レオラ=ライネン
書く気なさすぎて書き終わるのめっちゃかかった泣
「記憶喪失の症状は見られますが精神障害の症状は見られません。ですので窃盗そして暴行な罪で立派な犯罪です」
医院長はそう告げた
あの後ステイサムを交番に届け町で一番大きな総合病院にエルミを連れて行った
結果はこのざま。坊主は犯罪、俺は犯罪者を連れてきたとしてなんとかクビは免れたが納得いかねえぇ。今までの記憶が一切ないこいつを刑務所にぶち込むってのか?。。かわいそすぎるぜ
「何とかなりませんか?こいつはまだガキですよ?」
「|ステイサムさんの怪我した部分見ました?真っ青ですよ?それにこの子も事故で無く意図してやったと白状していますのでどうしようもありません。明日にでもどこかに場所を移されるでしょう」
「そっそんな。」
資料を机に置いて委員長はその部屋から出た
「おっさんの実力不足だな」
「うるせーな。お前ぇが正直にべらべら話すからだろうが。ったく少しくらい嘘ついてくれりゃ何とかなったてのに」
「しっかり反省するんだな。っま反省したところで刑務所送りは変わらんが」
俺の体を押し鉄格子の中に入れ込むと部屋から出て行った
ったく少し盗んだだけで怒りすぐだろ。おめぇぜってぇー独身だろ
イライラして鉄格子を蹴ると近くにいた見張りの看守が立ち上った
「うるさいぞ。静かにしろ」
鉄格子を警棒で叩き音が響く
「まったく家畜は遊んであげねぇとすぐ暴れるんだから。しょーがねぇーな。ほーらほーらこれが欲しいんだろ?」
ひどい笑みをうかべ男は鍵をチャラチャラ見せつける。汚ねぇ顔で笑うが俺はそんなもん見てなかった
さっきのロケット、警官が持っている鍵、、そこからオーラが見える
ロケットそして鍵は青。何かは分かんねぇがめっちゃ綺麗に輝いてる
俺の目は条件に当てはまるものからオーラが出て見えるようだ
そして特殊な目とは別で俺はもう一つ持ってる力がある、それは
「ん?あっあれ?鍵はどこだ?どこに行った?」
物に向け手を伸ばし欲しいって思った瞬間手の中にその物がある。マジックとかそんなんじゃねぇ。
飾ってあった写真、看守の靴下、来る途中で見たリンゴでさえ正確な場所が分かってしまえばこの部屋からでも盗める。我ながら恐ろしいぜ
「やべぇこのままじゃ鬼シザック部長大激怒、、やべぇやべぇ」
看守は隅々部屋を探し大声でほざいた後部屋を出た
「ったくうるせぇやつだぜ。まっ静かになったことだしゆっくり出させてもらおうか」
鉄格子をから出て部屋の扉を開けたそこには記憶にの乏しい俺でも分かる奴がいた
「おいおい脱獄か?クソガキ」
ステイサムだった
本気で殴ったはずなのに包帯の一つも無しか、こいつ強いな
「振り返り牢獄に戻る。そしたら何もせず黙っといてやるよ」
警棒を構え俺を睨むが、その程度どおって事ねぇ、だって俺には見えてるからな
右のポケットから出る赤いオーラ。シルエットで分かる、ナイフだ。
ナイフさえあればこんな奴どおってことねぇ
手を伸ばし奪おうとしたその時「ドン!」と鈍い音が鳴り激痛ともに視界が崩れた
「っ痛ってえ、」
「無事に牢獄に帰らすとは一言も言ってねぇけどな」
奪うより先に警棒で叩いて来やがった
「ぐっ、ゲス野郎め、」
足に力をこめ立ち上ろうとするがさっきの痛みが襲い崩れ落ちる。そんな光景を笑いながらステイサムは警棒でまた俺を殴る
「この部屋には他に誰もいない。そして俺から暴行を受けたとお前がほざいてもどうせ誰も信じない。つまりもともとお前じゃ無理なんだよ。」
警棒を大きく振りかぶる。ボロボロになりながらも上を向き、顔面に直撃する瞬間、
「ガン!」と重い音が鳴り同時にステイサムが倒れた
「なんでお前が。。」
「この部屋に誰もいねぇんなら俺がやったってバレねぇよ」
ボブリッチはステイサムを殴った丸太を捨てながらそう言った
「助けてやるついてきなぁ、坊主」
時刻18時、辺りは赤く夕日に染まっている。
「ガムいるか?」
胸ポケットに手を入れミントがパッケージされたチューインガムを俺に渡した
「げぇっ。なんだこれ?スースーする」
「この町で一番人気のミントガムだ。うまいだろ」
「かりゃい泣」
あまりの痛さに涙を流すとボブリッチは大声で笑った。
多くの客が乗る集合馬車に揺られること1時間。あの後立てない俺を抱え俺いそいでその場を後にした。そして避難先としてボブリッチの家に向かっている。
「そういや記憶喪失のことだが、ほんとにいっこも覚えてないのか?」
珍しく真剣な顔に俺はクビを縦に振る
「なら俺ん家連れてっても問題ないな」
「連れてってもらえるのはうれしいがなんでそうなるんだ?」
答えるのが面倒なのかボブリッチは笑ってごまかした
「お前ん家って住所バレてねぇのか?」
「チッチッチ、こんなこともあろうあと就職ん時テキトーな住所書いたんだよ」
「。まじか、お前ほんとにおとなか?ガキ見てぇだな」
「お前に言われちゃたまんねーよ」
「ガッハッハ」とほかの乗客がいることをお構いなしに再び笑う。乗客のうち何人かは耳をふさいだ
「うるせーな。見た目はガキでもお前ぇよりかは賢いけどな」
「うそつけぇー(笑)俺がいねぇーとステイサムにやられてたくせに」
言い返せず唇をかみながら目を閉じている
うるせぇな。俺だってお前くらい体格が良かったら勝ってたよ。ばぁーか
そんなことを考えていると鼻歌が聞こえてきた
ふんふふーん。ふふふんーん
目を開ける鼻歌を歌っていているのが正面に座っている少女だと分かった
「なかなかいいリズムだなぁ。つい歌いたくなっちまうぜぇ」
「やめとけ、護衛隊呼ばれるぞ」
「がははは。俺が隊員だってのにな」
「あのーすみません」
俺たちの会話に入るよう少女が話しかけた
「もしかして護衛隊の方ですか?」
「はい、そうで。。」
「ちょっと待て」
平然と話すボブリッチの耳を掴みの小声で話す
「イテテテ、なんだよ?」
「そう簡単にべらべら情報を言うな。もしかしたら覆面かもしんねぇだろ」
「こんなガキがか?流石に大丈夫だろ」
「念のためだ。捕まったら今度こそ俺は刑務所送りになんだから。」
あくびをしながら「はいはい」と言い顔を離すと少女を見て首を横に振った
「そうなんですか」
少女は下を向きぽつりとため息を吐いた
それを見てボブリッチがまた顔を近づける
「なぁ、なんかかわいそうじゃねぇか?やっぱり言っちゃだめか?」
「かわいそうだが仕方ない」
少女は次の駅で降りた
「ようこそパストへ。いい街だろ」
馬車を降りると夕焼けがあかった街並みの光景が広がる
レンガ造り屋根煙をあげる煙突いい顔をする通行人、平凡で豊かな街
その時に近くから鐘の音が響く、
この景色どっかでみたことあるような。。
「げ、もう6時か、人生ってあっという間だなぁ」
「それはお前がグータラ生きてるからだろ」
「間違いねぇな」
二人ともに笑った
「そういや腹減らねぇか?俺今日まだ何も食ってねぇんだよ」
大きなお腹をさすりながらそう言う
「俺もリンゴしか食ってなかったから結構腹減ってきたな」
俺も腹をさすると小さく「ぐ~」とお腹が鳴った
「あっ。」
すかさず腹を引っ込め音を立てないようにしたがボブリッチは聞こえていた
「坊主も意外と可愛いとこあるんだな」
「。。。うるせぇ//」
エルミは頬を赤らめた
「ここが俺ん家だ。案外綺麗だろ」
商品を大げさに紹介するセールスマンのように両手を広げる
小さすぎず大きすぎず、レンガ造りで出来ていて周りの家と遜色ない普通の家だった。
「お前のことだからボロい犬小屋生活ぐらいは覚悟してたんだが思ったよりいい家だな」
「失礼だなァ」と笑いつつボブリッチは扉を開いた
少し散らかってはいるもののこれまた綺麗で思わず口が開いた
だが一つ特異点がある。それは
「元気だったかーライネン」
テーブルを囲むよう置かれている3個の椅子の一つに少女が座っていた
「可愛いだろ。俺の自慢の娘だ」
ボブリッチは指をさし少女は体をちじこめ一礼した
身長差の目立つボブリッチの太ももを叩きしゃがんだ耳に小声で話す
「なんだ?可愛すぎて目でも痛ぇのか?」
つまらない冗談を聞き流し俺は問う
「お前、童〇貞じゃなかったのか?」
「うめぇー。疲れた体に染みるぜぇ」
ガチャガチャと白米を口に入れ水で流し込む。その横でエルミはライネンと呼ばれていた少女を見つめていた。鋭い目つきであることも相まってか少女は体をすくめた
「どうしたぁお前ぇら。食わねえのか?」
「。いただきます」
濃厚なエキスが染み渡ったスープに焼き立てのふかふかパン思わず笑みがこぼれるが何とか平常にもどす。だが腹ペコなのでパンを大きくちぎりほおばった。だが彼女は一向に食事をはじめようとしない
「あちゃぁ、やっぱぁダメだったかー。女ならギリいけると思ったんだけどなぁ」
様に合わない小さなため息をする。それを聞き始めて彼女は口を開いた
「。。女の子なの?」
手を膝にあてながらもほんのり体を前に出す」
「あぁそうだ。俺はエルミ=パルパ。女だ」
「。。私はレオラ=ライネン。。よろしくお願いします。。。あっ女です」
小さく返事をした
「ライネンが女なことくらい坊主も知ってるよ」
「あっそっかぁ」
三人は笑った
レオラ=ライネン。苗字から分かるようにボブリッチの実の子では無い
数年前ボブリッチはレオラ=スミノフと言う子持ちバツイチ女性と交際期間僅か2週間という異様なほど短い期間で婚約に至った。だが夫婦仲はうまくいかず些細なことで口喧嘩が起こりスミノフは3日で家を出た
態度の急変に疑問を抱き探偵を雇い調べてみるとスミノフには数年間付き合っている彼氏がいることが判明した。
簡潔にまとめると結婚したいがライネンが邪魔だったスミノフは離婚しても引き取ってくれそうなボブリッチと結婚し、家を出ることでライネンを捨てることができた。そういうことだ
家の前でボブリッチは小さな声でそう語った。
ベッド一つしかねぇから悪ぃが坊主は布団でも使って寝てくれ
その言葉を最後に部屋から音が消えた。ライネンは下を向いたまま何も話さない。沈黙を破るべく俺は話しかけた
「そういえば趣味とかってあるのか?」
「。お絵描き」
「へぇーお絵描きか。将来は絵師にでもなりたいのか?」
「。。いやそこまで本気じゃないけど。。。」
「。何描くのが一番好きなんだ」
「。。。アヒルさん。。」
「へぇーアヒルさんねぇ。。。。好きな食べ物とかってあるか?」
「。。グラタン」
「グラタンの何が好きなんだ?」
「。。。味」
「。。。。。トイレ行ってくる」
なんとなく自分の限界を感じたので俺は部屋を出た
「なんかしゃべりずれぇな。縮こまってぶつぶつ、やりにきぃ。本当にアイツと一緒の部屋ですごせるんかな。まだボブリッチの方がよく思えてきたぜ
時間つぶしにトイレの前でつっ立っていると隣の男用トイレの扉が開いた
「へ、呼んだか?」
スッと首を横にする俺を見て「またまたー」と笑う。だがすぐに顔を戻し話し出した
「そういや、お前の記憶喪失のことなんだが、いろいろ記憶を戻す方法考えたんだが小学校通ったらどうだ?小学校行なら少しは思い出すんじゃねぇか?見た目的にも普通に入れそうだし」
煽りか素なのかはわからんが確かに小学校なら俺の見た目でも入れるし少しくらいはおもいだせそうだな
「確かに名案だがそんなすぐ通えるのか?小学校って普通手続きとかあるんじゃ」
「そこはまかせーよ。なんたっておりゃぁ誰しもがうらやむ護衛隊だからな話通したらきっと行けるぜ」
二っと歯を見せグーサインをだす職権乱用する気だな、まぁ記憶戻すためにはしゃぁねぇが。
部屋に戻るとパジャマに着替えたライネンがベットを綺麗にたたんでいた
「っあ。おかえり。。その。。ベット綺麗にしたから、良かったら使って」
「いやぁ俺は床でいいぜ。お前寒くなりそうだし」
「え。やった。使っていいの?。。あっ。じゃなくて遠慮せず使って。私大丈夫だから」
お言葉に甘えて使いたいものだがさっきのレオラは反応を見るにベット使いたいっぽいしなぁー
「なら一緒にベットで寝るか?」
ビックリして固まりながらもちょこんと頭を下げた。
「そういやお前小学校通ってるか?俺も行くことなったんだけど。小学校ってどこにあるんだ」
「え、、ぇえっとバス出てるよ」
「じゃぁ一緒にいくか」
「。。。うん」
彼女は小さく震えながら答えた
小鳥たちが舞いさえずりを響かせどんどんと町が音を出し始める。
運ばれてきた太陽でライネンは目覚めた
「ふわぁぁー。しゃむい。。。。っあそういえば一緒に寝たんだった。どうしよ、学校行きたくないな」
布団の中でうずくまりながら目をこすっていると足にがエルミに当たり顔を出し始める
「お、おはよう。」
人見知りな彼女は何とか挨拶をするも鋭い目で睨まれただけだった
スッと布団からこちらを向き飛び上がり腕を構え始める
「誰だお前」
エルミは睨んでいた。