魔王城に行ってみたらまさかの魔王が女だししかも好みの美女だったので勢いでプロポーズしてみた。
「ずおりゃー!」
俺は聖剣を振り回し、魔王の間の前を守っていた巨大な黒龍をザンッ!!と真っ二つに斬った。
「ふ~…魔王の右腕つってただけあって、今まで会った敵の中で一番強かったな。さて、次は魔王だな。どんなやつだろう…?やっぱり、大男とかだろうか?それとも、歪な化物みたいなやつだろうか?何にしても、俺はソイツを倒すけど」
俺は回復の魔法を使い、全身の傷を治すと。
「…よし!行くぞっ!」
俺は魔王の間の大きな両開きの扉を「バンッ!!」と勢いよく開き、そして。
「魔王!!お前を倒しに来た!!この世界の平和のため、お前には死んでもらうっ!!!」
俺はそう言いながら、玉座に座る魔王のもとに力強く歩みよった。
すると、俺は驚愕した。
「ほう…我が右腕の黒龍を倒すとは…中々やるな勇者よ。だが、私はブレンダより強いぞ!ブレンダや貴様に倒された私の愛する僕たちの弔いのためにも、貴様を粉々に殺す!!」
そう言いながら、魔王は胸元の大きなそれを『たゆんっ♡』と大きく上下に揺らしながら、玉座から立ち上がった。胸元がぱっくりと大きく開いた服から、ソレがポロリ♡と溢れそうなくらい、立派で大きい。
「ほ…ほおおお…」
俺は胸元をガン見しながら、まさかの魔王の正体に驚き、変な声を漏らす。
俺の手に収まりそうもないくらい、大きなおっぱい。なのに、ウエストはしっかりと括れていて。水着のようなハイレグ衣装から浮き出る鼠径部がたまらない。そして、その下に伸びる褐色肌の美脚が、魔王のエロさを強調している。
良いのはスタイルだけじゃない。顔も整っていて綺麗で。ぱっちりとした大きくて綺麗な琥珀色の瞳に、キスしたくなるようなぷるんとした艶やかで真っ赤な唇。
…見るからに妖しいけど、その妖しさがたまらないというか。この魔王にであってしまったら、きっとほとんどの男は、この魔王の虜になるだろう、というほどに官能的で美しい魔王だ。
─そう、魔王はセクシーな女だったのだ。
「私の名前はバルディアーノ・シュヴァルド。冥土の土産に教えてやっとこう…まあ、貴様はこれからすぐに私の手で殺してやるがn…」
「結婚してください」
「…は?」
「俺と結婚してください!!」
俺は魔王をまっすぐに見つめ、そう言った。
「いや~…は?言ってる意味がわからないんだけど…」
「だから、俺と結婚してください!!」
「う~ん…貴様は勇者で、世界平和のために私を倒しに来たのだろう?それじゃまるで、プロポーズのようだぞ?」
「そうです、これはプロポーズです!バルディアーノ・シュヴァルドさん…いや、バルディ、俺と結婚してください!!」
「えええええ!!!?正気かよ!!!?」
「正気です。いや、本気です!!」
「ちょおっ…へええ~…」
俺は魔王をまっすぐに見つめた。魔王は呆れた顔で俺を見て、大きな溜め息をついた。
「貴様…自身が何を言ってるのかわかっているのか?この世を不幸にさせた魔王に、勇者の貴様は『プロポーズ』しているんだぞ?貴様の家族や周りの大切な者たちを苦しめている魔王にプロポーズするなんて、貴様は気違いか?それとも、戦いすぎて頭がどうかしたのか?」
「違う。俺は君に…バルディに一目惚れした。世界とか平和とかもうどうでもいい!俺と結婚してくれっっ!!」
「いや、貴様勇者だろ!?そんなこと言ったらダメだろ!?」
「勇者だろうが平民だろうが関係ないっ!!俺はバルディに惚れた!好きなんだ!大好きなんだ!愛してる!!俺と結婚してくれ!!!!」
と、俺は伝えられる限りの気持ちを魔王にぶつけた。すると魔王は頬をかああっと赤らめ、まっすぐに見つめる俺から目線をそらせた。
「ああああほか!!この世を滅ぼそうとしてる魔王に…私に惚れたとか、ふ、ふざけるな!!私の愛する僕たちを殺した貴様のことなんて…だっ誰が好きになるもんかっ!!」
「じゃあ、今まで殺した君の仲間を生き返らせたら、俺と結婚してくれるのか?」
「は?そんなことできるのか?」
「俺は剣の腕も最強って言われてるが、魔法もこの世で一番と言われるくらいの最強魔法使いでもあるんだぜ!てか、君の僕たちに殺された村人とか戦士とかも、俺が魔法で生き返らせてるから、寿命以外では誰も死んじゃいないぜ?」
「そ、そうなのか、貴様凄いな─…って、いかんいかん、危うく丸め込まれるところだった。貴様の魔法なんて必要ない。今ここで殺って、貴様から能力を奪えばいいことだ」
「ヤる…!おいおい、流石に○○○○は早いだろ。いやまあ、君がシたいならシてもいいかな?」
「ばっ!?きさっ、魔王とはいえ、女の前でそんな下劣なことを言うな!てか、下を脱ごうとするなー!!!」
俺がごそごそと下を脱ごうとしたら、魔王は耳まで真っ赤にしながら顔を手で隠した。
「ほう…その反応、もしかしては君、男慣れしてないウブなのか?魔王なのに」
「…っ!チ、がう!私は男に媚びるのが嫌なだけだ!おおっ、男慣れしてないとかそう言うのではな───」
俺はたまらず魔王のところに歩み寄り、もじもじとしている魔王の顎を、くいっとアゴクイした。
「…!?い、いつのまにこんなに近くに…」
俺にアゴクイされる魔王。頬を真っ赤に染めて、キラキラとした瞳で俺を見つめる。その瞳は紛れもない…恋する乙女の瞳だ。
「ああ…近くで見るとさらに綺麗だ、バルディ。俺は君を───…」
そういって俺は、魔王の唇にキスした。柔らかそうな唇とは思っていたけど…思っていた以上に、プルプルとして柔らかい。今まで何人もの女性とキスをしたけど…その誰よりも柔らかくて…気持ちいい唇。
「ん…」
「ふ…」
─────────…
ちゅぱっと、魔王の唇から離れる。俺にアゴクイされてる魔王は、ぽーっと俺のことを見つめていた。
「ふっ、キスだけでとろとろじゃないか。もしかしてキスも初めてかな?」
「…は、はい♡」
「改めてバルディ。俺と結婚して下さい」
「は、はい、喜んで♡」
魔王がコクコクと頷きながら言うと、俺はまた魔王の─…バルディの柔らかい唇にキスをした。
それからほどなくして、俺はバルディと結婚した。もちろん約束通り、バルディの仲間たちを蘇生呪文で蘇らせた。
バルディはこれまで行ってきたことを悔い改め、今度は世界平和のために、魔王でありながら聖女のような活動を始めた。
人々に恐れられていた女魔王は、人々に愛される魔王となり、そして俺のことを深く愛するいい妻になったのさ。
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