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虹色の魔法少女  作者: 神奈川 毬
3/8

あなたの名前は?


「きゅー!」


先程完全回復したるかと分かれて、そのまま放っておく訳に行かず謎の生き物をカバンの中から半分頭を出させた状態で連れて帰る桃。よくアニメの世界では見た事のある光景だが、まさかこんな事に本当になってしまうなんて!親にはどう説明したら良いか。そもそも先程の出来事だって突然に起きた事。夢ではないかと何度も思ってみたが、るかを支えた時の重さや、ベタにほっぺたを抓ってみても


「やっぱいいひゃい (やっぱり痛い)」


となるだけなので、桃は更に頭を悩ませた。桃は帰宅すると鍵がかかっていた。鍵をかける時はだいたい家には誰もいない時でもし家に誰かがいれば鍵は空いてる事の方が多いので、誰もいないと分かった桃はそのまま2階の自室へと向かった。


「ふぅ.......。あ、そうだ!猫にいじめられてるところを拾った!これで行こう!うん!そうしよっ」


と、ことを軽く見て制服も着替えずそのまま謎の生き物を抱えてベッドへと寝そべった。仰向けで謎の生き物を高く掲げてあと胸元へ下ろしてやる。また上げて下ろすを繰り返すと、喜んでいるのかまたあの玩具のような声できゅっきゅっと鳴き始めた。


「そうだ!折角来たんだから名前をつけてあげないと!ぅーん」


あーでもない、こうでもない。と悩んでいた桃だが改めて謎の生物をみてみると真っ白な体に仔犬ぐらいの大きさ。つぶらな目をしている。ここまではポメラニアンに似ている。違うところは垂れ下がっている耳がまん丸な形をしており、前足は犬と言うよりは猫に近い姿をしており、後ろ足はなくかわりに尾ひれのようなものがついている。ただし全身は毛で覆われている為尾ひれとしての活躍は期待でき無さそうなものだった。


「体がまるくてふわふわ.......ふわわとかどう?」


「きゅー?」


「かわいいー!じゃあふわまる!」


「きゅー」


「なんか違うのかな?まるる」


「きゅーきゅー」


「もう鳴き声かきゅーだし.......きゅる!」


「きゅっきゅっ」


また玩具のような鳴き声で可愛くなくものだからどうやらこの名前が気に入っているようなので桃はそのまま名前をつけた。


「よーし!じゃああなたの名前はきゅるね!」


なんてやり取りをしている桃は玄関が開く音と、桃の部屋へと向かってくる足音に気づいたが時すでに遅し。桃ちゃんと呼ぶ声と共に母が部屋へ入って来ようと扉を開けてきた。それをみたきゅるは、何故か突然全身が煙に包まれて小さなぬいぐるみへと変身した。


「見てみてー!この服可愛いから買ったんだけど桃ちゃん好きそうだし、いる?」


「あっ...え....うん。いる......かな」


母が突然部屋に入ってきたことときゅるがぬいぐるみに変身したのがほぼ同時だったので奇跡的なタイミングと何が起こってるのかが事態が読み込めず曖昧な返事を返した。


「じゃあ渡しておくねー。あ!そのぬいぐるみ可愛いね」


よしよしとぬいぐるみにばけたきゅるを撫で、それだけの用事だったようで、そうそうに桃の部屋から出ていった。すると桃だけが声を発せる状態となった為部屋には静けさが漂う。そしてきゅるがどうしてこうなってしまったかをまた考えたが、タイミングよくぬいぐるみになったきゅるをみて桃はまさか...とまた答えに辿り着いた。


「.......」


「いや.......お前も変身できるんかい!」


と桃の突っ込む声は部屋のなかに吸収されて行った。

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