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踊る羊と回る猫  作者: 椎名 園学
パストゥール編
14/114

特訓

アニス=マッツァ(爺さん)

趣味 日向ぼっこ 嫌いなもの タピオカミルクティー

意外な特技トランプタワー 年齢 121歳

(爺さんに関しては言うことありません。長生きしてください)

最近パルパのこと好きなんやが…

この始まり方ハマったわけじゃないから安心してください。次からは普通のやつです

「14112…14113…14114」

背中の上に重そうな巨大岩、その上にさらにもうひとつ重そうな岩をのせ腕立て伏せをしている少女がいる。

幼稚園でお芝居をしている時この子がいたらどんな役をするだろう…シンデレラ?桃太郎?もちろん、三匹の子豚の狼役だろう。

それくらい彼女は凶暴…パルパだ…

この始まり方を見たことがあるって?…俺もだ


「…14162…14163…14164…」

「…あの…」

微かに聞こえた声に隣を見る。そこには爺さんではなく、あの夜の教会にいた眼帯をつけた細い女モグモグ何かを食べながらが立っていた

「なんだ?」

「…おじいちゃんがおわっていいよって…」

その言葉と同時に俺の体から力が抜ける。抜いたのでは無い勝手に抜けた。だが急激に力が無くなるとで乗っていた重い岩はそのまま俺の体を押し続け体は岩に挟まれた

筋肉の疲労が溜まりに溜まり限界を迎えていた体は終わりの合図に歓喜しパッと全てが抜けてしまったのだ。

だが次の瞬間体が軽くなる。すると「スパッ!」という響と共に乗っていた岩が真っ二つに割れた。

背中をさすると激しい痛みが浮き上がる。さすがに岩に乗られるのはこの体でも無理らしい。痛がる俺になど興味を見せず女はそっと帰ろうと歩いていた

「いてて…おい待て」

俺の言葉に女の動きが止まる

「…なに?…」

「お前強いだろ。稽古つけてくれよ」

俺の体は爺さんの稽古と腕立てで疲弊しきっている、そんなこと自分でも分かっている。だけどライネンのことを思うと体がさらなる成長を求めてしまう。が、

「…めんどくさい…」

女はスタスタ歩き出す

「頼む。頼むから、えっえっと…食べ物好きなのか?えっえーと……パン!パン好きか?俺の家パン屋なんだ。1回いや少しの間だけ…稽古つけてくれたらいっぱいパンやるから」

家には試作品のパンが食べきれないほどある。少しパンを勝手にとってもきっとどうにかなるだろう

だが女は聞く耳を持たず歩き出す

「…知らない人から食べ物もらったらダメ…お姉ちゃん言ってた…」

「うちのメロンパンは美味しいぞ(ライネンが言ってた)」

「…………」

「焼きそばパン」

「…………」

「ウィンナーパン(俺が好き)」

「…………」

「ヴェルゼナ=アーモルディパン」

「…………」

「パンパパン」

「…………」

「ドルマンド=ゼツデェパン」

「…………」

「マジパン」

「…………」

「……カレーパン」

その言葉にフルッティの足が止まる

「……なんて?…」

「カレーパン好きなのか?」

プルプル震えながらフルッティは頷く

「何個かやるから頼む。稽古つけてくれ」

「…やる…」

かくしてフルッティ先生による稽古が始まった…


「…殺せばいいんだよね?…」

ド直球すぎる質問だけベクトルはあっているため俺は頷く。フルッティは今まで誰かに戦闘を教えると言うことを1度もした事がなくやり方がわからないそうだ。そこで俺は1つ「本気で戦ってくれ」そう頼んだ

静かな空間に風が音を立てるとフルッティがパルパに向かって勢いよく飛びかかった。俺は交わし反撃の拳を決めるべくと腹を殴るでかい一撃を決めたつもりだった。

だが事実は違った。「ゴギィ」と鈍い音が鳴りすかさず拳に痛みが走る。腹対拳負けたのは拳だった

一旦距離を取り離れる。殴った右手を見てみると青くなり少し歪にまかっていた。

そして突然腹部から血が流れ出る。血はピタピタ流れ足元に垂れた

(こいつの最初の攻撃は当たってないはず、だとしたらこの右手は単純にあいつの腹が硬かったということ…それにこの出血…切られた覚えなんてない、まさか殴ったから引くまでの間に切ったのか…いや一体どうやって…)

思考を巡らそうと何も思い浮かばない。なら行くしかない、俺は再び構えた。無言のままフルッティは近づいてくる

(どこかにあるはずなんだ、俺の腹を切ったであろう凶器が…どこだ、どこに隠し持っている。それにこいつは確か零、異能を使ってくるはず…)

盗む(スティール)

手を広げ何かを盗もうとするも手に何も盗めない。

隙を逃さずフルッティは俺の腹目掛け手を突き刺しに来た。瞬時腹に集中し気を溜める

ピンと伸びたフルッティ突きは俺の腹を捉える差し込んだ。硬めた腹は数秒持ちこたえると後ろへ投げ飛ばされた

「…飛んでった…」

(…飛ばしたのはあなたです…)

必死に地面にへばり体制を保ちながら考えを巡らせる

「あいつは武器なんて使ってねぇ、自分の手を使って戦ってる。あの異様な硬さ…手を硬くするのが異能なんだ」

「…バレちゃった…」

涼しい顔のままフルッティは近づいてくる。

そうは言っても何も解決した訳では無い。今刺された

腹は固めたはずなのに青くなってるし爺さんのトレーニングのせいで体力もそこまで残ってない。ナイフがあれば…いや、ナイフがあっても変わらねぇかもしれねぇ…


顔を上げ構える。そこにもうフルッティはいなかった

突如視界に血しぶきが上がり地面にかかる。

突然俺の体は崩れ落ちた何とか地面に手をつけ体制を保つ。痛みのする胸元に手を当てると血がどくどくと流れ出てきた

「…やりすぎたかも…」

すこし心配げにフルッティは近づく。俺は無理やり体を立たせ地面に立っがフラフラ揺れ今にも崩れ落ちそうだ

「はぁっ…はあ」

「…大丈夫?…」

「…大丈夫…だ…それより稽古続け…」

視界がブラックアウトし体が崩れる。

地面に当たる瞬間俺の体はフルッティに拾われた

「…どうしよ…死んじゃうかな…」

冷や汗をダラダラ垂らしフルッティはどこかへ向かった


「これより手術を開始します。メス!」

青い手袋に鋭利なメス。護衛隊医療班による緊急集中治療が行われた

「リーダー血圧150オーバー。高血圧です。資料によりますと納豆などが血圧を下げる効果が期待されますがどうしましょうか、点滴に納豆ぶちこみますか?」

「いや、既にやったが効果はなかった…」

「えっ……やったんですか?………」

「リーダー大量出血です。ですがこんなこともあろうかと輸血用の血はさっき洗面台に流しておきました…血液が足りません。どうしますか?」

「いや、構うな。血なんて所詮飾りだ」

「え…」

「リーダー。右手の骨がボキボキに折れています。どうしましょ?僕以前骨折れたことあるのですがほんまに痛かったですよ?」

「君の思い出は聞いていない。」

「リーダー…」

「今度はなんだ、言っとくが今手術中だぞ」

呼びかけてきた方を振り向くとどんどんと扉を叩く音。次第に音は激しくなっていく

「ええぃ、誰だ開けろ」

ナース達が手術を中断し扉に向かう。扉を開ける瞬間、扉が粉々になった

「へっ…」

「ちょいと失礼する」

入ってくるのは年老いた老人。だがピシッと背筋は伸びて杖も着いておらず全く歳を感じさせない姿だ

「おおう、おったおった。ちょっとすまんがパルパに触るぞ」

「ちょっ…ちょっとおぉ!」


カラカラカラコロコロコロカランカランカラン


骨がぶつかり合っているかのような音が聞こえる。俺は死んだのか?まぶたが重い

声にならない言葉で体を起きあげ目を覚ますと目の前には数人の医者が何やら慌てているようだ。あと場違い的な雰囲気で爺さんもいるし

「おぉ、目が覚めたか」

「爺さん。どうなったんだ?」

「何がじゃ?」

「俺の体だ。完全に右手は折れていたはずなのにしっかり動くし傷跡もねぇ」

首元から中を除き体を見るがそこに傷跡なんてものは無い

「良さそうじゃな」

「なんだこれ?」

「わしの異能人形世界(ドールランド)じゃ」

人形世界(ドールランド)…回復か?」

「まぁそんなとこじゃ」と爺さんは軽く返す。

「治ったんならもう1回やるぞい」

「何をだ?」

「フルッティじゃ」

前々から思ってたんだがやっぱこの爺さん鬼畜だな。


周りを全て壁に囲まれたおおよそ100平方メートル程の庭。そこには自然などなくただただ空間があるだけだった。そこの真ん中で2人の女性が互いに見つめ合う。

1人は女性にしては高身長。細々とした体に黒いドレス、左目を隠す眼帯がトレードマークの女性

1人は小さく目つきが悪いクソガキのような見た目の女性

互いに歩みを寄せ距離を詰める。距離が無くなっていくにつれ緊張は激しく鳴りピリピリと空気を歪めている。

「初めじゃ!」

爺さんの合図と共に2人は地面を蹴り接近する。先制を取ったのはパルパの拳だった。時間がゆっくりと感じ拳がフルッティの顔を捉える。が、それを予想していたのかフルッティの顔はカチカチと硬くなっていく。これがフルッティの異能「硬化」だ。

自分の魔力を消費する代わりに体の一部を硬化することが出来る。硬さは世界でも5本の指に入るほど硬く実際に今までの数多くの戦闘でも1度も破損したことがない程だ。だが欠点もある…

拳が硬めた顔当たる瞬間、拳はベクトルを変え顔の横を通過する。それと同時にパルパの蹴りがフルッティの腹を蹴りつけた。不意の蹴りに対処が遅れ数十m吹き飛ばされる。そうフルッティの異能「硬化」は体の一部しか硬めることが出来ないのだ

「まずは1本だな」

そうは言おうとさすがは零。足を切りちぎるつもりの力で蹴ったのにビクともせず直ぐに立ち上がって向かってくる。

「…びっくりした…」

言葉がパルパの耳に入るより先のこの瞬間。フルッティは刹那にパルパの腹に右手を突き刺した。

微かな風が吹き荒れ視界が曇る。そのままパルパの体は地面に押し付けられた。

曇りがはれ視界が通る。腹に刺さったフルッティの右手、それを防ぐかのようにパルパの腹は硬くなっていた

「…シルト…使えるんだ…」

「シルト?」

次の瞬間パルパの体は後方数十mへと飛ばされた。

お返しと言わんばかりのフルッティの蹴りがパルパの体を襲ったのだ

「痛ってぇ」

背中を蹴られたはずだが痛みは体全身から鳴り響く。

人は空腹を極めるときお腹と背中がくっつくとかぬかすが、腹と背どちらからも痛みが響くとなんとも言えぬほど厳しい苦痛を味わうものとなる。

程度を見ようと服を捲り腹を見る。だがおかしなことに胸が切れるほど鋭い刺しを食らったが腹は青くなるだけで一切の出血がなかった

「血が出てねぇ…こいつが言ったシルトとなんか関係があんのか…」

「教えてやろう」

近くで涼し気な紅茶をストローで飲んでいる。爺さんが話しかけてきた


なんと、なんと珍しい

これを書いているのは公開される1週間も前です

普通土曜日に書いて仕上げて日月でチェックなのに

なう(2024/06/23 14:44:31)

やっとフルッティ登場した!(˶ᐢᴗᐢ˶)

ぽキューん

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