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桃色の乙女座  作者: 喪愛
1/1

プロローグ

高い塀で囲まれた遊郭。


お飯事をしている。





「……あ!(キノト)ちゃんだ!!」

凛とした顔立ちの上品な女の子だ。身を包む物として乙女色の着流し、紅梅色の帯締め、藍鉄色の股袴、青藍と薄花色の袖がない羽織を纏っている。髪を二つに分け、それぞれを大きな二つの輪にして後頭部で一つに纏め上げて根元を細幅の白い絹でしっかりと結わえ、そして頬に垂れる髪を桃の絹で装飾していた。時折垣間見える眉毛が美しい。

「ハッ!」


「儂はこんな所で眠っておったのか


「葉に包まれた握り飯……だと」



「……日本人形?」


「和風美人」


「美味え……!美味えよ……!!」


「正しく作り立てじゃ。米の一粒一粒が光り輝いておる」


「ひもじい思いをしとったから……こんな


「鼯ムササビ」


「……どうだった?」

先程の少女……乙と


「一応もう一包みある」

握り飯が三つ

「貰おう」


綺麗なだけではなく 知性(漢詩や和歌など余裕でこなす) 芸能(歌や三味線も水準以上) 礼儀作法(これは絶対条件) に優れた女性であり その上「ベットの上でも超一流」という 評価がなされて初めて太夫になれたのです




最上級の太夫や、または花魁と呼ばれた高級女郎の下について、身のまわりの世話をしながら、遊女としてのあり方などを学んだ。



揚屋「芸者(ここでは唄や三味線や舞を踊るだけの女性)や幇間を呼んで酒宴を開く所」でまず女将が客を通な客か野暮な客か見定め通な客と見れば遊女を呼んでくれますが、客が金を出したからといっても遊女が気に入らねばすぐ帰ってしまいます。気に入っても夫婦固めの杯事をするだけでそれでお開きとなって後日客は出直します(この初回だけで宴会料、揚代金、祝儀などで十から弐十両!)

二回目は「裏を返す」といってまた酒宴を張るだけで遊女とは特に何も出来ません

三回目も揚屋で酒宴を開きますが、ようやく「馴染み」となって相方として認められ遊女が自分を名前で呼んでくれます。箸もたんなる他の客に出すのと同じ箸でなく自分専用。そして遊女と妓楼の二階へ行って酒宴の後遊女と「床入り」となってようやく結ばれます。


妓楼で生活するなかで禿は、男と女のからみ合う寝床を目の当たりにすることもあったし、遊女のよがり声を耳にするのはしょっちゅうである。まずこんな環境に慣れさせることで、禿から性的な羞恥心を消し去ったのである。


訓練とは、陰部を名器にするための鍛錬や、入浴時の陰部の洗い方などである。


 手ほどきをしたのは、先輩格の遊女や、監督係の遣手であろう。


禿は十四歳前後で、下級遊女である新造となったが、まだ客を取らない。妓楼は新造の初潮を待ったのである。


 さすがに初潮があるまで性交渉はさせなかったわけで、吉原の妓楼は最低限の人道は守っていたことになろうか。


そのかわり、初潮があったと見るや、すぐに遊女デビューである。


それに先立ち、水揚という儀式がある。水揚は、女の性の初体験である。




ただし、吉原では楼主や、妓楼に奉公する男である若い者と遊女の性的関係は厳禁されていた。そこで、水揚は、妓楼の馴染み客のなかで女あつかいの上手な初老の男に依頼した。

つまり、性のベテランに水揚を頼んだのである。

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