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LEGNA ~竜ゲノム?~  作者: 宮内桃内
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LEGNA 三夜

立ち去る愛理奈に悪態をつくロボに驚くシンジ。

「へ、ネコ女が。」

「え、今まで君が喋ってたの?」

健二にこたえるロボ。

「そう。」

「こいつは人間になってまだ数年だからな。」

「僕の首輪に声帯の振動をデータして発信する装置が付いてる。」

「そいつをチェイニーの喉の装置が受信して声帯を振動させるんだ。」

舌を出して、シンジに擦り寄るチェイニー。

くすぐったそうに照れるシンジ。

「キュウん?」

「あ、あの、狼男なんだね。」

「ああ、こいつは狼男にされてしまった。」

「狼からな。」


ロボの頬を撫でるシンジ。

「じゃ君は?」

「僕?ご想像の通りだよ。」

二人の身上に同情するシンジ。

「え、ああ、酷い...」

同情するシンジに激怒するロボ。

「酷いだって?お前のように恵まれた奴に、人間にされた狼の辛さがわかるかっ!」

「狼にされた人間の辛さがわかるのかよっ!」

唖然とするシンジ。

「え、恵まれたって?」


ベンチの上でチェイニーに毛繕いされながら話すロボ。

「君がどこまで知ってるか知らないが、僕たちはその狼男のゲノムを使われた。」

「通称、『ルー・ガルーゲノム』。そして...」

ロボの話を聞いている神妙な表情で聞いているシンジ。

「その狼男の体細胞を培養して、ばら撒いたやつがいる。」

「世界中で起こっている猟奇殺人事件は、そいつのゲノムを使われた奴らの仕業さ。」

話を続けるロボ。

「医療機関、研究機関、一般企業なんかが、一斉にこの細胞に飛びついた。」

「その結果、狼男、いや狼女もな、ぞろぞろ生み出されたってわけだ。」

何故かシンジを見て微笑んでいるチェイニー。

「昨日、殺された女は僕たちがやった。狼だった。」

「男のほうはあの女がやったんだろ。」

神妙な表情でうつむくシンジ。

「...」


チェイニーを促すロボ。

「チェイニー、帰るぞ。服を着ろ。」

フライトジャケットに袖を通すチェイニー。

「ウニャ。」

立ち去る二人を振り返るシンジ。

「僕たちはしばらく日本にいる。また会うだろう。」

「え、なんで?」

振り返るロボ。

「君は持ってるからさ。『特別』を、ね。」

「え?」

「おかげで、君を連れ去ろうとする奴らがいる。」

ロボたちを神妙な表情で見送るシンジ。

「君を監視して、そいつらの邪魔をするのが僕らの仕事だからな。」

「...」


成條大からの帰りのシンジ。

昨日は最悪だったな...何なんだ、あいつら?

愛理奈さんもどこかへ行っちゃたし...

大きなため息をつくシンジ。

ここに通ってたのって、ヒメだけためじゃなかったのにな...

ショップの前に立つシンジ。

愛理奈さん...

ヒメレグナのブースを見て驚くシンジ。

売約済みの札。

ええ、ヒメもどっか行っちゃうの?


放心状態のシンジに声をかける愛理奈。

いままで止めてくれてた愛理奈さん、いなくなったから...

「あら、浮かない顔でどうしたの、シンジ君?」

何故かドヤ顔の愛理奈に驚くシンジ。

「あ、愛理奈さんっ!」

「ふふ。」

とっちらかるシンジの言葉に怒る愛理奈。

「あ、ね、猫女ってばれたんで、どっかいちゃったのかと...」

「猫女って何よ、キャットピープルよっ!」

「似たようなもんじゃん。」

「いーっ!」

肩に肘を掛ける愛理奈に慌てているシンジ。

「シンジ君さえ黙っててくれたら、ね?」

「でも、一人、いや、一匹殺してるんでしょ?」

真顔でシンジに迫る愛理奈。

「黙っててくれたらね...」

「あ、は、はい...」


ヒメレグナを指さして慌てるシンジ。ドヤ顔の愛理奈。

「あ、あと、これって、買われちゃたんですか?」

「買いました、あたしが。」

唖然とするシンジ。

「ええ!?」

「あなたがもたもたしてるんで、あたしが買いました。」

「ええ!?」

ブースを開けてヒメレグナを手に取る愛理奈。

「君が買ったことにしてるの。」

「君が忙しくって引き取れないので、ここで預かるってことにしたのよ。」

「エサ代は払ってよね。」

弱り切っているシンジ。

「あの、毎月1万、いや2万づつくらい返します。」

「ふふ、気にしないでいいのよ。」

「しますよ、そんな大金。」

愛理奈の提案を渋々了承するするシンジ。

「じゃあ、毎月、あのステーキハウスで奢ってよ。」

「え、ああ、はい。」


ヒメレグナをあやしながらつぶやく愛理奈。

「人質よ。」

「え?」

「この子はあなたを取り込むための人質なのよ。」

愛理奈を無表情にみるシンジ。

「もし、私の手から逃れようとしたら、この子は...」

「させないよ...」

表情に表わさないが、明らかに怒っているシンジに怯む愛理奈。

「そんなこと、愛理奈さんに、させない。」

「そ、そう...」

ヒメレグナの頭を撫ぜる笑顔のシンジに拍子抜けの愛理奈。

「ともかく、ありがとう愛理奈さん、戻ってきてくれて。」

「え、そっちなの?」

顔を見合わせて微笑む二人。

「いや、この子のことも、ありがとう。」

「ふふ。」        

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