ。もう手離さない?。ちょっと恥ずかしいかも…」
「しょーがねえな」
「ったく。恥ずかしがり屋なとこは変わってねぇんだから」
「これが普通だよ。……多分」
顔を赤らめながら手の力が徐々に弱まる。
本当はもっと繋いでいでいたいが言葉に出すとあれだから俺も仕方なく手を離した。
足が地面に着く度積もった雪からグフグフと心地よい音が響く。案の定ライネンを見ると楽しそうに踏んでいた。まぁ、目が合うと照れて辞めるわけだか
「あの覚えていますか?」
不意に正面から呼びかけられ見てみると見たこともない赤毛の少女が立っていた
「どなたですか?」
「隣の方の知り合いです」
2人ともエルミを見つめる
「お知り合いの方?」
「いや。知らん」
「そうですか…」
そう言うと少女はしょんぼりと顔から力が抜けていった。そう言われても全く覚えてないがな
「もしかしたら会ってたけど記憶が消えちまってるのかも知んねぇな」
ライネンとボブリッチから記憶が消えてしまったところの話は色々と教えてもらったがボブリッチ自体忘れっぽいのでまだ色々あるのかもしれない
「ちなみになんの用んですか?」
「……少し場所を変えませんか?」
俺たちは無言のまま少し離れた場所ヘ移動した
「結局なんの用なんだ?」
「少し前…いやもう10年になりますね、国全体で一斉に魔法が使えなくなったことがあったじゃないですか?」
もちろんそんな記憶は無いもののライネンが頷きながら聞いているので実際にあったのだろう
「その犯人を知ってるんです」
少女は静かにそう告げる。するとすぐライネンが俺の耳元に話し始めた
「これってもしかしてこの女の子が犯人ってパターンなんじゃない?それでそのことを知ってるパルパちゃんを今から殺しちゃうぞーみたいな。今日の朝見た漫画と一緒だ!!」
ウキウキしながらそんなことを言うライネンはまだ子供だな。俺は「そうかもな」と相槌をうち再び少女に視線を送る
「一応言っときますが私では無いです」
推理を外したライネンはしょくっと肩を下ろした
ガーン(꒪⌓꒪)。
「それじゃいったい…?」
「犯人は牧師パストゥール=デウスです」
その時…偶然か必然か9時を告げる教会の鐘が雪景色のパストに鳴り響いた…
「デウス様…デウスは世界から魔法を消そうとしているんです。」
深刻な雰囲気に押されながらもライネンは固唾を飲む
「魔法はほんの数10年前まで攻撃や防御などといった戦闘にしか使われていませんでしたが近年異世界人の活躍により生活に欠かせないインフラとまで成長しました。料理をするための火や交通のエネルギー源など色々なものに使われているのですが、もしこの世から消えてしまったら想定することすら不可能なほど多くの死者が出たり…」
「ちょっと待てよ」
いきなりエルミが口を挟み話が途絶える。
「昔お前と会ったかどうかは知らねぇがなんでそれをわざわざ俺たちに言うんだ?俺たちはただの市民だ。どうにかしたいなら護衛隊にでも言えばいいだろ」
「………確かにその通りです」
少女は俯き少しした後顔色を変えて話し始める
「本当のことを言います。私は牧師パストゥール=デウスに拾われた捨て子だったんです」
少女の声から何か悲しいものが無くなり…少女は嘘偽りのない声で話した
「私の記憶の1番最初はちょうど今日のような雪降る寒い夜、私は箱に入れられ街角に捨てられていました。貧しい地域だったものですから周りの大人は誰かが救ってくれるなど人任せな言葉をかけ見て見ぬふりをしていました。
吐く息も白くなりそろそろ死んでしまうと思ってたいたその時、私は通りすがりの牧師に体を持ち上げられました。そうそれがデウス様です。
デウス様は誰にでも平等に優しく接していて多くの信者がデウス様に会うために教会に通っていました。
ですがそんな平和な日常は突如消えてしまいました。ある日からランドル=ドアウという男が教会に現れデウス様と接していくにつれどんどんおかしなことを言うようになってしまったんです。今までは「平和の象徴」として扱っていた赤子に対し「不幸の原石」と呼び始めたり。いきなり変な言葉を叫んだりなどしてついに、10年前の事件のようなことを起こすような人になってしまったんです
ですのでどうか…どうかデウス様を元に戻して欲しいのです。お願いします」
少女はの目元からは涙が流れ、冷たく冷えきった床に膝をつけ頭を下げた。
あまりの突然のことで何も言えぬまま無言を貫く。数秒の時間の後1人が口を開いた
「分かった。任せて。私達がきっと何とかしてみせる」
「おいちょ…」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
涙は垂れ、垂れ続ける。だがその顔からは悲しみひとつなく感謝だけが伝わってきた
「ったく優しすぎるんだから」
何とかすると約束しその場を離れた二人は晴れた空の下ある店へ歩いていた
「だって、あんな顔してたら助けない訳には行かないじゃん」
両指をちょんちょんとあていじり出す。こうなったらもうやり遂げるしか無さそうだ。
ため息を付きライネンの手を握ろうとすると美しい光が見えた。
「青…」
どこかで見たのか、記憶を巡らそうと全く出てこないがなぜだか無性に「欲しい」感覚に包まれ気がつくと俺はいつものように能力で抜き取っていた。
右手にはどっさり重さを持った分厚い本が握られ、青い輝きを放っている。手を繋ぎたかったことなんかとっくに忘れ、中を開こうとすると肩を誰かに掴まれた
「ねぇ?それ返してもらえる?」
サラサラとした長い白髪にエメラルド色の目。
この街の人間とは少し違う異国風の服装で俺の方を掴んでいた
「パルパちゃんまたなんか取ったの?」
「悪い、つい癖で」
素直に謝り本を女に返す。すると違和感が体を襲った。俺は今までいくつかのものを盗んだ…だが1度も持ち主に気づかれたことなんてなかった。なんでこいつはわかったんだ?
「なんで取られたってわかった?俺はお前に直接触ったりしてねぇぞ」
女は少し考え言う
「んー。感?」
はぁ、なんか知んねぇけど損した気分だぜ…
「ちなみにこれが何か分かるの?」
女は本を指しながらそう言った
「いやさっぱり。何なんだ?」
「さぁ?僕もさっき盗んだばっかりなんだよ。一緒に見る?」
緩い口調で犯罪を堂々と宣言し話を進める。俺も言えたことじゃないが一応窃盗って犯罪だぞ?
女は両手で本を開き皆でそれを見つめる。
すると本は独りでにパラパラめくれあるページになるとスタッと止まった。そこにはこう書かれていた
虹色飛び散る光の巣
光は祈り、奴の手が
終わり来ようと触れれない
赤紫の禁忌の場
「なんだろ」
「俳句かな?にしてはちょっとエキゾチックかも」
「もしかして…ラブレター…」
「それは無い」
俺がすかさず突っ込むと女は「ははは」と笑った。
(こいつといると疲れるな…デウスの件もあるしさっさとこいつ追っ払ってあいつのとこ行くか)
「じゃ、もう用は無くなったし俺たち頼み事で急いでるからもう行くな」
「あっそうだ。この人にもさっきの件手伝ってもらえばいいんじゃない?」
「いゃぁでも…迷惑かけたら…悪いかもー。やめとこうぜ」
「別にいいよ。暇だし」
「ちっ」
無意識出てしまった舌打ちが聞こえぬようすぐ音を出し地面をけるとすぐ女の耳元に近づいた。
「お前ぇ空気読んで帰ってくれよ。せっかくの休みだってのに」
「そう言われもここで出なかったらつぎ出るの結構あとなんだよ」
「出るって何がだ?」
「この物語に出るの」
「やめろ。メタい」
「まっそう言うことなら3人で頑張ろ!」
ライネンは楽しそうに拳をあげる。
はぁ…なんか余計に疲れるような気がした……
「綺麗ー」
「こんにちは」
さっきであったばっかのいかにもアホそうな女の名はコルクだそうだ。出身、年齢、趣味など全て内緒
苗字に関しては事務所的にNGとか意味のわかんないことほざいてたからホンマに手が出そうになったぜ…
今現在俺たちは教会にいる。街にひとつしかないデジャツ神教会。コルクの話によるとパストュール=デウスは普段ここで仕事をしているらしい。
緊張を走らせながら教会に入ってみると色とりどりのガラス模様が太陽の光によって照らされ教会内全体を彩っていた。あまりの美しさに目的を忘れ眺めていたほどだ
「新しく入られる信者の方ですか?」
近くからキャソックを来た男が話しかけてきて俺は何とか冷静を保つ
「いやただ見に来ただけです」
「そうでしたか。てっきり入門される方かと。でしたら1度共に祈った方が良いですね。このように手を互いに合わせ祈ってみてください。」
ただ見に来ただけと言っているのにすぐさま話を加速させ祈りを進める。ライネンを見るとしっかり手を合わせていた。もちろんコルクも
「何祈るんですか?」
「もちろん神様です。ではやってみましょう」
男に合わせ4人が祈る
「お菓子いっぱい食べれますように」
「お酒たらふく飲みまくれますように」
隣のふたりは声が漏れてるみたいだ
「ははっ。お上手ですね。その調子で今度は信者の方がだ…ハッ」
突然教会から音が消え静寂に包まれる。
「皆様静粛に。こられます。さぁ来られますよ。皆様目を閉じてください。来られます。指導者パストゥール様が」
あまりの勢いで押されたたずんでいると。そいつは現れた
「目を開けている二人。パルパ。コルク。あなた方に問う。うさぎと亀。さて速いのはどちらか」
ハゲたそいつは俺たちにそう尋ねた
なんか最近ライネンが可愛くなったような…
(ひらがなからカタカナに「ライネン」を変換するとたまにミスって来年になります)
ちょこっと豆知識
コルクさんの言ってたこと本当です。
メインイベントはまだまだ先でしょうね