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虹色の魔法少女  作者: 神奈川 毬
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雲の侵攻

桃と松野が痴話喧嘩のようなやり取りをしながら、二人で駅前を散策して建物と建物を結ぶ地上から2階部分にあたる大きな歩道橋を歩いていると、いつも騒がしい駅前からやたらと目立つ大きな声が聞こえてきた。松野が気付く前に桃が先に気づきそちらに目をやると、歩道橋の下に広がる大きな道路に雲に覆われているような不定形な姿や動きをするものがいた。またあからさまに人間ではないそれが目に入り、それに対して人々が悲鳴を上げる声だと認識した。


「この前友達にすすめられて、駅を少し西側に進んだ所に結構よく並ぶたい焼きがあって。店自体あるのは知ってたけど全然興味がなかったんだけどさぁ、あんまりにも友達がすすめるもんだから気になって食べてみたんだよ。そしたらすっごく美味しくてさぁ・・・」


松野は気づかずに呑気に桃へと日常的な内容ばかり話していたが、桃はそれどころではなかった為適当に相槌を打つしかなかった。その間松野は桃と一緒に入れるためか凄く幸せそうにしていた。


「はい。」


二人というよりは実質松野のみが話している間、ソレは道路を逆方向に侵攻しており時折腕を大きく振り上げて、自動車を破壊していた。破壊された車の持ち主は、化け物からの攻撃を受ける前に車を飛び出していたので無事だったが、それでも近くにいる何人かは怪我をしているようだった。それを見た桃は昨日のような化け物だと理解した桃は、昨日の化け物とは違い直接的な暴力行動を行っている所を目撃した為、少しの恐怖心が芽生えた。


昨日、化け物を倒したように魔法少女に変身して街を守らなければ・・・!と考えるが、今は松野と一緒にいる為、このままでは松野も前回のるかのように怪我をおってしまう。また昨日の敵はそこまで好戦的ではなかったが前回と違い、今回はあからさまに凶暴な敵なので、もっとひどい事になるかもしれない。


また、今ここで変身してしまうと自分が魔法少女であることもばれてしまううえ、()()恰好がばれてしまうのは今度こそ恥ずかしくて死ねる。それだけは嫌だ!そう思った桃は松野に声をかけた。


「松野先輩!私本当に大切な用事を思い出しました!なので失礼します!松野先輩もすぐ帰った方がいいですよ!」


そのまま桃は後ずさり、去ろうとするも松野に腕を捕まれて失敗した。それどころではないと思う桃のと桃をこのまま返したくない松野で相反していた。桃は何とか松野から逃れようと困った表情をするも松野は負けじと桃へとこういった。


「山桜桃!お茶だけでも・・・。!!」


松野の視線が化け物の方へと向いたのをみて、桃はしまったと思うも時すでに遅し。松野ははっきりとソレの存在を認識してしまい困惑の表情を浮かべていた


「な、んだ。あれ・・・」


桃はどうしたらいいか、何から説明すべきか、どう説得すべきかと言葉を選んでいると化け物はこちらへ向かってきていた。こうなったら無理やりにでも変身して夢落ちにでも持っていこう!そう桃考えていたが。


「山桜桃!ここはやばいから、逃げ...」


松野が最後の言葉を言い切る前に驚愕の出来事が発生した。なんと松野と桃の間に、少し離れて道路を歩いていたはずの化け物はそこまで移動していたのだった。正しくは此処まで跳躍してきた。化け物は見た目のように柔らかい素材でできているらしく、こちらに跳躍してきたのにも関わらず着地音などはほとんどなかった。あまりの出来事に完全に思考が停止してしまった桃。そんな桃に構わず迫るソレは先ほど自動車を破壊したときのように腕を大きく振り上げて・・・。

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