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4.1斤まるまるフレンチトーストを食べる

話の切れ目の都合上短いです。


「お待たせいたしました~」

 さながら飲食店の店員のようなセリフを口に出してみた。

「全然待ってないよ!」

「ああ、全然だ」

 いやいや、生地をつけてる時間とか、焼いてる時間を含めたら1時間ぐらいは経ってるから、十分に待たせてると思うよ。お店で売っているとすれば大問題である。

 テーブルにフレンチトーストを置くと、2人が物珍しそうな顔で眺めている。特に、ルフは今にも食べたそうに前のめりになっている。後は、お皿とフォークと思ったのだがそれは既にテーブルに用意されていた。いつの間にと思ったが、盛り付けに苦戦してる時にレオンさんが一度キッチンまで来ていたことを思い出す。私は集中しててそれどころじゃなかったけど、恐らくその時準備してくれたのだろう。


 二人にフォークで自分が食べる分を取り分けて、食べることを説明し私も椅子に腰かける。

「いただきます」

 そう言って、フォークを持ちフレンチトーストを取ろうとすると、何か目線を感じた。顔を上げると、2人不思議そうにこちらを見ている。私何か変なことした?それとも顔に何かついてる?つまみ食いとかしてないよ。

「いただきますってなぁに?」

 そういうことか。あれ、さっきレオンさんのご飯頂く時にも言わなかったっけ。

まぁ良かった。私が何かしたのかと思った。そういやどこかで、言わない国もあるみたいな話聞いたことあったね。癖で言ってしまってるようなものだから気にしたことなんてなかった。

「簡単に言えば、食べ物になる動物や育ててくれた農家さんに感謝を込めて、頂きますってことかな」

「そうなんだ!なら、なぎお姉ちゃんいただきます」

 それ私食べられてない? と思ったが口にするのはやめておこう。でもいただきますの意味を、改めて考えると重く大切なことだと再認識する。やっぱり教育って大事だったのかな。途中で逃げ出した私はまだまだ未熟なのだろう。ルフは、ちゃんと良い子に育ちそうだ。

 そして、2人がフレンチトーストを口に運んでいるのを見ると、そわそわしそうになる。どんな感想が飛んでくるのか。怖いし、心配になるのだ。

 そんな心配とは、裏腹に二人の顔からは笑みで溢れているように見えた。

「結構甘いけど、しつこくなくて美味しいな」

「ふわふわであまくておいしい!」

 どうやら二人には好評のようで良かった。普段なら、レシピを見て作ってるけど今回は何も見ずに作ったから、正直不安だった。

 でも、思っていたよりも上手くできたし、味も好評みたいで嬉しい。

量的にご飯を頂いた後だし、食パン1斤分は流石に残るかと思ったが、ペロリとたいらげてしまった。特にルフの食べる量が驚きだった。恐らく一人で半分ぐらいは食べ切っているだろう。流石、育ち盛りの子供である。ちなみに私は、4分の1程度で止めている。太るのが怖いからだ。

 

 食事のお口直しにと、紅茶も頂いたので私は、レオンさんに町を探索してくることを伝える。

「夜には戻ってくるんだぞ。夜は危ないからな」

 私は子供かな。いや子供なんだけど、何故かここに帰ってくる前提になっている。

「いや、自分で泊れる所探しますので・・・」

 そんな泊る施設があるかも分かんないんだけどね。それにお世辞で言ってるに違いない。

「別に泊っていっても構わないぞ」

「うん。僕も泊ってくれていた方が嬉しいな」

 ルフにまで言われるとますます、断れない状態になってきた。

「もし見つからなかったら戻ってきますね」

 野宿するよりは、申し訳ないけどレオンさんの所で1泊させてもらうのが最善だろう。ここはお言葉に甘えさせてもらう。

 レオンさんに、出口まで案内してもらい、1Fのお店まで降りてくる。お昼時を過ぎたので、お客さんの姿はそこにはなかった。テーブルに残ったお皿を店員さんが片づけをしている姿がある。聞けば基本3人から4人でお店を回しているそうだ。

とりあえず何処に行けば、宿泊施設があるのかを聞いていると、一人の女性がやってきた。

「良かったわ。元気になったのね」

「あぁミフィ一人でありがとな。昼頃に目が覚めて元気そうだぞ」

 この人がルフの言っていた奥さんのミフィさんか。とても顔の整った奥さんだ。どことなく、ルフに顔が似ているような気がする。

「助けて頂き、ありがとうございました」

「全然気にしなくて良いのよ。元気そうでなによりだわ」

 ミフィさんにこの後、町を探索することを伝え、宿泊施設を探すことを伝える。

「あら、戻ってきて良いのよ」

 やっぱりか・・・。もはやデジャブと化してる気がするよ。

「もし見つからなかったら戻ってきますね」

 再び、テンプレートのような言葉を出しておく。

「そういえば、バッグ持っていたから預かっていたのよ」

 厨房に再び戻って、見覚えのあるバッグを持った状態で出てきた。私がよく使っている手提げバックだ。

「中身は何もしていないから安心してね」

 手提げを受け取って、念のため中身を確認する。でも、何を入れたかを覚えているわけがないが、財布と化粧ポーチが入っているので恐らく大丈夫だろう。スマホは入っていないようだった。恐らく爆発したときの荷物がそのままあるようだ。スマホはレシピ確認用にキッチンに置いていたからないのも仕方ない。


 とりあえず、宿泊施設はこのお店から左に進んで行くとあるらしい。見た目は5階建てでこの周辺では1番大きいから分かるそうだ。それに、3人曰く迷う心配はないらしい。

 なぜ、迷う心配がないのか疑問に思ったが、私は3人に見送られ、町に出る。

3話と一緒にすればよかったかも...(後悔)


次回、ようやく町探索スタートです!!

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