噂の幽霊
現実世界とは違うとある異世界に毎日目が覚めると記憶がなくなる少女がいた。そんな彼女がある日突然記憶を忘れなくなった、、
この物語は今までの自分が何で何をしたかったのか探すため旅をする物語だ
次のからの投稿は4月1日から毎種月曜21時投稿となります
「お疲れボブリッチ」
「おお、ステイサムか脅かすなよ。噂の幽霊かと思ったぜ」
眼鏡をかけた男は二人分のコーヒーを机に置き俺の隣の椅子に腰かけた。古い木製の椅子はギシギシ悲鳴を唸らせ俺の背筋を冷やかす
「お前ビビりすぎだよ。まだ10時だってのに」
「商人なら余裕で帰ってるぜ」と軽口をたたきながらコーヒーに口をつけるとなんだか苦い。これはブラックだな…
「噂の幽霊ってなんだ?」
「知らねーのか?案外有名だぜ?」
ステイサムもコーヒーに口をつけ余裕そうに喉を通すと俺は語り始めた
主に朝方から夕方にかけてその幽霊は現れる。
犯罪を犯しながら転々と移動し気づいた頃には消えている。町を移動するにつれて被害は大きくなっていて被害総額は計り知れないほど膨らんでしまっている
そして幽霊を見たという人は幽霊の特徴を皆口を揃えこういう
「ただの子供」だと
体が震え汗がこぼれる。ここまで言うとステイサムはいきなり笑い出した
「はっはっはっはっは。お前そんなのにビビッているのか。ただのやんちゃな子供だろ。」
「だってよぉ。ガキのくせして犯罪者だぜ?ぜってぇやべえ奴に決まってんだろ。しかも被害が起きた流れでいうとそろそろこの町らしいんだよ。怖くて昼寝ができねぇぜ」
「でっかい体してる割に小心者だなぁ。まっ、もしこの町にいたら俺が務所に送ってやるよ」
最後の一口御啜りステイサムはパトロールに出かけた。深夜だっていうのによく行けるぜ。俺なんか怖くてサボっているってのに
30分いや一時間、もしかしたら2時間かもしんねぇ。あれからあいつが返ってこねぇ
あいつが居ねぇと怖くてサボレねぇよ。ったく今日はサボり寝はむりそうだな
「ーーーすいません」
体がビクッとして声のした方を見ると女の子が立っていた。ちょうど10歳くらいの
まっまさかな。さっさすがにちげぇよな
「はっはい、どうしました」
「さっきそこに落とし物ありました。」
「どんなものですか?」
女の子は持っているバッグに手を入れごそごそと何かを探す
「ちょっと大きめだったんですよね。骨」
その言葉に俺は青ざめ少女は笑った
ほっほっほ骨だと、、っまさかステイサム
「あった」と嬉しそうに言いバッグから手を出す。そこには骨があった・・魚の
「え、魚???」
「うん!!大き目だからきっと誰かが落とした宝物だよ」
少女は嬉しそうに骨を差し出すと「バイバーイ」と手を振った。引き止め親に迎えに来てもらうべきだろうがめんどくせぇから俺も笑って振り返してやったぜ
はぁまったくヒヤヒヤさせやがってお。まぁおかげで目も覚めたぜ、今夜は頑張って起きてようかな
「おい!ボブリッチ何をしている。起きろ」
誰か知らない奴の怒鳴り声で体が起きる。どうやら寝てしまったみてぇだぜ。ったく朝から誰だよ
「んん、、おはようござうぃま。。」
「おい、今何時か分かってんのか?」
男は顔を真っ赤にして怒っているチラリ時計に目をやると15時、っちと寝すぎたみてぇだぜ。
こいつ誰だっけか、、、っあ、思い出してきた。昔一回本部に行ったときお偉そうな椅子に鎮座してったけか。
っっは!!!!、てことは居眠りバレたらまじぃんじゃ。。。。
「ボブリッチ、朝っぱらから居眠りとはいい度胸だな。このことはきっちり報告させてもらう、本部にな。」
男は俺をギラりと睨み隣に座っていたステイサムに指示して何かの手紙を書かせた
「ちょ、ちょまちです。わざとじゃないんですよ。ええーと、あれです。羊の数えすぎです」
「。。。」
俺の顔を見ながら拳を固く握り「ドン!」と机を叩き手紙を持って出て行った
「こりゃ詰んだな。どうするんだ?シザックさん切れてたぞ」
「あいつシザックっていうののか、にしてもまじぃな、良い言い訳したと思ったんだけどなぁ」
ステイサムは大きなため息をつきコーヒーを飲んだ
「こりゃもうクビだな」
「クックックビ?俺が何したっていうんだよ」
「目やに、着いてるぜ」
俺の目を指さしながら言う
「っは!!、、こりゃ盲点だったぜ」
「ったく、熱っちーなぁ。こりゃとろけちまうぜ」
少しでも評価を上げてこいって言われてすぐ俺はパトロールに出かけた。
が、良いのか悪ぃのかこの町が平和すぎるせいでしょぼい事件の一つも起こんねぇぜ
もうこの際俺が起こしちまおうかな。
噴水に腰を下ろし近くにいた老人に頭を下げていると近くから「じゃぼん」と誰かが溺れたような音がした
「なんだ?」
音のした方に視線を送ると少年のが溺れていた
「だっ大丈夫かぁ?(しゃあああああ。お手柄くるるううるうるるうるるう)」
脳内でそんなこと思ってはいるが体はすぐに動き、溺れている子供をつかんだ。
っと思っていたが掴む寸前でいきなり泳ぎ出し反対側の水面から顔を出した
「っぷはぁ」
白い短髪に青い瞳しゅっと引き締まった幼い身体、あと目がチョッピリ鋭くて怖い
「おい坊主、ここ水泳禁止だぜぇ?」
「禁止って書いてなかったぞ?あとおっさん、俺は女だ」
「おっ女?。。この見た目で。。まぁここで詳しく聞くとあかん世やからノータッチだ。てかじゃあお前ぇ溺れてたわけじゃねぇのか」
パッパと髪についた水を払いながら頷く
(こりゃぁまずいな。もーそろパトロールも終わりだしな。。。。よし)
「なあ坊主ちょいと組まねぇか?」
「何をだ?」
「俺は護衛隊なんだが今ちょいとしたことでクビになりかけなんだ。そこでお手柄がいるんだけどこの町が平和過ぎてまったくお手柄がねぇんだ。そこでだ、坊主」
俺は多分悪い顔をしながら言う
「迷子のふりをしてくれ」
それを聞いてガキは肩を落とした
「この話を護衛隊にチクったらお前はしまいだな」
「それだけはやめてくれ。ホントに人生終わっちまう。一つだけ坊主の言うこと聞いてやるから、っな?頼むぜ」
必死に手をすり合わせて土下座するがガキはなんも言わねぇ。こりゃ詰みか?俺は罪なのか?
「顔を上げろ。お前に協力してやるよ」
「ほっホントか?」
「ただし一つ願いを叶えること忘れんなよ」
「もちろんだぜ」と言い俺はすぐさまガキを連れ所へ向かった
「坊主名前なんていうんだ」
「エルミ=パルパだ。お前は?」
38の俺に「お前」かよ。最近の子供は教育がだめだな
「アントニオ=エべタロス=ボブリッチ。童〇貞だ」
「聞いてねぇよ、キメェなぁ」
「一応紳士としての情報開示だ。社会じゃ常識だぜ?(ステイサムが言ってた)」
エルミは憐みの混じったため息をついた。最近人のため息めっちゃ聞くようになったな。みんな過労じゃねぇのか?
「そういや坊主さっき何してたんだ?」
「わかんねぇ、気が付いたら噴水の前にいたからなんとなく泳いでただけだ」
「気が付いたら噴水って泥酔でもしたんかよ」
「いや、まったく記憶がねぇんだよ。昨日も一昨日もその前も自分が何で何なのか何がしたいのか、なんもわかんねぇ」
エルミは頭を押さえて思い出そうとしている。
記憶喪失的なやつか?ならマジで病院案件じゃねぇか。でもなぁ、こいつ病院に連れてっちまうと俺クビだしなぁ。。
「おーい」
遠くからステイサムが手を振っていた
「なんか事件でも解決したか?ん?誰だこの子は?」
(ゲェ、ヤベ。今こいつにバレてたらホンマに懲戒処分や、逃げねぇと)
すぐさま後ろを向きエルミの手を握ってその場を逃げようとした瞬間、掴んでいた手がいきなり軽くなった。疑問に思いゆっくり振り返えるとそこにエルミはいなかった
「君どうしたの?迷子?」
エルミはステイサムの正面に平然と立っていた
「そっそうだ。この坊主迷子らしいんだよ。だから一回連れてこうと思ってな」
「そうなのか、てか今お前逃げようとしてなかったか?」
「黙ぁまらっしゃい!!そんなことより今は急いでこの坊主を助けるぞ」
「ーーお前いいもん持ってんな」
エルミはステイサムの左胸ポケットを見つめる
ポケットの方へ右手を伸ばし拳を握った
ゆっくりと手を広げるとそこには木製のロケットがあった。
「さわるな!」
ステイサムは声を荒げ強引にロケットを奪う
「おい!窃盗だぞ!。ボブリッチ、悪いがこいつは迷子としてじゃなくて窃盗の現行犯として連れていく」
ステイサムの鍛えられた太い腕がエルミの細い腕を掴んだ
「まっ待ってくれ。言い忘れていたんだ。このガキ記憶喪失なんだ、かなり重度の記憶喪失なんだ」
「だからどうした?記憶喪失でも犯罪は犯罪。今やったことは犯罪だ。ましてやパトロール中の警官に窃盗は完璧だろ?」
少し鼻息を荒めイライラしながら俺を睨む
「え、え、え。あっあれだ。精神障害、そうだ!精神障害なんだよ!このガキ精神障害も持ってる。だから善悪の判断ができんねぇんだよ」
ここまで言ったらさすがに大丈夫、だよな。てかガキに小さなアクセサリー一つで激おことか器ちっさ。小皿かよ
「。。。ボブリッチお前この子供庇いすぎじゃないか?さてはお前も共犯か?」
「。。。。。」
「沈黙はYESでいいんだな」
「お前ら大人のくせしてガキ癖えんだよ」
静かに聞いていたエルミがつぶやいた
「お前は黙ってろ。記憶喪失でも精神障害でも何でもいい、絶対実刑持たせてやるよ」
さらに強く手を握るとエルミはギラりと睨み掴んでいる手を反対の手でつかみ返した
「反撃のつもりか?哀れだな。自分の貧しさを知れ。。。っんぐ!」
ま、、マジか。恐ろしい、、ほっぺを何度もつねっているが夢じゃねぇ。ステイサムの太い筋肉質の腕を、、こんな小さなガキに握られ押しつぶれている。。。
「へ。貧しい腕だな」
そのまま握り続け色が変わり始めた瞬間、みぞうちを殴った
パンチはめり込みステイサムは泡を吹いて倒れた
その瞬間俺は実感した。。。噂の幽霊、、こいつだ。。。
読んでいただいてありがとうございます。筆が遅いので週一程度しか投稿できません。
毎週月曜21時投稿です。
よかったらtwwiterフぉローしてください
(ストック溜まりすぎてたら月曜日とは別でポツンと投稿します)
ボブリッチ、お前尺取りすぎや(笑)
バレンタインですね。。。。ちくしょー(´;ω;`)(今日バレンタインです)