タイトル悩み
「タイトルの付け方分かんない」
お部屋で一人、ぽつんと悩む。
これが本当に困るんだよな。
大体の文章は出来上がっている。
だか、それを一言でまとめろって言われると…。
無理だな、うん。
適当に書いたが、
なんともピンとこない。
新聞とかの見出しとか
あの長い文章をひとまとめにできる、
その能力がどれだけ羨ましいことか。
見出しで言いたいこと伝わって
来るもんなぁ。
うーむ、うーむと悩む悩む。
最近よく見かける、
タイトルが文章の説明になってるタイプ、
あれは真似したくない。
勿論、ああいうタイトルの付け方が、
人に小説を見てもらいやすいって
いうのは理解している。
ただなぁ、あまりにも長くないか?あれ。
もう本読まなくても結末が
見えてくるって言うか…。
それに似たようなタイトルつける人が
沢山いることもなんか嫌なんだよな。
完全に量産型だし。
ああ、いかん。
文句ばっかりになって肝心の
タイトルが思い浮かばん。
こういう時は、文殊の知恵方式に
するしかないな。
「お、もしもし。今暇か?」
友人を電話一本で呼びつけた。
そのつもりだった。
「ん?あ、わりい。今忙しいんだわ。
(ちょ、声でけえよ、音量下げろって………)
で、急用か?違うんだな、じゃ、また後でな。」
撃沈した。
後で、と言っていたがこれは折り返しは
ないと考えていいだろう。
にしてもなんてベタな方法で
誤魔化そうとするんだか。
と言うか何やってんだ、あいつ。
……そして俺は
振り出しに戻った。
タイトルは勿論思い浮かばない。
まぁ要は主軸がないって事なのは理解してるんだ。
昔からそう言うのは苦手だった。
何か目標を。何を伝えたいのか。考えろ。
あぁ、よく分かるとも。
目標なければ、具体的な案もないって事は。
だが、そもそも小説を書くことに
俺は目標はない。
書きたいから書く。
自分が読んでみたいものを。
相手に読んで欲しいものを。
そこに内容の正しさやら推敲やらはない。
要は自分がやりたいようにやって
暴走した結果なんだよな。
だからこそ。今どきの長ったらしいタイトルの小説に
忌避感を覚えるのかもしれない。
没個性を感じさせるだけじゃない。
そこには自分がない。
ただ、売れるから。そう言うのが流行ってるから。
それだけのように思えてならない。
勿論それだけじゃないものを大勢あるのだろうが、
正直見分けをつけようとするにはあまりにも数が多い。
また、文句ばかりとなった。
自分はまだ何もタイトルを考えられてない。
偉そうに語ったが、俺は進んでいない。
自分が口だけだと言うのを
よく理解できた瞬間だった。