カスタネダ(1)
タオのつづきです
学問を修める人は、日々ひたすら知識を
増やしていきますが
道を聞くものは、日に損し、これを損し、
また損して、以って無為に至る
ひたすら、今まで蓄えて来た知識を減らして
減らして、究極の無為自然の境地に到達する
そうですが
なかなか現代人には実行できないというか
私もIT関係の仕事でしたから
日々ひたすら知識増やさないと
とてもやってけませんでしたし
どんな仕事もそうだと思いますが
占いも15種類、一応修めましたがこの知識が
タロットカードの一枚の暗示に遠く及ばない
ことが多々ありました
易の一占で本質ズバリを暗示することも
いつかはこういう事さえも捨てて、
掌の中を見るように天地の機微に通じる
明知の境界に行けるのでしょうか?
今は介護の仕事なので、今度は医療の知識や
介護、看護の知識が必要ですが
ITの時のような無機質な情報だらけの世界では
ないので、人情的な仕事になっております
知識や理性より行動や感覚や情緒の割合が
多いかもです
タオの世界では、なんしか減らすそうです
交際を減らし、口数を減らし、分別を減らし
知恵を減らし
そうすれば、揉め事、非難、心労から離れ、本来の生き方に戻れるそうです
赤ちゃんはいつもニコニコ楽しそうです
無為自然そのものの姿です
お母さんはどんなことがあっても
子供を守ろうとする気持ちが強くなりますが
知恵がでてきて、理屈をいうようになると
だんだん残念な感じになっていきます
理性が発達して自尊心が強くなり
色んな知識や資格もとってお金を稼いで、
社会的な能力が高くなるにつれて
だんだんタオ(自然)から離れていく感じがします
山の中で行動して、自然の脅威や恩恵を感じ、
お金も不要で、自然からその日の糧を頂いて生活していたら
いつも自然タオの世界が自分の中にあるかもです
カルロス・カスタネダの著書、
これは古代メキシコのシャーマンの知恵ですが
「自尊心というやつは、単純なものでも無邪気な
ものでもない
それは、わしらのなかのあらゆる良いものの核で
あると同時に、あらゆる汚いものの核でもあるんだ
汚いほうの自尊心をなくすには、最良の戦略が
必要になる
何世代にもわたって、見る者たちはそれを
やりとげた者に最高の賞賛を与えつづけて来たんだよ」
もともと、人間は自然に近かったのですが
3000年前の人は湖にたたずむ龍神を
感じることができたそうですが、
自我が芽生えて、理性、自尊心がでてくると
自然、万物とのつながりが薄れていき、切れていき
自我の中に慰めを求めるようになったそうです
そうなるとだんだん自己イメージが強くなり
自己陶酔、自惚れの状態が生み出されてしまうのですが
その根元は、自己憐憫、自我の中に慰めを
求めている状態がそれです
「まさかと思うかもしれんが、そういうことなんだ」
「自己憐憫こそが人間の悲惨さの元凶であり、
真の敵なのさ
自分に対する憐みをもたなければ、人は
今のようにうぬぼれてはいられなかったはずだ
一度うぬぼれの力が働くようになると、
それ自身の勢いが生まれてしまう
この一見独立したように見える
うぬぼれの性格が、それに何か価値が
あるかのような偽の感覚をつくりだすのさ」
・・・
半ば不平をいうように、私は、この二日間彼が
口を聞いてくれなかったので本当に居心地が悪かった、といった
ドン・ファンは眉をつりあげた
唇に笑みが浮かんで消えた
「おまえの自尊心をかきたてていたんだよ」
ドン・ファンは顔をしかめていった
「自尊心は、わしらの最大の敵なんだ
そこのところを考えろ
わしらを弱くするのは、仲間のやることや
悪事に侮辱されたと感じることだ
自尊心というやつは、わしらが人生の大半を
誰かに侮辱されてすごすことを要求してくる
新しい見る者たちは、あらゆる努力をして
戦士のなかの自尊心を撲滅しなくてはならない、
といっている
わしはその勧めに従ってきたし、
おまえには、自尊心をなくせば無敵になれるんだ
ということを教えようと、努力してきたんだ」
二見書房 沈黙の力 カルロス・カスタネダ
二見書房 意識への回帰 カルロス・カスタネダ
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